久しぶりに再見。
初めて見た時は、大谷直子さんの大胆なヌードに驚いたのを思い出す。併映は「武蔵野心中」だったが、こちらは詰まらなかった。
原作は中山千夏だが、脚本を担当している荒井晴彦の監督作「身も心も」を思い起こさせる。
全共闘の生き残りの柄本明と岸部一徳と、岸部の奥さん大谷直子、柄本の恋人石田えりが織りなすドラマ。大谷直子が柄本明と寝るのは、彼のことが好きだったのか、それとも夫との生活に不満があったからなのか、多分両方なんだろうな。妻の浮気を知ってしまった岸部一徳が、雨の中、マンションの屋上で、ひたすら壁を相手にキャッチボールをするシーンはよく覚えている。ボールが弾んで、下の川に落ちるスローモーションは、いかにも藤田敏八らしいショットだ。
映画はそれなりに面白いが、藤田敏八らしく、とらえどころがない感じが漂う。あの頃はそんなとりとめのなさがかえって魅力的だった。
高橋ひとみのスレンダーなボディが魅力的。岸部一徳も柄本明も細くて格好いいな。