時をかける少女(1983)

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時をかける少女(1983)

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レビューの数

126

平均評点

74.3(739人)

観たひと

1117

観たいひと

30

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF / ラブロマンス
製作国 日本
製作年 1983
公開年月日 1983/7/16
上映時間 104分
製作会社 角川春樹事務所
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督大林宣彦 
脚本剣持亘 
脚色大林宣彦 
原作筒井康隆 
製作角川春樹 
プロデューサー山田順彦 
大林恭子 
撮影阪本善尚 
美術デザイン薩谷和夫 
音楽監督松任谷正隆 
音楽プロデューサー高桑忠男 
石川光 
音楽デザイン林昌平 
主題歌原田知世
(「時をかける少女」)
録音稲村和己 
照明渡辺昭夫 
編集大林宣彦 
助監督内藤忠司 
スチール遠藤功成 
作画合成岡田明方 
山田孝 
人形製作桑原実絵 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演原田知世 芳山和子
高柳良一 深町一夫
尾美としのり 堀川吾朗
津田ゆかり 神谷真理子
岸部一徳 福島利男
根岸季衣 立花尚子
内藤誠 芳山哲夫
入江若葉 芳山紀子
山下陽子 芳山良子(7歳)
岡寛恵 芳山良子(18歳)
きたむらあきこ 堀川貞子
升元泰造 竹尾原道
高林陽一 時計屋の男
明日香いづみ 喪服の女
小川麻衣子 生徒A
石井きよみ 生徒B
内藤研 生徒C
新井瑞 幼年時代の和子(5歳)
新井雅 幼年時代の和子(3歳)
平野仙丈 幼年時代の一夫
加藤岳史 幼年時代の吾朗
上原謙 深町正治
入江たか子 深町たつ

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ある日突然、時間を超える能力を持ってしまった少女の不思議な経験と悲しい恋を描く。筒井康隆の同名小説の映画化で、脚本は「転校生」の剣持亘、監督も同作の大林宣彦、撮影も同作の阪本善尚がそれぞれ担当。主題歌は、原田知世。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

土曜日の放課後、掃除当番の芳山和子は実験室で不審な物音を聞きつけ、中に入ってみるが人の姿はなく、床に落ちたフラスコの中の液体が白い煙をたてていた。フラスコに手をのばした和子は不思議な香りに包まれて気を失ってしまう。和子は、保健室で気がつき自分を運んでくれたクラスメイトの堀川吾朗や深町一夫らと様子を見に行くが、実験室は何事もなかったように整然としていた。しかし、和子はあの不思議な香りだけは覚えていた。それはラベンダーの香りだった。この事件があってから、和子は時間の感覚がデタラメになったような奇妙な感じに襲われるようになっていた。ある夜、地震があり外に避難した和子は、吾朗の家の方で火の手があがっているのを見、あわてて駈けつける。幸い火事はボヤ程度で済んでおり、パジャマ姿で様子を見に来ていた一夫と和子は一緒に帰った。翌朝、寝坊をした和子は学校へ急いでいた。途中で吾朗と一緒になり地震のことを話していると突然、古い御堂の屋根瓦がくずれ落ちてきた。気がつくと和子は自分のベッドの中にいた。夢だったのだ。その朝、学校で和子が吾朗に地震のことを話すと、地震などなかったと言う。そして授業が始まり、和子は愕然とした。昨日と全く同じ内容なのである。やはりその夜、地震が起こり火事騒ぎがあった。和子は一夫に今まで起った不思議なことを打ち明けるが、一夫は一時的な超能力だと慰める。しかし、納得のいかない和子は、一夫を探していて、彼の家の温室でラベンダーの香りをかぎ、気を失った。気がつくと和子は、一夫が植物採集をしている海辺の崖にテレポートしていた。そこで和子は不思議なことが起るきっかけとなった土曜日の実験室に戻りたいと言う。一夫は反対したが和子のひたむきさにうたれ、二人は強く念じた。そして、時をかけた和子が実験室の扉を開けると、そこには一夫がいた。彼は自分が西暦二六六〇年の薬学博士で、植物を手に入れるためこの時代にやって来たこと、自分に関わりのある存在には、強い念波を相手に送って都合のいい記憶を持たせていたことを告白する。そしてすべてを喋ってしまったのでお別れだと告げた。和子は一緒に行きたいと言うが、彼は自分に対しての記憶も消さなくてはならないと言う。和子は嫌がるが、ラベンダーの香りをかがされ床に崩れた。十一年後、大学の薬学部研究室に勤めている和子は、実験室を訪ねてきた一夫とぶつかる。二人はハッと思うがそのまま歩み去るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

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2024/03/03

2024/03/04

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


4Kで

4Kの意味、あったのか?
今回は主役の3人の演技の差が見え過ぎてしまった。
尾美としのりは抜群に上手い。深町くんは下手。それでもいいんだけど。ヨシヤマくんは初々しいので◎。

今(2024年3月)、NHKが「ユーミン・ストーリーズ」というタイトルで松任谷由実の歌からドラマをひねり出しているが
「時をかける少女」があればいいよ。

2023/08/27

2023/08/27

75点

選択しない 


映像の摩訶不思議な魅力

タイムリープもので、その際の映像表現が如何にも大林監督らしい摩訶不思議な表現、映像作家の面目躍如で尾道の風景描写と好対照。ラベンダーの香りという匂いが要素として紐付いているのが面白い。原田知世ら三人の織りなす青春ドラマが愛おしく、大人になったその後を描いたラストは余韻を残す。その後、フィナーレのように原田知世や周りの登場人物らが主題歌を歌うのは初見では驚いた。

2023/07/10

2023/07/10

-点

VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 


桃栗三年柿八年

「でも…ずっとふたりきりなんでしょうかねえ?」
「ずっとふたりきりなんだろうね…」

アニメ版(2006)のリバイバル上映を観た勢いでこちらも鑑賞。
なるほど、アニメ版の「魔女おばさん」の正体がようやくクリアになりました。棚にアレを飾っていたということは、やはりそういうことだったんですね。ただ、あくまでもパラレルワールドということではあるかと思うが。
さて、本作についてだが、なんというか、とても尺の長い大分麦焼酎「二階堂」のCMを観たような感覚になる。尾道と竹原が良い仕事をしている。
いかにも80年代アイドル全盛期に乗っかった角川カドカワな作品といった仕上がりで、芝居の上手い下手は二の次、作るか作らないかが大事といった感じ。
時代の肌感覚の違いもあって、それはもうツッコミどころ満載。ラベンダー以前に開始早々ダイオキシンが気になって仕方がないし、校庭でバレー部が練習しているすぐそばで弓道部が練習しており、「絶対事故るな」という確信を持って観ていた。そして棒読みに次ぐ棒読み...尾美としのりはまだ観ていられたが、他の学生たちはお世辞にも...。まあ、原田知世が可愛いから許すが、やっぱり原田知世はショートよりロングの方が似合うと思われる。そして何だよあのエンディング、笑いが止まらなかったわ。
ただ、カット割りはとても素晴らしい。言葉で語らずとも、映像で全て説明してしまうし、色の出し入れは前衛映像作家出身だけあって大林宣彦監督の才気が漲っている。だから観ていられる(途中チャチなシーンはあったけれどね)。
ただ、本作とアニメ版を文字通り時空を超えて繋げることができた。その点では不思議な達成感に包まれたのは事実で、双方の良さが引き立ったように思う。

2022/12/23

2022/12/23

-点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル 


環境が破壊された未来

映画に限らず、サブカルチャーとしての作品は時間の経過とともに価値を変えてゆくときがある。そして誰かの解説などによって見方も変わる。今回40年ぶりにまともにこの映画を鑑賞して、映画の見方や感じ方の変化を実感することができた。

少し整理すると、
1965年に連載され、1967年に刊行された筒井康隆原作の作品は、その後NHKで1972年放映され、1983年の原田知世版のほか、何度もテレビドラマや映画やアニメとなっている。ちなみにアニメ版などでは敢えて芳山和子を主人公としていなバージョンもある。

この原作の魅力は言うまでもなく時を越える、タイムリープだ。タイムリープものの映画はあまりも多いが、日本ではこの作品が広く知られることになる。理由は様々だが、われわれ(60代)にとっては、NHKの「タイムトラベラー」があまりにも衝撃的で、学校でも大きな話題となっていた。深町一夫(本名ケン・ソゴル)の存在と主人公の芳山和子の関係が淡々と描かれつつも、未来と現在を行き来するという物語に興奮した。

1983年版ではすでに成人していた自分だが、当時この映画に魅力を感じなかった理由として、世代が自分より下の世代だったことと、大林宣彦監督のぎこちない映像。同時上映の「探偵物語」があまりにもスタンダードな作りだっただけに、アヴァンギャルドなこの映画がしっくりこなかった。失礼だが原田知世さんにも魅力を感じなかった。

久しぶりに鑑賞して、色々な解説などを聞いて改めたことは、尾身よしのりさん演じる吾郎のこと。吾郎と和子は幼馴染で想いを寄せている。結果的に深町一夫がここに割り込んだおかげで、醤油づくりの家で育った彼は、尾道にとどまったまま和子との思いを結実させることのないまま終わってゆく。ドラマには見えない吾郎の行く末を、ルーク・スカイウォーカーに重ねる解説もあった。

最後にひとつだけこの映画(あるいは原作)の先見性を付け加えると、2660年から現代にタイムリープした深町一夫曰く、未来でラベンダーが取れない、という環境破壊の問題が取り上げられている部分だ。薬学研究でどうしてもラベンダーが必要で現代に舞い降りた、という部分は現実感がある。

2022/07/14

2022/07/14

70点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 


原田知世の記録

細田守版を観たので、大林宣彦版を観直した。前回観たのは、30年近く前? ほとんど覚えていなかった…。「とてもいい映画だった」という記憶があったが、ただひたすら、15歳の原田知世を記録し、それを愛でる映画であった。でも、これはこれで貴重な“ドキュメンタリー”。実際、棒読みのセリフでさえ愛おしい。舞台が尾道であることがしっかり活かされていて、素晴らしい。

2022/06/07

2022/06/07

75点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


こういう映画だったのですね!

最初に断っておきますが、私は大林宣彦さんに詳しくありません。リアルタイムで観た『青春デンデケデケデケ』の印象が強く『廃市』『さびしんぼう』もその延長線上のピュアな青春映画として楽しみました。そのため、最近の『花筐/HANAGATAMI』『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は余りの作風の違いに戸惑いを感じていました。しかし、本作を観たことにより漸くモヤモヤが解消されました。大林さんは元々こういうファンタジスティックな映画を撮っていた方なのですね!

どこかで大林さんの「原田知世のプライベートフィルムとして作った」とのコメントを目にしたことがありますが、実際にその通りだと思いました。台詞回しや演出など「映画として何だかなあ…」と感じる点もそれで全て腑に落ちます。主題歌の歌詞も映画のテーマと何気に深くリンクしており感心しました。

ただ、当時から原田さんに感じていた「薬師丸ひろ子の二匹目のドジョウを狙って角川により作られたアイドル」という印象までは拭えませんでした。個人的な好みで言えば、富田靖子さんで見たかったかな。