の・ようなもの

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の・ようなもの

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レビューの数

58

平均評点

68.6(328人)

観たひと

467

観たいひと

27

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1981
公開年月日 1981/9/12
上映時間 103分
製作会社 ニューズ・コーポレーション
配給 日本へラルド
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督森田芳光 
脚本森田芳光 
企画鈴木光 
森田芳光 
製作鈴木光 
撮影渡部眞 
小道具増島季美代 
音楽塩村宰 
録音橋本泰夫 
照明木村太朗 
編集川島章正 
スタイリスト伊藤翠 
有住洋子 
メイク近江薫 
助監督山本厚 
佐藤陸夫 
杉山泰一 
記録宇野早苗 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演秋吉久美子 エリザベス
伊藤克信 志ん魚
尾藤イサオ 志ん米
でんでん 志ん水
小林まさひろ 志ん肉
大野貴保 志ん菜
麻生えりか 由美
五十嵐知子 まりや
風間かおる 真代
直井理奈 佐紀
入船亭扇橋 師匠
内海好江 おかみさん
鷲尾真知子 おばさんディレクター
吉沢由起 志ん米の妻
小宮久美子 志ん菜の姉
三遊亭楽太郎 笑太郎
芹沢博文 由実の父
加藤治子 由実の母
春風亭柳朝 有名落語家
黒木まや 日舞の先生
大川まり トルコ嬢アグネス
小堺一機 オカマ・川島
ラビット関根 オカマ・川添
太田三枝子 四季子
大熊和子 弁当主婦
室井滋 エリザベスの友達・亜矢
太田理奈 志ん水の女友達
大角桂子 ナガシマ
永井豪 お客様
清水石あけみ お天気おねえさん
金井久 前座・柳感
小笠原勤 前座・君丸

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

古典落語の修業に励む二ツ目の落語家と風俗嬢、落研の女高生たちの青春群像を描く。脚本、監督は「ライブイン茅ケ崎」など自主映画で活躍、この作品が劇場用映画のデビューとなる森田芳光、撮影は渡部眞が担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

二ツ目の落語家、志ん魚は二十三歳の誕生日、志ん米はじめ、仲間の援助で初めてソープランドに行った。志ん魚についたエリザベスは初々しい彼に興味を抱き、二人はその日からデートを重ねた。彼女はペンギンブックスを読むようなインテリだ。数日後、そんな志ん魚に、女子高の落研に所属する女の子たちがコーチを依頼に来る。志ん魚はその中の一人、由美に心を寄せる。純な志ん魚は由美のことをエリザベスに告白するが「バレなければいいじゃない」と気にしない。志ん魚は割りきれないまま、エリザベス、由美とデートを続けた。その頃、志ん米の真打ち昇進が決まった。先輩の昇進を喜ぶと同時に、取り残されたような気持の志ん魚は、エリザベスの部屋を訪ねた。彼女は雄琴に行くと荷作りをしていた。寂しさをこらえて手伝う志ん魚。志ん米の真打ち昇進パーティの日、志ん魚と仲間は将来の夢を語り合うのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

臨時増刊2012年5月11日「映画作家 森田芳光の世界」

森田芳光監督全映画 森田が語る27本 森田芳光監督 自作を語る/スタッフ&キャスト データ/作品解説:「の・ようなもの」

2007年4月上旬号

連載企画 見逃してはいけない@スカパー!:『その場椎に映画ありて~監督:スズキ英夫の世界』「テキサスの五人の仲間」、「の・ようなもの」ほか

1989年6月上旬号

VIDEO:スポット・ライト 「の・ようなもの」

1982年1月下旬号

日本映画紹介:の・ようなもの

1981年10月下旬号

日本映画批評:の・ようなもの

日本映画批評:の・ようなもの

1981年10月上旬号

「の・ようなもの」森田芳光監督インタビュー:

1981年9月下旬

グラビア:の・ようなもの

2023/11/22

2023/11/23

86点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


唐突な飛躍

ネタバレ

結局このドラマは、最後まで何も起こらない。なのにこれほど印象深いのはなぜか?

オープニング、広い公園のベンチでいちゃつくカップルに、突然志ん魚(しんとと)が押しかけ「こんな男やめたほうがいいですよ」と言い放った直後、志ん魚がこのカップルの結婚式の司会をしている、という飛躍。落語をモチーフにしたこの傑作の素晴らしさとはまさに

唐突な飛躍

なのではないか。落語がそうだ。話しがどんどん飛躍するから飽きないし面白い。何度聞いても新鮮だ。

この映画を褒めちぎることに無駄はない。音楽もファッションも当時の町の風景も何もかもが比類のないものだ。映画がもし時代を映す道具だとしたら、この映画に1980年代初頭の空気が全て詰められているように思える。大友克洋の「童夢」を思わせる巨大団地に女子高生の落研がケーブルテレビのCMに使われて大はしゃぎするシーンもユニークだ。

唐突な飛躍でいうと、それぞれのセリフも噛み合っていないのもこの映画の妙味だ。志ん魚とソープ嬢(当時はトルコ嬢)のエリザベスの会話も噛み合わないが、ふたりはどこか惹かれていく。当時の空気はまさにこれ。ただ、会話の噛み合わなさは森田芳光監督作品に共通するもので、夏目漱石原作の「それから」も敢えて人と人の会話が食い違う演出を試みている。

最後に、なんといってもこの映画の魅力は秋吉久美子さんだ。風俗嬢という、当時いかにもリッチでセンスのある存在としての女性が美しく描かれる。森田監督がポルノ映画を多数手がけてきたことも理由だが、秋吉久美子さんの存在感が光る。彼女に目を奪われる。志ん魚が女子高生と付き合う決心をしてエリザベスに告白するシーンでも「黙ってればいいのよ」と言い放つ。人の心はひとつに留まらないことを示している。

時代も社会も世界も大きく変化したが、落語という古典芸能を当時の空気に落とし込むという極めて画期的な映画は、永遠に残り続けるのではなかろうか。素晴らしい映画だ。

2021/12/07

2022/06/04

-点

映画館/東京都/国立映画アーカイブ 


うーん、うーん

【国立映画アーカイブ/1980年代日本映画】
森田芳光・劇場デビュー作。40年ぶりの再会。
志ん魚が下手な落語を披露している中で消灯する堀切駅、夜道を歩く志ん魚の姿が挿入されるフラッシュフォワードは今も色褪せない森田らしさの真骨頂だが、
やくざ映画とロマンポルノに入れ揚げていた頃の初見当時の心許なさもついでに甦ってしまった。
その当時の「こんなもの俺の観る映画じゃない」との偏狭な思いだ。
「森田芳光70祭」の連続観賞もあって、今度こそ乗れるだろうと思いつつ、どん兵衛さんの熱いレヴューも事前に仕込んで満を持して観たつもりだったが。
どうにも相性の良くない映画というものはあるもんだ。
否、私は少しも成長していないのだろう。

2022/01/12

2022/01/12

90点

その他/ホームシアター 


ラストシーンが素晴らしい

僕はこの映画が大好きで、見る度に愛おしく感じてしまう。
森田芳光の劇場映画デビュー作。借金をして作ったそうだが、そういった悲愴感は微塵もなく、至る所を洒落のめした軽快な作品に仕上がっている。それにしても、無名の新人だった森田の作品に出演して、この映画の興行価値を上げた秋吉久美子は素晴らしい。彼女の貢献がなかったら、その後の森田映画は陽の目を見ていなかったかもしれない。そうすると日本映画の歴史も変わっていただろう。
冒頭の公園のベンチで語り合う恋人たちの台詞からして微妙なずれがあるが、そこに志ん魚(伊藤克信)が割り込んできて、彼女にいきなり「こんな男をやめて、僕と付き合いませんか」というナンセンスさ。直ぐに恋人の結婚式で司会をする志ん魚とつながる怒涛の展開でメインタイトルが出るという見事なテンポ。
駆け出しの二つ目の落語家と彼の仲間たち、また彼と付き合うトルコ嬢、女子高落研の女の子との恋愛模様が描かれるが、何だか出てくる人皆が愛おしくなるような映画なんだ。所々で挿入されるギャグも秀逸で、森田の笑いのセンスが既に処女作で存分に発揮されている。
何と言っても素晴らしいのは、彼女の家で落語が下手だと言われて、失意のまま夜の東京の町を明け方までかけて横断する道中つけのシーンだ。今ではなくなってしまった風景もはさみながら、志ん魚は目の前に風景を口にしながらテクテク歩いていく。そして、その先で待っている女子高生の麻生えりかが言う「下手くそ」。いやー、実にいい。
そして、最初の方で流れる「彼女はムービング・オン」、ラストに流れる「シー・ユー・アゲイン雰囲気」(ともに尾藤イサオが歌う)が素晴らしい(両方とも、尾藤イサオゴールデン☆ベストに収録されています)。中でも、志ん米の真打昇進祝いのパーティーで、大勢がバカ騒ぎしていたのが、少しずつ人が減っていき、最後には誰もいなくなるというラストで流れる「シー・ユー・アゲイン雰囲気」は切ない。台詞はないが、仲間たちの笑い顔がそれぞれ映し出されるのも胸に沁みる。マイベストラストシーンである。

2021/12/18

2021/12/19

80点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


何となく好きなのだ。

森田芳光監督のデビュー作で好き嫌いがハッキリすると思うが、私は好きですね。特に主人公の志ん魚(伊藤克信)が堀切駅から夜明けの隅田川を渡り浅草まで歩くシーンとラストのビアガーデンのシーンに尾藤イサオの唄が被さるところは何とも言えない余韻に浸ることが出来る。栃木のアル・パチーノこと伊藤克信の面白さとソープ嬢(当時はトルコ嬢)を演じた秋吉久美子がこれまた良いんだなぁ~
初めてテレビで放映した時に解説者の荻昌弘氏が絶賛していた。独立プロの作品がゴールデンタイムに放映すること自体めずらしいと記憶している。(録画鑑賞)

2021/10/30

2021/10/30

60点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


ピンと来ない

のようなモノとはなんだろう。先に付く言葉として「恋人」とか「落語家」とか付くのだろうか。
二つ目の落語家の青春を描いているようでもあるし、そうでもないようでもある。
二つ目の志ん魚(しんとと=伊藤克信 )とトルコ孃のエリザベス(秋吉久美子)との関係も哀しい。エリザベスは志ん魚に惚れているのに志ん魚はあまり関心を持たない。何でここで女子高生に惚れるんだろうか。
全体にだらだらと進行し何を言いたいのかピンと来ない。

2021/09/11

2021/09/11

25点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


見方がよく分からないが《四月の魚》よりはなんぼか面白い

森田芳光作品では《椿三十郎》《わたし出すわ》《愛と平成の色男》《悲しい色やねん》《そろばんずく》が嫌い。大嫌いと言ってもいい。
今作は嫌いではない。全体的にまったく面白くないが笑えるとこもあるし、秋吉久美子は超絶魅力的だし、伊藤克信の素人っぽさもちょっと好ましい。
「野ざらし」の「サイサイ節」を爆発的に演じた志ん肉(小林まさひろ)は存在感がある。
群衆の描き方が下手というか、学生が撮ったのか?というほどダサい。八百屋の軽トラの前を小学生達が横切るシーン、団地の住人がみんな同じ手の振り方で歩いてくるシーン。
笑ったのは本筋とまったく関係のない、車のセールスマン?が団地の奥さん?にセールスしていて突然押し倒すシーンと巨乳のトルコ嬢シークエンス。
有線TVのディレクターに鷲尾真知子、この人《澪つくし》の再放送で好きになった。内海好江師匠も懐かしい。
志ん魚が女子高生の家から自宅まで歩いて帰るシーンがこの映画の最もいいとこで、もっと長くてもいいのに。