パリオリンピックを見た後なので、セーヌ川周辺の風景が懐かし。特に後半のアレックス(ドニ・ラヴァン)が盗んだボートでミシェル(ジュリエット・ビノシュ)が水上スキーを行うシーンや花火のシーンは、オリンピックの華やかさを先取りの絵になる映像である。
映画は、レオス・カラックス監督のアレックス三部作の最終版であるが、アレックス自身は監督自身を映していると言われる。若者の孤独やエゴを描いている。
セーヌ川シテ島の先端にある名前(新しい橋)とは反対のフランス最古の橋と言われるポンヌフ橋上でホームレス生活をしている老人ハンスとアレックス。アレックスの本業は不明だが大道芸人で生活費を稼ぐ若者。
ハンスは娘を亡くし、生きがいを亡くした妻がホームレスとなり死亡したことを悔やみ自分もホームレス生活を選択した。そんな背景もあり女性のホームレスには厳しい。恋人ジュリアンにふられやけになったミシェルがこの仲間に入るが、ハンスは彼女を排除する。
ミシェルは父親が軍の大佐であり裕福な育ちのようだが、画学生であるが目の病でいつ失明するかもしれない悩み。アレックスとミシェルが不思議な関係で恋人のような関係になるが、ミシェルの捜索願いのポスターを目にしたアレックスがポスター張りの男を過失で殺し刑務所へ。その間にミシェルは手術で目が回復。3年の服役期間の間に二人の愛は再燃する。橋の上ではしゃぐ二人はセーヌ川に落ちたが、土砂運搬船に助けられ、そのままル・アーブルに向かう。船の舳先のシーンは、タイタニック(1997)を思い出すが年代的にジェームズ・キャメロン監督の方が参考にしたのでしょうか?
セーヌ川の先端にある橋だが、日本映画「泥の河」の堂島川の下流先端にある下に食堂のある船津橋を思い出す。