ポンヌフの恋人

ぽんぬふのこいびと|Les Amants du Pont-Neuf|The Lovers on The Bridge

ポンヌフの恋人

レビューの数

50

平均評点

77.9(351人)

観たひと

617

観たいひと

71

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
製作年 1991
公開年月日 1992/3/28
上映時間 126分
製作会社 フィルム・クリスチャン・フェシュネール=フィルムA2
配給 ユーロスペース
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

パリのポンヌフ橋を舞台に、天涯孤独の青年と失明の危機にかられた女子画学生との愛を描く。レオス・カラックス監督・脚本による、「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」に続く〈アレックス青春3部作〉の完結編で、製作は「カミーユ・クローデル」のクリスチャン・フェシュネール、エグゼクティヴ・プロデューサーはベルナール・アルティーグ、撮影は「汚れた血」のジャン・イヴ・エスコフィエが担当、音楽はリタ・ミツコによるオリジナル曲『恋人たち』をはじめ、デイヴィッド・ボウイなどの既製曲を使用。2025年12月20日(土)よりユーロスペースにて4Kレストア版上映。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

真夜中のパリ、人気のないセバストポル大通りの真ん中に横たわる男の足を一台のスポーツカーが轢いていく。それをなすすべもなく見つめる子猫を抱いた女。その男、アレックス(ドニ・ラヴァン)は今は修理のため閉鎖中のポンヌフ橋で暮らす天涯孤独の青年で、女は恋の痛手と眼の奇病を持つ画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)だった。数日後、収容所を抜けてポンヌフに戻ってきたアレックスはミシェルがそこで眠り込んでいるのを見つけ、橋に暮らす初老の男ハンス(クラウス・ミヒャエル・グリューバー)に彼女をここに置いてもらうように頼む。アレックスはミシェルの親友マリオン(マリオン・スタランス)の家に侵入し、彼女が初恋の相手であるジュリアン(クリシャン・ラルソン)に去られ、絶望に陥り放浪生活を始めたことを知った。革命200年祭を祝う夜のパリの街を、喧噪や花火や音楽が乱れ交う。アレックスは見物客に得意の火吹き芸を披露し、その姿にミシェルは感動する。2人は互いの気持ちを確かめ合い、夜のポンヌフ橋を踊り狂い、街をさまよい、抱き合うが、地下鉄構内でチェロの音を聞き、それがジュリアンだと分かると狂ったように捜し回るミシェルに、アレックスは彼女がやがて橋を去るのではと不安を抱く。ミシェルに放浪生活をやめ前向きに生きるよう忠告してくれたり、念願の絵を見るため美術館まで連れていってくれたりしたハンスは、自らセーヌへ身を沈めた。季節は秋となり、ある日、地下道を歩く2人の目の前に大きなミシェルのポスターが立ち塞がった。空軍大佐であるミシェルの父が出した尋ね人のポスターであり、彼女の眼の奇病の治療法が見つかったと記されてあった。ラジオでそれを知ったミシェルは有頂天になり、アレックスのもとを去る。次々とポスターを焼き尽くし、最後にはポスター貼りの男を車もろとも爆破、炎上させてしまったアレックスはやがて逮捕される。監獄に入って数カ月後、突然ミシェルが現れ、互いに生まれ変わったことを確認し喜び合う。そして、2人は雪の降りしきるクリスマスの夜に再会する。時を忘れシャンパンで祝ううち、3時の鐘を聞いたミシェルは帰ろうとするが、アレックスは彼女を道連れにセーヌの川底に落ちていく。一瞬抵抗したミシェルだったが、やがて目の前を横切った老夫婦の船に乗り、2人は2度と離れないことを誓い合うのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2026年1月号

あの特別な映画にスクリーンでまた出逢うよろこび:1992/2025年の「ポンヌフの恋人」 エッセイ

あの特別な映画にスクリーンでまた出逢うよろこび:1992/2025年の「ポンヌフの恋人」 インタビュー ジャン=イヴ・エスコフィエ[撮影]

2022年3月上旬号

読者の映画評:「ポンヌフの恋人」田﨑優歌/「パーフェクト・ケア」三吉啓司/「チャーリング・グロス街84番地」西脇蔵人

2019年9月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第5弾 1990年代外国映画ベスト・テン:ベスト15 解説

2011年2月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「ポンヌフの恋人 ニュープリント版/HDリマスター版」

2005年11月上旬号

特集「ポンヌフの恋人」:

1992年6月上旬号

外国映画紹介:ポンヌフの恋人

1992年4月上旬春の特別号

外国映画批評:ポンヌフの恋人

1992年3月下旬号

グラビア《Coming Attractions》(新作紹介):ポンヌフの恋人

1992年1月上旬号

グラビア《Special Selections》:ポンヌフの恋人

2026/01/07

2026/01/08

90点

映画館/兵庫県/元町映画館 
字幕


たたみかける映像の躍動感

美しい花火のシーンはもちろんのこと炎を吹く大道芸や地下道でのポスター燃やしそしてセーヌ川での水上スキーなどたたみかける映像の躍動感を映画館のスクリーンで存分に味わった。生きる希望を失った女と盲目的な愛を尖った形でぶつける男が互いに放つ一瞬の煌めきの数々が突き刺さってくる。「タイタニック」に先んじる船の穂先の二人は喜びに満ちているように見えるが、この先の彼らにもタイタニックと同じような暗雲を感じ取ってしまう。

2025/12/31

75点

映画館/東京都/ユーロスペース 


素敵な映画だが好みではない

ポンヌフ。男と女。絵描き。

となれば、わたしが連想するのはブレッソン『白夜』であり、4K修復の影響かもしれないが、パリの夜の青さは本当に美しい。ブレッソンもカラックスも画の美しさでは似ているかも。ただし、当然のこととして描写するものは全く違う。あくまでブレッソンは淡々と対象を捉えるだけだが、カラックスは対象の行動を通してドラマをみせる。大道芸をするホームレスのアレックスと眼を患う絵描きのミシェル。夜のポンヌフを彷徨う2人を通りすがりの車が発見する冒頭のシーンは既にドラマチック。

正直、ドラマとしてはいまいち。というのも主人公であるアレックスが好きになれない。ミシェルが過去を話さないのと同様、アレックスの過去も見えない。ミシェルを橋から追い出そうとする老人は、ホームレスという社会から外れた存在になるな、という人間の尊厳を大事にする意思を感じるが、肝心のアレックスは、いい言い方をすれば純粋な好意と愛をばら撒いているが、あまりにも純真すぎる。それ故のポスターを燃やす行為だったり人を殺めることになるのだが、そこには身勝手な愛ばかりがあるように感じられた。わたしが日本的な感性なだけかもしれないが、愛する女の為に身を引く美学がメロドラマの肝であり、それが大好きである手前、どうしてもアレックスに共感できない。ミシェルの悪夢は目の手術によって醒めることになるが、アレックスは自覚しない悪夢、いや薬もしくはミシェルの愛情がないと眠れない彼にとっては橋の上で彼女と一緒にいる現実だけを欲し、橋の上の生活から抜け出そうと、醒めようしているようには見えないところも、いまいちわたしにはピンとこない。当然、あの結末も。アレックスだけしか納得できないように思えるし、ミシェルも過去を話す時期を逸してしまったようにも思える。

とにかく、画の美しい素敵な面白い映画だとは思う。ただ好きになれなかっただけのこと。メロドラマとしては異質なカンジがした。それがレオス・カラックスの魅力なのだろうが。

2025/12/20

2025/12/20

88点

映画館/東京都/ユーロスペース 
字幕


天涯孤独な青年の愛の形

学生時代だっただろうか、一度だけ観て衝撃を受けた映画。
それと同時に映画を評価しながらも自分の恋愛感と同じだと他人に思われるのが嫌で、こんな映画を好きという奴はメンタル面で問題があるヤツだよ、と冗談混じりで話していた記憶もある。

四半世紀以上経った今、4Kレストア版となったこの作品を再度観たが、私のメンタル面はまだ問題を抱えたままだった。
ただ、今なら何の躊躇いもなく、この映画は凄いと言えるだろう。若かったな、あの頃…。

鋭利な刃物を剥き出しにしたような状態で全力で向かってくる愛の形。天涯孤独なアレックスはそんな形でしか女性と向き合えなかったんだろう。
盲目になる将来に絶望したミシェルと心が通い合う様子、ミシェルがアレックスとの橋の上の生活以外の未来を考えることすら受け入れられないアレックスの心の狭さは、程度の違いだけで当時の私にも似たような面はあったのかもしれない。

ミシェルがハンスと美術館に忍び込み、見たい絵画を見たあと、ハンスに身体を許すシーンは今見ても「あ〜あ、そうしちゃいましたか…」というやるせなさを感じたよ。
誰が悪いとかそう言う次元の話じゃない、って感じ方は観客として見てるからのコメントであって、孤独な青年には絶望に等しいものだからね…。

それ故にラストは綺麗すぎて好きじゃない。なんならラストシーンは覚えてなかったのに、ラストは好きじゃないと言う感情だけが今日まで残っていた。
お陰様で記憶が再現できました。あざ〜す。

最後に一言追加。
実はこの映画の途中にある、花火が打ち上がる中、ポンヌフでアレックスとミシェルが踊りBGMに「美しき青きドナウ」が流れるシーンは、私の映画人生においてベスト10に入るほど大好きなシーンです。
このシーンを映画館で観ることができただけで元は取れました。

公開していただき、ありがとうございました。

2025/11/03

2025/11/11

80点

選択しない 


ふきだまりのような橋

ネタバレ

 久しぶりの再見。初見時は暗い映画という記憶しかなかった。そりゃ失明の危機にある画学生とか路上生活者といった底辺で暮らす人びとに焦点を当てているのだから暗いに決まっている。でも今回改めて観てみて、そんな彼らに一筋の光が差し込む瞬間がひときわ印象深く刻まれていて感慨深いものがあった。
 ふたりが出会う改修中のポンヌフ橋は愛を喪失した人々のふきだまりのような場所なのだろう。画学生ミシェル(ビノシュ)を追い払おうとする老人も妻と娘を亡くした不幸な過去がある。若いミシェルの居つくような場所じゃないという親心だろう。態度は随分と横柄だが。
 大道芸みたいなもので糊口をしのいでいるアレックス(ラヴァン)が自分のねぐらに寝ていたミシェルに興味を持つ。一目惚れというより興味を持ったといった感じ。片目を覆う絆創膏が痛々しい。アレックスがまるで猫とか犬といった動物のように描かれているのが面白い。映画はアレクッス三部作と呼ばれているのだから彼が主役に違いない。
 犬や猫のようにミシェルにまとわりつくようになる。離れたくない。だから彼女を連れ戻すために貼られた人探しのポスターを目の敵にする。張り巡らされたポスターに火を放つシーンは彼の一直線で不器用な愛を簡潔に表現している。
 結局その放火が元で監獄へ入れられるアレックス。いったん喧嘩別れしたにも関わらず面会に訪れるミシェル。そこで交わされる約束。
 終盤の雪のクリスマスのポンヌフでの再会シーンは名場面だと思う。でもなぜそのあとミシェルは帰ろうとするのか? 自分にはまだ問題があるみたいなことを呟いていたけど。このへんが監督の屈折したところだろうか。愛はそう簡単に成就しない、そういうものだという思い込みか。
 アレックスはやけになって彼女を道連れに川に飛び込むことでその愛の殻を突き破ろうとしたのだろうか。そこには死という結末もありえたかもしれない。当初のシナリオはそうだったようだ。でもふたりは砂利を運ぶ船に助けられ何とか未来に希望を繋げることができた。一瞬でも死を意識したふたりにはもう怖いものはなくなったのかもしれない。
 この映画が莫大な予算を費やした映画というのが最初どうにも腑に落ちなかった。登場人物は少ないし、寂れた橋が舞台だしどこにそんな金が掛かるのかと。でも実情を知って驚く。それも含めてインパクトのある映画でした。

2024/12/30

2024/12/31

79点

購入/ブルーレイ 
字幕


こんな映画は本当に4Kで丁寧にレストアされた条件で観てみたい。最初にフィルムに刻まれた映像がどうであったか。
高価になっても手元に持っていたい作品

2024/08/21

2024/08/21

80点

その他/TSUTAYA DISCAS 
字幕


そしてル・アーブルへ

パリオリンピックを見た後なので、セーヌ川周辺の風景が懐かし。特に後半のアレックス(ドニ・ラヴァン)が盗んだボートでミシェル(ジュリエット・ビノシュ)が水上スキーを行うシーンや花火のシーンは、オリンピックの華やかさを先取りの絵になる映像である。
映画は、レオス・カラックス監督のアレックス三部作の最終版であるが、アレックス自身は監督自身を映していると言われる。若者の孤独やエゴを描いている。
セーヌ川シテ島の先端にある名前(新しい橋)とは反対のフランス最古の橋と言われるポンヌフ橋上でホームレス生活をしている老人ハンスとアレックス。アレックスの本業は不明だが大道芸人で生活費を稼ぐ若者。
ハンスは娘を亡くし、生きがいを亡くした妻がホームレスとなり死亡したことを悔やみ自分もホームレス生活を選択した。そんな背景もあり女性のホームレスには厳しい。恋人ジュリアンにふられやけになったミシェルがこの仲間に入るが、ハンスは彼女を排除する。
ミシェルは父親が軍の大佐であり裕福な育ちのようだが、画学生であるが目の病でいつ失明するかもしれない悩み。アレックスとミシェルが不思議な関係で恋人のような関係になるが、ミシェルの捜索願いのポスターを目にしたアレックスがポスター張りの男を過失で殺し刑務所へ。その間にミシェルは手術で目が回復。3年の服役期間の間に二人の愛は再燃する。橋の上ではしゃぐ二人はセーヌ川に落ちたが、土砂運搬船に助けられ、そのままル・アーブルに向かう。船の舳先のシーンは、タイタニック(1997)を思い出すが年代的にジェームズ・キャメロン監督の方が参考にしたのでしょうか?
セーヌ川の先端にある橋だが、日本映画「泥の河」の堂島川の下流先端にある下に食堂のある船津橋を思い出す。