不良青年

ふりょうせいねん|Un Mauvais Garcon|Un Mauvais Garcon

不良青年

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レビューの数

3

平均評点

69.8(5人)

観たひと

6

観たいひと

0

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
製作年 1936
公開年月日 未公開
上映時間 90分
製作会社 ACE
配給 三映社
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「禁男の家」「隊長ブーリバ」のダニエル・ダリューが「美わしの君」のアンリ・ギャラ及び「女だけの都」「ミモザ館」のアレルムを相手役として主演する映画で、ジャン・ボワイエが原作脚色監督したもの。音楽は「プレジャンの舟唄」のジョルジュ・ヴァン・パリスが作曲した。助演俳優の主なる者はマルグリット・タムプレィ、アルフレッド・パスクァリ、スュッフェル、ジャン・ダックス等である。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャックリーヌはパリ大学を優等で卒業して女法学士になった。父親は彼女が一日も早く結婚して初孫の顔を見せる事を望んでいたが、ジャックリーヌは女弁護士になる気で、母親の助けを得て父と争った末、やっと弁護士事務所を開かせて貰った。但しそれには一年半経っても仕事に目鼻がつかぬようなら、家に戻って良人を持ち家庭生活に這入るという条件がついていた。時が過ぎてあと一ヶ月で約束の期限が切れるというのに、ジャックリーヌのところへはたった一つの依頼さえ無かった。するとある日弁護士会長から電話がかかって来た。彼女を収檻されている不良青年ピエールの弁護人に指名して来たのである。彼女は大喜びで刑務所へ乗りつけピエールに会ってみると、彼はひねくれた男で当分娑婆に出たくないから弁護人は不要だと言うので、困ったジャックリーヌは泣き出してしまった。そこでピエールも止むなく弁護して貰う事にはなったが、少しも口を開かないのでジャックリーヌは女中兼秘書を相手に勝手な調書をデッチ上げ強硬に判事に談判を始めた。この長ったらしい調書に閉口した判事は、ジャックリーヌに逢うのが嫌さにピエールの免訴状を出した。しかしピエールは忽ち又元の悪い生活に戻ってしまった。同情したジャックリーヌは彼を自分の家のボーイに使ってやることにした。その中若い二人は身分の差を忘れて憎からず思う様になる。約束の時は迫り、父は旧友の植民地総督が帰国するのでその息子とジャックリーヌを結婚させる気でいる。仕事は相変わらず一つも無いし気をもんだ母親はピエールに金を出して、又罪を犯して貰う様に頼んだ。そこでピエールは再び不良青年の生活に帰ってしまったし、約束の期限は切れたので一日ピエールと楽しく遊んで別れる事になった。翌日父の晩餐会に出たジャックリーヌは、総督の息子というのを見て、ぼんやりした男であるのにがっかりした。彼女がすっかり悲観している時、総督は遅れてやって来た長男の方を紹介した。驚いた事にそれはピエールだった。ピエールは総督よりも一足先に帰国していたのを、ジャックリーヌの父親と弁護士会長が相談の上で結婚反対の彼女を懲らすためお芝居を仕組んだのであった。ピエールとジャックリーヌが間もなく結婚式を挙げたのは言う迄もない。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/01/08

2024/01/09

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


急転直下のオチ。

ネタバレ

ダニエル・ダリュー主演作。学士として卒業した主人公だが、父親ははやく結婚して欲しいと思い、母親は弁護士として活躍したい彼女の夢を応援。結局、父親の言う1年半のうちに仕事で成功しなければ、父親の決めた結婚をするという約束をして、弁護するお客を探すが…

刑務所から出たくないというピエールを弁護して、訴えを退けるも、裁判で勝ったわけではないので、約束通りに顔も知らぬ相手との結婚を承諾したら、その相手はピエールだったというオチ。

女性の社会進出を描いた新時代の作品を戦前に作るとはさすがフランスと思えば、結局、急転直下で恋愛が成就する御伽噺のようなラスト。それでもダリューの魅力は十分に発揮されている。

2023/12/16

2023/12/16

75点

購入 
字幕


ダニエル・ダリューがとても可愛いく美しい

ネタバレ

2023年12月16日に鑑賞。DVDにて。1時間28分18秒。スタンダード・黒白。FILM ECRIT=ENREGISTREMENT KLANG FILM。一部、ドイツ語。

若いダニエル・ダリュー(1917-2017)がとても可愛いく美しい。18-19歳である。

ロマンチック・スクリュー・コメディの歌謡映画である。ラストは甘いご都合主義だが、まあ幸せな結末ということでOKでしょう。父親が結婚させようとしていたフートリエの息子が実は・・・だった。

画面の繋ぎが多様に工夫されている。①場面の転換が絶妙である。「ジャクリーヌと弁護士会会長の場面」→「ジャクリーヌと予審判事」の場面→「ジャクリーヌとマリー」→「ジャクリーヌと父母」→カメラが左にパンすると次の場面に変わる。②画面の中央がタテに切り裂かれて、この画面が左右に分かれて消えると、奥に次の場面がある。③ワイプして画面が転換する。などの編集技法が使われている。

「パリ大学法学部 UNIVERSITE DE PARIS FACULTE DE DROIT 下記の者に学士号の資格を与える」

20歳のジャクリーヌ・セルヴァルは、女の自立を目指し母親の協力を得て、法廷弁護士事務所を開設するが依頼人が来ない。「女は結婚し家庭に入るものだ」という父親は「1年半で軌道に乗らなければ結婚する」と約束させる。

ジャクリーヌは、弁護士会会長から紹介されたピエールの官選弁護人になり、法廷デビューを夢見るが、ピエールはあっさり予審判事によって不起訴処分になって釈放される。

ジャクリーヌとピエールが歌う場面が、6回ある。

母親と父親の俳優が味がある。母マルグリットのMarguerite Templey が着る花柄のドレス(2,3着)が素敵なデザインである。

画面では、監督・脚本:Jean Boyer、撮影:Ewald Daub、音楽:Georges Van Parys、助監督:Claude Martin、Louis Chavance、Roger Blanc である。

出演は、Danielle Darrieux(ジャクリーヌ・セルヴァル/パリの弁護士)、Henry Garat(ピエール・メナール/取り込み詐欺師)、Andre Alerme(父セルヴァル)、Marguerite Templey(母マルグリット・セルヴァル)、Madeleine Suffel(女中・秘書マリー)、Robert Casa(弁護士会会長)、Leon Arvel(予審判事)、Jean Dax(フートリエ/インドシナ植民地の官吏/トンキンに20年勤務してパリに戻る)、Georges Van Parys(フーリエの次男ジョルジュ/本作の作曲家である)、Fred Pasquali(プティ・ルイ/ピエールの仲間)、Jean Hebey(テツ/ピエールの仲間)、Robert Legris(子爵/ピエールの仲間)、Emile Prud Homme(アコーディオン弾き Accordeoniste)、Luien Callamand(飼犬キキが粗相したと大家ともめてる隣人)ほか。

「我ら海軍練習生」(1945)に出演している Blanchette Brunoy(20歳) がノン・クレジットで出演している。

2023/11/14

2023/11/14

88点

選択しない 


1936年。ダニエルダリュー。
無邪気で天真爛漫、無垢で素直なかわいさ。
喜劇仕立てのプロットで、都合いいけどハッピーな終わり方。
1930年代となると90年くらい前の映画で、それだけ時を経たモノしか醸し出せない雰囲気だけでずっと画面を見れる。バックミュージックがなかった。30年代の特徴か。映像は意外と滑らかで意外と高精細。全然当時の人間たちの特徴を捉えることができる、映画って素晴らしい。