リビア白騎隊

りびあびゃっきたい|Lo Squadrone Bianco|The White Squadron

リビア白騎隊

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ジャンル 戦争
製作国 イタリア
製作年 1936
公開年月日 未公開
上映時間 0分
製作会社 ローマ・フィルム
配給 エムパイヤ商事
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

その昔「さらば青春」「火鉢」「感激は何処に」等をものし、トーキー初期作品では「ミス・ヨーロッパ」が上映されて以来、絶えて作品の輸入を見なかったアウグスト・ジェニーナ監督作品で、ゴンクール賞受賞のジョゼフ・ペイレ作の小説を映画化したものである。主演俳優はフルヴィア・ランツィ、アントニオ・チェンタ、フォスコ・ジアケッチ等の現イタリア映画界第一線の人々で、グイド・チェラーノ、チェザレ・ポラッコ、フランチェスカ・ダルペ等が助演している。撮影は「銅鉄」「おもかげ」のマッシモ・テルツァーノとアンキーゼ・ブリッツィが協力して担任した。36年度ヴェニス国際映画祭でムッソリーニ賞を授賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

リビア沙漠にイタリアの駐屯部隊がある。白衣で白い駱駝に跨りリビア白騎隊と呼ばれている。愛する女クリスチァーナに裏切られたマリオ・ルドヴィッチ中尉は自らこの部隊に入隊した。或る日無電技師は残虐なメハルラ族の恐るべき侵略の報告を受け取った。即刻部隊は出動しなければならぬ。退役のドナーチ大尉や足に負傷して居残るファブリツィ中尉に見送られ、白き駱駝隊は隊長サンテリーア大尉に率いられて討伐の行進を起こした。幾日も赤熱の太陽や熱砂の嵐と闘いながら苦しい進軍を続け、途中のオアシスに停ってメルハラ族に対する作戦が画された。クリスチァーナの面影を忘れやらず、郷愁に悩むルドヴィッチに厳格な注意を与えるのはサンテリーア大尉であった。更に行進は続けられ、貴い水は次第に少なくなり、苛酷な熱に兵士達は倒れて行った。サンテリーア大尉は鉄の様な厳格さと海の様に大きな温かさで部隊を率いて進んだ。斥候の報告によって敵の行程を阻むべく進んで行く途中、計らずも敵に襲撃され、激烈な戦闘が続けられる。ルドヴィッチの従卒フェンネクが戦死し、遂に隊長サンテリーアも敵の弾丸にたおれた。ルドヴィッチは直ちに残り少ない味方を集め最後の肉弾戦を試みんとする。駐屯本部では長い間動静不明の白騎隊に不安と焦慮に満ちている頃、地平線の彼方に凱旋の旗風勇ましく白騎隊が帰って来た。クリスチァーナは本心からルドヴィッチを忘れ得ず、遥々とこの沙漠へ彼を尋ねて来た。しかしサンテリーアの精神を受け祖国の旗を護るべく、彼は永く白騎隊に止まる決心をした。「昔のルドヴィッチは死んだ。新しいルドヴィッチが沙漠の中に生まれたのだ」クリスチァーナはそう言い聞かされた。数刻の後、城壁から遠ざかり行く自動車の上には泣きくずれている女があった。

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2024/02/07

2024/02/07

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こちら、監督:アウグスト・ジェニーナ「ベンガジ Bengasi」(1942)のレビューです。枢軸国イタリア側から敵英軍を描いたプロパガンダ映画

2024年2月7日に鑑賞。DVDにて。1時間35分31秒。スタンダード・黒白。一部、英語。評価=57点。

第二次世界大戦中の1942年公開の枢軸国イタリア側から敵の英軍を描いた戦争プロパガンダ映画である。

イタリア領の北アフリカのリビアのキレナイカが英軍に迫られ、次に英軍が迫るベンガジが舞台である。トリポリ(イタリア領)からイタリア本土に市民は逃げようとする。

ヴェネチア国際映画祭で「ムッソリーニ杯」を受賞している。戦中でもベネチア国際映画祭はやってるんだ。開巻の字幕『PREMIATO CON LA COPPA MUSSORINI ALLA MOSTRA INTERNAZIONALE D'ARTE CINEMATOGRAFICA DI VENEZIA 1942』

開巻の字幕『ベンガジ及びキレナイカの山地に存在したイタリア人のドラマである。戦争中に犠牲を払い耐え抜いた女性たちに本作を捧げる』と、大義名分が並ぶ。『本作の歴史的事実は文献によるもので、登場人物には実在したモデルがいる』→と、登場人物たちは創作ではなく、「実在してる」という観客への洗脳操作がなされる。

役者たちの演技、構成、撮影はそれなりに良いのだが・・・。随所に多用される「敵国連合軍の英軍」に対する描写があまりにも類型的で、反イギリス軍・兵士の描写が稚拙である。まあ、戦中のプロパガンダ映画を撮影し、国民に見せて戦意高揚をはかるという目的の映画である。

戦争になると政府がかかげる「見せかけの戦争目的」は昔も、今のロシアのウクライナ侵攻も全く同じである。イタリアの総督?「★大英帝国の支配下にあるアフリカに風穴を開けた。我々は負けない。イタリアはいつかこの地に戻る。これまでの努力と文明が刻まれた土地に」現地人「忘れませんよ。イタリアの善意を」→★自分たちイタリア人がリビアの現地人を支配しているということに、全く思い至っていない。→★これが戦争を仕掛ける側の論理である。大東亜共栄圏を目指した旧大日本帝国軍部と全く同じだ。

★[イタリアは悪くないという類型的描写]
息子を探す母親→兵士の息子は戦争によって失明。2人が故郷の田舎に帰る→英兵士による略奪で父親は殺される。英軍機による子供の死。親子の愛。夫婦愛。空襲によって地下防空壕に避難する人々。赤ちゃん、子供たち、老夫婦、傷ついた兵士たち。脚、腕を切られる兵士たち(収容されたのは英軍病院なので、切ったのは英人医師か)

逃亡イタリア兵を捜索に来た英兵が酔っぱらっている。「おい、俺の好みの女だ」ありえん。トブルクの英軍捕虜収容所へ護送される時に脱走し、レジスタンスに加わったベルティ大尉とフィリッポを捕まえに来た英兵たちが部屋で酒を見つけ「おい、酒だぞ」と全員が任務を放棄し酒を飲みだす。ありえん。

ラストはベンガジから撤退する英軍が仕掛けた地雷が爆発して市民が犠牲になり、町が破壊される。→★ここで登場してる市民・兵士はイタリア人だけで現地人の描写は全くない。

ラスト。「アジュダビヤから来たドイツ軍が英軍を追い払っている。皆、銃を取れ!」英軍とドイツ軍の戦闘の描写はない。英軍はすんなりベンガジから撤退して行く。「英軍は去ったぞ!」皆が街中に出て抱き合う。イタリア国旗とナチスドイツの旗を振る群衆(イタリア人たち)の行進。それを見る現地人(アップはない。ロングで映るだけ)。

バルコニーのポデスタ「英軍は去った。皇帝陛下の名においてイタリアは主権を取り戻した」イタリア軍部隊の行進。歓喜で迎える群衆。映っているのはイタリア人だけだ。→おいおい、リビアを占領支配しているという認識が全くない。

画面では、製作:Renato Bassoli、Carlo Bassoli、監督・脚本・脚色:Augusto Genina、脚本協力:Ugo Betti、Alessandro De Stefani、音楽:Antonio Veretti、撮影:Aldo Tonti、美術:Salvo D'Angelo、Set Decoration:Leopoldo Zampetti、Camillo Parravieini である。

出演は、フォスコ・ジャケッティ Fosco Giachetti(エンリコ・ベルティ大尉)、Maria de Tasnady(妻カーラ・ベルティ)、Amedeo Nazzari(フィリッポ/イタリア司令部の将校/英軍の通訳として英将校に近づく)、Vivi Gioi(ジュリアーナ/地質学者/ナポリ出身/東アフリカのアスマラからベンガジへ/フィリッポと恋仲になる)、Laura Redi(ファニー/本名マリア/下宿屋の女/アントニオを匿う)、Fedele Gentile(アントニオ/逃亡イタリア兵)、Guido Notari(ポデスタ/駐留イタリアの総督?)、Amelia Bissi(ジョヴァンニの母/ケベルから来た農民)、Carlo Tamberlani(ジョヴァンニ・ガラシ/イタリア兵失明/農民)、Leo Garavaglia(医師Malpini)、?(ウィルソン将軍/英リビア派遣軍司令官)ほか。