学生たちが相互扶助とも言うべきクラブを作り、食事を分かち合っているところに、食事にも事欠き住む場所もなくなった女性が案内されてくる。助け合いの精神で仲間入りできた彼女は、その中の一人の男性と恋仲になる。彫刻家の卵である青年も彼女に惹かれているのだが、時は第二次大戦が始まった頃、男性たちは戦争へと駆り出されていき、彫刻家は盲目となって帰ってきて、恋人の方は生死もわからない。女性は彫刻家の世話をしていくうちに二人の仲は近づいていき、彫刻家が成功した時に彼はプロポーズするのだが、その頃に恋人の方も帰ってきて…
恋心と献身の合間で苦悩する女性の姿を描いたメロドラマ。彫刻家は盲人となった分だけ嗅覚が鋭くなって、知人とすれ違っても言い当てているが、ラストで部屋にいるもう一人の男性の存在に気づかず女性に話しかける。おそらくは気づいていて話しているのだが、そこを明らかにしないあたりにフランス映画らしさがあり、戦中、戦後の映画ファンの心を捉えた理由もきっとその辺りにある。