愛のメモリー

あいのめもりー|Obsession|----

愛のメモリー

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レビューの数

41

平均評点

71.4(186人)

観たひと

280

観たいひと

15

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / サスペンス・ミステリー
製作国 アメリカ
製作年 1976
公開年月日 1978/1/28
上映時間 98分
製作会社 ジョージ・リットー・プロ作品
配給 ジョイパックフィルム
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

最愛の妻と娘を亡くし、その幸せだった想い出のみに生きていた男の前に突然襲いかかって来た出来事を描くサスペンス・ロマン作品。製作総指揮はロバート・S・ブレムソン、製作はジョージ・リットーとハリー・N・ブラム、監督は「キャリー」のブライアン・デ・パルマ、脚本は「タクシー・ドライバー」のポール・シュレイダー、原案はB・D・パルマとP・シュレイダー、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はバーナード・ハーマン、美術はジャック・センター、絵画はバートン・デ・パルマ、編集はポール・ハーシュが各々担当。出演はクリフ・ロバートソン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ワンダ・ブラックマン、ジョン・リスゴー、シルヴィア・『クーンバ』・ウィリアムス、ストッカー・フォントリュー、スタンリー・J・レイス、トーマス・カー、ネラ・シモンチーニ・バルビエリなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1959年、緑濃いニューオリンズの夜。裕福なコートランドの屋敷では、主のマイケル(C・ロバートソン)と妻エリザベス(G・ビュジョルド)の結婚10周年記念パーティが行なわれていた。集まった客たちは、夫妻と娘のエミー(W・ブラックマン)を祝福する。やがてパーティも終わり、夫婦水いらずの夜をすごそうとした矢先、母を呼ぶエミーの声に、エリザベスは娘を寝かせに子供部屋へ行ったきり一向に戻ってこない。マイケルが子供部屋に様子を見に行くと、そこに2人の姿はなく、ベッドの柱に脅迫文が貼られていた。「現金50万ドルと引きかえに妻娘を返す」と……。マイケルは親友でもあり自分の経営する会社の共同経営者でもあるロバート(J・リスゴー)を呼び相談をする。翌朝、使いの少年が身代金受け渡し方法を書いた手紙を持ってくると、マイケルは警察に助けを求めることにした。ブリー警部(S・J・レイス)の助言により、マイケルは白紙の身代金を犯人側に渡した。警察は犯人のアジトを突き止めるが、犯人はエリザベスとエミーを連れたまま逃走、後を追う警察の目の前で、車は大型タンクローリーと激突し、川中に……。その後の捜査にもかかわらず、妻と娘の姿は発見出来なかった。悲しみにくれるマイケル--。やがて、16年が経った。マイケルはロバートと共にフィレンツェに出張する。ここフィレンツェは、マイケルがエリザベスと知り合った土地でもあったのだ。その夜のうちに仕事を済ませ、翌日、マイケルはエリザベスと出逢った思い出の教会に行く。そこでマイケルが見たものは、なんとエリザベスにうり二つの女性だった!以来マイケルは、ロバートを先にアメリカに帰し、その娘サンドラ(G・ビュジョルド)に夢中になる。2人の仲は急速に発展していった。そうして2人は婚約し、ニューオリンズに住むことを決める。あのエリザベスが今サンドラとして帰ってくる。マイケルは幸せだった。しかしロバートや周囲の者たちは、マイケルの早急な行動を心配する。だがある夜、悪夢から目覚めたマイケルが、胸騒ぎを覚えてサンドラの部屋へ行くと、16年前の誘拐事件の新聞の切り抜きが、あの夜と同じようにベッドの柱に貼られ、サンドラの姿が消えていた。マイケルは今度こそ16年前の過ちをくりかえさないためにも、サンドラを自らの手で取り戻そうと、50万ドルを用意するようにロバートに頼む。しかしマイケルの精神状態を心配するロバートは、50万ドル用意する代わりに会社の経営権を渡すよう説得する。この際、サンドラさえ無事ならば……。マイケルは今度こそ本物の金の入ったアタッシュケースを16年前のあの場所に置いたのだが、いくら待っても犯人からの連絡はない。不審に思ったマイケルが金を置いた所へ戻ってみると、アタッシュケースの中には、またもや白紙が……!16年前の事件も、今回の出来事も、すべてはロバートが会社を乗っ取るために仕組んだことだったのだ!そしてマイケルはサンドラも共犯だったことを知らされる。ロバートともみ合いになったマイケルは、誤って彼を殺してしまう。怒りに我を忘れたマイケルは、ロバートの銃を手に、サンドラを追いかけて空港へ向かった。一方、自分のしたことを悔やんだサンドラは、イタリアへ戻る機内で自殺を図るが、命はとりとめた。実は彼女はマイケルの娘のエミーだった。16年前、事故に遭った車に彼女は乗っていなかったのだ。ロバートから母を殺したのは父だと教えられ、父に復讐することだけを考えて育ってきたのだ。しかし彼女はマイケルと過ごした日々によって、父への愛情を取り戻していた。空港に戻されたサンドラの前には、銃を構えたマイケルの姿が!父の姿を見たとたん、幼いエミーに戻った彼女は、「パパ!助けに来てくれたのね!」と、マイケルの胸の中に飛び込んだ。サンドラこそ娘のエミーだと悟ったマイケルは、16年間の空虚な日々を埋め合わせるかのように、その腕にしっかりと娘を抱きしめるのだった--。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1978年1月下旬正月特別号

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1977年12月下旬号

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1977年12月上旬号

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2024/03/21

2024/03/21

73点

選択しない 


バーナード・ハーマンの音楽がいかにも

ブライアン・デ・パルマ監督のヒッチコックへのリスペクトを込めたサスペンス。「めまい」に近いプロットで演出もヒッチコックのタッチ。カメラワークもさるこもながらバーナード・ハーマンの音楽もいかにもで、ゾクゾクしてくる。トリックその他、やや無理矢理な感があるが格調のあるドラマで堪能できる。ヒッチコックも観ただろうが、どういう感想だったんだろう?

2024/02/04

2024/02/05

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
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好きなのだからしょうがない

点数は甘い。なにしろデパルマが好きなのだからしょうがない。
これぞデパルマなカメラワークも初期の本作では、こんなカンジに撮ってみました!感がしてなんか嬉しい。

2023/12/15

2023/12/15

65点

VOD/U-NEXT 
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モラルの一線を越える/越えないの描写が必要だったのでは

1959年、米国南部ニューオーリンズ。
実業家のマイケル(クリフ・ロバートソン)は自邸で妻エリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)との結婚十周年記念の祝宴を開いた。
がその夜、妻と幼い娘が誘拐され、警察による追跡の過程で事故が発生、妻と娘を同時に失ってしまう。
それから16年。
共同経営者ロバート(ジョン・リスゴー)の勧めでイタリア・フィレンツェを訪問したマイケルは、大聖堂で壁画修復の助手をしている若い娘サンドラ(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、二役)と出逢う。
亡き妻とうり二つのサンドラに妄念にも似た思いを抱くマイケルは・・・

といったところからはじまる内容で、ヒッチコックの『めまい』に着想を得たような物語はデ・パルマとともに原案を担当したポール・シュレイダーによる脚本。

サンドラに対するマイケルの妄念にも似た思い(原題「OBSESSION」は、ここからとられている)を描いた中盤がまだるっこしく、クリフ・ロバートソンの辛気臭い演技がさらに観ていて陰鬱にさせる。

ま、察しのいい映画ファンならサンドラの正体はすぐに気づくところなので、もう少しモラルの一線を越えるか越えないかといった別のサスペンスの盛り上げ方もあったろう。

後半、再び誘拐事件が発生し、事件の黒幕も明らかになるあたりは、意外とあっさり描かれていて、ここいらは映画としてのメリハリはいいけれど、それにしても犯人の陰謀、えらく深謀遠慮だなぁと思わざるを得ない。

最後の最後、空港での一幕も、中盤に一戦を越える/越えないの描写が抜けているので、心情的には、わかったようなわからないような盛り上げになっている。

ヴィルモス・ジグモンドの撮影、バーナード・ハーマンの音楽も一級なだけに、ちょっと残念な思いが再鑑賞でしました。

2022/10/21

2022/10/21

73点

その他/TSUTAYA DISCAS 
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レベッカ&めまい

会社経営者のマイケル(クリフ・ロバートソン)の妻と娘が誘拐され身代金を要求される。警察の指示にしたがい、偽の金を渡すが失敗。逃亡する犯人の車は炎上して妻も娘も死亡。傷心のマイケル。
仕事も兼ね、イタリアのフィレンツェへ。そこで妻と生き写しの女性に出逢い恋をしてしまう。
ここまではつまらないラブドラマであるが、この女性が訳ありであった。女性サンドラ、いかにもイタリア女とは思えないと思っていたら、やはりそこが味噌であった。彼女は生き残っていた娘のエミリーが成長した姿であった。最初の誘拐で身代金をけちって母親を殺してしまった復讐心に燃えていた。元々の誘拐計画から関わっていたのが共同経営者のロバートであった。会社を乗っ取ろうとマイケルを嵌める計画であった。
計画は失敗したが、何がしかの復讐を遂げた娘エイミーは、ローマへの飛行機に乗るが、住居での鍵で閉ざされた思い出の詰まった部屋や母と父が出会ったイタリアの協会と同じ墓を建てていることなどを知り父への恋慕がよみがえる。できすぎの演出のローマ行の飛行機のリターン。劇的な父・娘の再会でエンド。
この映画は、何人かの方が指摘しているようにヒッチコックの影響を受けていると思います。
豪邸を無くなった女性の思い出で飾るところは、レベッカ(1940)。墓地のネタはめまい(1958)からでしょう。

2022/04/18

2022/04/18

100点

レンタル 
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42年ぶりに鑑賞する=「デラックス版」

2022年4月18日に鑑賞。DVDにて。1時間38分03秒。PANAVISION・テクニカラー。GEORGE LITTO PRODUCTION=コロンビア映画。一部、イタリア語。スチール写真:Barton De Palma は息子か?そんな訳ないよ。イタリアの親戚かな。兄でした。「キャリー」(1976)の帰宅途中のキャリーを苛める自転車の少年(Cameron De Palma)が監督の息子でしょう。キャリーのテレキネシスで自転車を倒される。少年はデ・パルマの甥でした。兄バートンは画家でもある。

映画館で観て以来、42年ぶり(初公開で鑑賞してから44年ぶり)に鑑賞する。私が偏愛の傑作である。

ブライアン・デ・パルマの最高傑作である。ヒッチコックの「めまい」と「レベッカ」の翻案であると私は睨んでいる(笑)デ・パルマ作品の中では一番好きな映画である。

1975年フィレンツェ。旧記述『クリフ・ロバートソンと共同経営者ロバート(ジョン・リスゴー)がホテルの喫茶店の窓側に座っている。カメラが右から左へ2人を撮らえてゆっくりとパンする。またカメラが左から右へゆっくりと移動する。途中、2人の真ん中は誰も写っていない。写っているのは窓ガラスだけ。するとカメラがガラスの向こう(店の外の広場)にピントが合う。道の向こうに誰かいるのか。この何気ないサスペンスの醸成は只者ではないと仰天した。』→今回。カメラは2人の真ん中にある朝食のテーブルのクロワッサンを写し、ゆっくりと上昇すると広場が見える。カメラのピントが窓の外の広場に合う。カメラが右のボブへ→カメラ左へ移動、中央(広場にピントが合う)→左に座るマイケル→カメラ右へ移動(広場)→右のボブへ→左へ(広場)→左のマイケル→カメラに右へ(広場)→右のボブへ。

2021/10/09

90点

レンタル/新潟県/TSUTAYA/蔦屋 白根店/DVD 
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【インセスト ロンド】

ヒッチコック・リスペクトが脚本・技巧・モチーフにパーフェクトに昇華されたサスペンスでありラブロマンス。

光量過多の映像は米南部の強い陽光を思わせつつ 現在と過去・現実と夢幻の境界をも掻き消してゆく。 振り幅の大きなジュヌビエーブビジョルドの演技も圧巻だが 緻密な技巧を駆使して相乗させるデパルマの手腕が全編で大炸裂している。
[インセスト タブー]の禁忌性がロマンスをより至高にし[対象無きエレクトラコンプレックス]のメタファーを浮かび上がらせる。 過去と現在が完全に合致する輪舞が 終局で[インセスト輪舞]と言うべき美的至福に溢れていた。 その回転が止まる果てに待つのは…ハッピーエンドなのか? バッドエンドなのか?




《DVD観賞》