カリガリ博士

かりがりはかせかりがりはくし|The Cabinet of Dr. Caligari Das Kabinett des Dr. Caligari|----

カリガリ博士

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レビューの数

62

平均評点

69.1(236人)

観たひと

365

観たいひと

17

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 ドイツ
製作年 1919
公開年月日 未公開
上映時間 67分
製作会社 デクラ・ビオスコープ
配給 天然色活動写真
レイティング
カラー モノクロ スタンダ-ド
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

欧州大戦後、ドイツ映画復興の第一声をあげた作品で、奇怪なカリガリ博士が眠り男チェザーレを操る殺人事件の数々は、精神病患者の妄想であった。という表現派映画の第一作。無声。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

二百年前北イタリアで、カリガリ(ヴェルナー・クラウス)という医者がチェザーレという夢遊病者を使用して意のままに殺人を犯さしめた。という記録によって心狂える一青年フランシスの妄想を描いたもの。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2025/02/04

2025/02/05

70点

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大戦、パンデミック、震災

ドイツ表現主義の映画らしい。
昨年(2024.11)に川崎賢子著「キネマのと文人-『カリガリ博士』で読む近代文学」が発行された。
映画「カリガリ博士」が公開された頃は、第一次大戦やパンデミック流行後、関東大震災直前あたりの時代。
この本によれば、多くの文化人や文人が「カリガリ」に刺激を受け、論評している。一大ムーブメントになったような勢い。そして、この映画にインスパイアされた作家がいかに多かったか。
目次だけをみても、佐藤春夫、江戸川乱歩、谷崎潤一郎、内田百閒、芥川龍之介、夢野久作、尾崎翠、稲垣足穂など、目もくらむような作家たちが「カリガリ」に対峙している。
谷崎潤一郎はこう評論している。
「彼の幻想の原となった所の人物が現実にも生きて居る人々であり、而もそれらの多くが等しく狂人である所に、此の物語りは一層の余韻と含蓄を持つて居る。なぜなら、観客はあの不思議なフランシスの夢が終りを告げて場面が再び病院の庭へ戻って来た時、さうしてそこに夢の中の種々なる人物が狂人として徘徊するのを見せられた時、その一つ一つの狂人の頭の中にも亦フランシスのそれのやうな幾つもの奇怪なる世界があるのであらうことを連想せずには居られないからである。観客の見たのは或る一人の狂人の幻覚であるが、同時に無数の狂人の幻覚を考へさせられる」と。

2024/06/27

2024/06/29

90点

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いろんなバージョンありまして

私の知る限り、上映時間2種類あり、気付けば今まで色々観てきた。
短い方ではブルックナーの音楽、長い方では活弁女性とピアノ、それから2024年2月に発売されたカールバルトスが制作した新たなサントラ版、これはシンセサイザーとエレキギターソロでトレモロアームでトリップした感じや高速ベースソロにフリージャズのようなドラムの入り方、常にハーモニーのない効果音が38曲だっけ。
そしてフルハイビジョン カラー化されたものが1番最近観た。音楽はやはりブルックナー、アソコの音楽の三連符がカリガリ、カリガリ…と聞こえて面白い。
シザーハンズのエドのおじいちゃんとその親戚一族が出演しているようで、皆メイクが演劇のよう。
棺桶一つとってもいいカタチしてて、私にとっては視覚に入る100年前に生まれた歪みたちが不快ではなく深いなぁと何度見ても感動します。

2024/05/17

2024/05/17

-点

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点数はつけられない。

まだ映画が(舞台)演劇に近い頃の作品という印象です。
映画史においては貴重な作品だと思います。
点数はつけられないです。

2024/04/18

2024/04/19

60点

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三回目

一時間ほど時間があったので観賞。
感想は初見の時とさほど変わらず。

2024/03/25

2024/03/25

77点

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100年前もいまも変わらない

ネタバレ

クリストファー・クラーク「夢遊病者たち」を読むと、第一次大戦に至るまで、それはまるで夢遊病者のような人々の意識が民族主義やポピュリズムを呼び起こしたことが書かれているが、奇しくもこの映画は第一次大戦の集結とともに作られている。そう考えるとこの映画に出てくる多重構造の主は誰か?という疑問を残す。まさにラストシーンはそういうニュアンスではなかろうか。

冒頭のふたりの会話に白い女性が現れドラマが踏み込んでゆく。チェザーレという人物もカリガリも誰も彼もがなにかに操られているようだ。映画の背景となる表現主義的なセットは、まさにそうした不安を表現している。催眠術はひとりより大勢にかけたほうが効きやすいというのは正論だ。同調圧力や大衆操作は、100年前のこの時代から何も変わらない。

3度めの鑑賞だが、みるごとにその視点と価値を帰る不思議な映画だ。もちろんこの映画がその後の多くの作家に影響を与えたことは言うまでもないが、この映画の普遍性はそれだけではない。時代を超えて価値を変化させる魔力があるのだと思う。

2024/03/16

2024/03/16

70点

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今ではよくある夢オチも100年以上前のこの作品で観られるとは。当時はかなりの衝撃だった事が容易に想像出来る。全編に渡る回想シーンやラストのドンデン返しに至るストーリーテリング、不安感を煽る歪んだデザインの斬新なるセット、過剰なまでに表情を強調する様な不気味なメイク等々、刺激的な要素が満載。改めてヒッチコックやバートン辺りにも絶大な影響を与えているのがよくわかる。キューブリック版のリメイクとか、観てみたかったなぁ。