ギャンブルの王様

ぎゃんぶるのおうさま|Le Baron de L'Ecluse|----

ギャンブルの王様

amazon
レビューの数

2

平均評点

71.5(6人)

観たひと

9

観たいひと

0

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 フランス
製作年 1959
公開年月日 1963/4/30
上映時間
製作会社 フィルムソノール
配給 大映
レイティング
カラー モノクロ/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

フランスの小説家ジョルジュ・シムノンの原作『水門の男爵』をモーリス・ドリュオンが脚色し、「フランス女性と恋愛」(思春期)のジャン・ドラノワが監督した人情喜劇。撮影は「情報は俺が貰った」のルイ・パージュ、音楽は「素晴らしい風船旅行」のジャン・プロドロミデス。出演者は「面の皮をはげ」のジャン・ギャバン、「電話に御用心」のミシュリーヌ・プレール、ジャン・ドザイ、ジャック・カストロ、ブランシェット・ブリュノワなど。製作はクロード・オースール。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アントワーヌ男爵(J・ギャバン)は中年をとうに過ぎた年頃だが、上流社会ではもっぱらプレイ・ボーイで通っていた。が、ふところはいつも寒くばくちの稼ぎが唯一の収入財源だった。今年も例車の如く社交場へやって来た男爵だが目が出ず、手数料かせぎにヴィラマイヨール侯爵のヨットを売りつけようとやっきになっていた。ある日、十年前に喧嘩別れをした昔の恋人ペルル(M・プレール)に会った。彼女は現在アラビアのサドカン王子の愛妾になっており、男爵は面白くなかったが一文無しではどうしようもなかった。ところがある日、男爵は競走馬のセリ売りで彼の親友が売りだした馬をサドカン相手にセリ上げ、べらぼうな高値で売りつけ、また賭博場でサドカン相手にばくちを打ち大賭けに成功した。おまけにその晩、ヴィラマイヨール侯爵から申し込まれたカード勝負でもツキにツイて、なんと一千百万フランもの大勝を博した。困った侯爵は負けた金の代りにオランダの港においてある、例のヨットを引き取ってくれるよう頼み、不足分はあとから為替で送金すると約束した。今や意気揚々たる男爵はペルルを強引にサドカンと別れさせると、オランダへ二人だけの船旅に向った。水入らずの船旅は至極快適だった。が、万事都合よくは運ばなかった。侯爵から送ってくるはずの為替が来ないのだ。そのためフランスの片田舎で立往生してしまう始末。すると、村の酒造家モーリスがペルルに一目ぼれして結婚を申込んだ。男爵はペルルの幸福のため二人に結婚をすすめた。ひとりぼっちになった男爵を食事に招いてくれたのは、安カフェの女主人マリアだった。やがて待ちに待った二百万フランだけが到着した。そして粋な船長服に身をかためた男爵は、マリアを後に気ままな船旅に出るのだった。後には涙ぐんだマリアが、いつまでもいつまでも見送っていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年6月上旬号

外国映画批評:ギャンブルの王様

1963年5月下旬号

外国映画紹介:ギャンブルの王様

1963年5月上旬号

新作グラビア:ギャンブルの王様

2010年

2016/07/29

80点

購入 


一文無しでも悠々自適

こんな映画に出会えて幸せです。
フランスの名優ジャン・ギャバンが、ギャンブル大好きな男爵(ただし文無し(笑)でもモテモテ)をユーモアたっぷりに演じます。原作は意外や意外のジョルジュ・シムノン。こんな軽快なコメディ作品もあるのですね。

カメラは『ヘッドライト』『地下鉄のメロディ』のルイ・パージュ!ジャン・プロドロミデス(「素晴らしい風船旅行」など)の華のある甘美な音楽も素敵です。

オープニングは老婦人のお供で遊覧飛行するジャン・ギャバン。フランスのリゾート地の空撮をバックにクレジットを流し、華やかな音楽に乗って賑々しく映画が始まります!

アントワーヌ男爵(ジャン・ギャバン)は、上流社会で有名なプレイ・ボーイのギャンブル好きだが、ふところはいつも寒くばくちの稼ぎが唯一の収入財だった。今年も社交場でギャンブル三昧するけれどツキが回ってこない。そんなある日、10年前に喧嘩別れをした元恋人ペルル(ミシュリーヌ・プレール)に再会する。彼女は現在アラビアのサドカン王子の愛人になっており、男爵は面白くないが一文無しではどうしようもなかった。

それがある時、一晩のポーカー勝負で1100フランの大勝を果たし、相手のヴィラマイヨール侯爵から現金の代わりにヨットをもらい受け、不足分200フランはあとで為替で送金すると約束する。

さっそく男爵はペルルを誘って、ヨットで北フランスの運河の旅に出発する。最高の船旅になるはずだったが、ヴィラマイヨール侯爵から送ってくるはずの為替が来ない。食べ物もなくお腹がペコペコで困り果て、北フランスの片田舎に船を停泊させて立往生してしまった…。

この片田舎の村でいろいろなことが起こるのですが…、そこは「お楽しみはこれからだ!」ということで!(笑)

一文無しでも悠々自適、ギャンブルでお金が手に入ればチップを配りまくってすぐにふところが寂しくなるけれど、ある金は全部振る舞う、「私はそういう男だ!」。人生を楽しむ男爵の磊落で何ともユーモラスな作品です。

そうそう、男爵の元おかかえ楽団(一文無しになって手放した)の演奏する「男爵(バロン)のテーマ」に合わせて、ジャン・ギャバンが歌うシーンもあります!

ぜひご覧ください。

2012/09/22

2012/09/23

70点

レンタル/DVD 


ギャバンの知られざる佳作

ジャン・ギャバン扮する貧乏男爵がギャンブルのカタに巻き上げた船に昔の恋人を乗せて旅に出たものの、燃料切れでやむなく立ち寄った村で人情味あふれる歓待を受けるというジャン・ドラノワ監督のしみじみしたヒューマンドラマ。とかくギャンブラーは見栄を張るものだと思うが、この作品のジャン・ギャバンは分をわきまえた行動を常としておりどっしりと風格のある好漢の趣であった。郵便局長の子供に”凧を買いな”と言って1万フランを手渡すギャバンがカッコイイ。居酒屋の女将との間に芽生えたほのかな愛情の描き方も妙に湿っぽくならないところがいい。ラストの別れの場面それに続くギャバンの歌声、見事な幕切れであった。