2度目の鑑賞であるが、私の生涯ベスト3に入る作品です。あの広場の壁に映写するシーンは忘れられない。
それと映画内で上映されるモノクロの古い作品、映写室の壁のポスター、そして何よりもあのエンニオ・モリコーネの主題曲、たまりません。
改めて鑑賞して主人公トト・サルヴァトーレが映画の師アルフレードの葬儀に参列するためローマから故郷に帰って来た時から思い出の少年時代・青年時代に遡る三時代を描いた。
少年時代(サルヴァトーレ・カシオ)、映画好きの少年は映画館Cinema Paradaisoへ潜り込み、映写室でアルフレード(フィリップ・ノワレ)の映写も見ながらカットされたフィルムの屑を集めるのが楽しみだった。当時はトトの父親がロシア戦線に行ったまま(後戦死)のことから第二次世界大戦末期の1940年代だったのでしょう。
まだ映像の中のキスシーンも地元の司祭の権限で上映カットとなるようで、こんなカットフィルムがたくさん出る。(これが最後に活躍する)
当時の映写フィルムはセルロイドで非常に燃えやすい。フィルムが止まると映写機の熱ですぐ燃え上がる。上映中に画面が壊れる現象は私も経験したことがある。
ある時このフィルム火災から劇場の火災へ広がり、劇場も崩壊してしまう。この時にアルフレードは全身やけどを多い、目もやられ失明してしまう。
それから時は経ち、1954年トトも青年(マリオ・レオナルディ)(恋人のエレナが大学受験と言っていたから10代後半でしょう)、再建されたNouvo Cinema Paradiso(題名のニュー・シネマ・パラダイス)でアルフレードの代わりに映写技師として働く。窓から見下ろし、一目ぼれした少女エレナ(アニエーゼ・ナーノ)をこっそり8mmで撮影するほどで夜な夜な彼女の家の窓下に行くが相手にされない。やがてエレナの方から寄り添って来たが、金持ちの父は赦さずパレルモへ引っ越してしまう。手紙を出せども返答なし、失意のもと兵役へ。
兵役から帰るが、アルフレードから「こんな田舎で過ごすな、ローマへ出て自分の新しい道を拓け。二度と帰って来るな」と。
それから30年、ローマで映画監督となったサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)が葬儀へ参列。かつての劇場も観客の減少(ここもテレビとビデオのため)で朽ち果て更地にして駐車場になるとのこと。時代です。
遺族から託されたフィルム缶の中には、アルフレードによってカットされたフィルムをつないだ映像作品だった。最大の感動場面でした。サルヴァトーレが撮影したエレナの映像の後には、カットされたキスシーンの連続。川本三郎さんなら何本くらい作品名が分かるのでしょうか?
追①舞台となった場所はシチリア島の山の中の街パラッツオ・アドリアーノで映画の劇場は当然セットであるが、現地にはこの映画のためのミュージアムがあるようです。
追②エンニオ・モリコーネが本映画の音楽を担当した経緯は、本映画の監督ジョゼッペ・トルナトーレのドキュメンタリー作品「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(2021)に描かれていました。