神々の王国

かみがみのおうこく|Au Royaume des Cieux|----

神々の王国

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レビューの数

1

平均評点

74.0(6人)

観たひと

8

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
製作年 1949
公開年月日 1951/5/10
上映時間
製作会社 レジナ
配給 新外映=東宝
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「旅路の果て」のジュリアン・デュヴィヴィエが、自ら脚本を書卸し、監督した一九四九年作品。台詞はアンリ・ジャンソンが担当している。撮影はヴェテラン、ヴィクトル・アルムニーズ。「火の接吻」のセルジュ・レジアニ、新人のシュザンヌ・クルーティエを中心に、「我が父我が子」のシュジィ・プラン、モニーク・メリナン、ジャン・ダヴィらが出演する他、デュヴィヴィエの選んだニュウ・フェイス少女達が多数出演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

マリア・ランベエルはオート・メエルの感化院に送り込まれて来た。最初の取調べの最中、院長のバルダン夫人は急死し、副院長のシャンブラ嬢が新しく院長の位置についたが、彼女は苛酷な厳罰主義で少女に臨もうとしている冷たい女であった。マリアはその犠牲の第一号として早速二日間地下の石牢に叩き込まれた。マリアの恋人、職工ピエエル・マッソオは彼女を脱走させようとし感化院近くの宿屋までやって来て、常習脱走犯の少女マルゴにあい、彼女にマリアへの言伝てを託した。感化院に戻ったマルゴは忽ち石牢に入れられ、結局マリアにピエエルの言伝てを伝えたのは、少女達が新院長のやり方に反抗してハンストを起している最中であった。少女達はピエエルとマリアの恋物語をきき、さながら自分達に恋人ができたような喜びと好奇心を感じた。ピエエルが石塀をよじてマリアに逢いに来た時、彼女達は人垣を造って、二人の鉄棒ごしのランデヴウを守ってやった。それを見破ったシャンブラは再びマリアを石牢に入れたが、そのあまりのきびしさに舎監のゲランド嬢までが、罰則の中止を院長に要求するに至った。翌日、クリスマスの儀式のため少女達が村の礼拝堂に参列している時、突然河の堤防が切れて濁水が押よせて来た。混乱の中でピエエルはマリアをさらって逃げ出した。ゲランドはそれを故意に見逃した。しかしこの時政治犯の少女カミイユが入水自殺をしたので、院に帰った少女達全員は院長から罰を食った少女達はついに怒りを爆発させ、院長宅へなだれ込んだ。ゲランドの制止により騒ぎは収まったが、逃げ出した院長は、自ら庭に放っていた猛犬にかみ殺されてしまった。その間、マリアとピエエルは、濁水の中を遠く逃げのびたのであった。

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2017/03/12

2017/03/13

81点

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デュヴィヴィエの戦後作品では、秀作。才気を感じた。

 戦後のデュヴィヴィエは失望作が多かった。軽喜劇の「奥様ご用心」、ミステリーの「自殺への契約書」が気に入ってはいるのだが。

  しかし、この戦後4年の1949年のこの作品には引き込まれた。
  題名からして、まさか少女鑑別所ものとは思わなんだが。
  映画が始まってすぐにガックリきたが、飽きがこなかった。
鑑別所側も少女側も、性格描写・集団描写が細やかに的確に描かれているではないか。
   カメラのパンを中心に凝った技法は「おおっ。」と思わせるものがあり、デパルマを連想させた。
    シュザンヌ・クルーティエは美人過ぎるが好演(判りにくいがヌードあり)。
  セルジュ・レジアニはいつもながら巧い。レジアニを最初に見たのは、たぶん「冒険者たち」だと思う。あの映画の脇役が、かってのフランスの主役をはっていたスターだと知ったのは、かなり後の事である。淀川さんが「何たる粋な配役。」とおっしゃっていた。「肉体の冠」「火の接吻」が忘れられない。

 また当時のヨーロッパは冬が洪水が多かったという事らしいが、実際の洪水をこのように映画に取り入れた映画は、ちょっと覚えがない。 迫力が全然違う。
  アンゲロプロスの「エレニの旅」を思い出した。

  双葉先生は65点で厳しいが、もしかして鑑別所ものを山と見たのではないか。