白い恋人たち

しろいこいびとたち|13 Jours en France|----

白い恋人たち

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レビューの数

23

平均評点

80.3(64人)

観たひと

78

観たいひと

14

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / ドラマ
製作国 フランス
製作年 1968
公開年月日 1968/11/9
上映時間
製作会社 レ・フィルム13
配給 東和
レイティング
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「男と女(1966)」「パリのめぐり逢い」のクロード・ルルーシュが、「アメリカの裏窓」のフランンワ・レシェンバックの協力を得て作った、フランスのグルノーブルでの第十回冬季オリンピック大会の記録映画。シナリオはピエール・ユイッテルヘーヴェン。撮影はウィリー・ボグナー、ジャン・コロン、ギイ・ジル、ジャン・ピエール・ジャンセン、ジャン・ポール・ジャンセン、ピエール・ウィルマンの六人が担当している。音楽は「男と女(1966)」「パリのめぐり逢い」などでルルーシュと組んだフランシス・レイ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

○アテネからグルノーブルへ--遠くアテネで点火された聖火が、若者たちによって、山道を、街を、はこばれる。ブルドーザーが道の雪をけずり、大勢の整備員がコースを踏みかためる。リフトの試運転や選手の練習も始まる。○開会式--世界三七ヵ国から一三五五の選手と六万五千人の観客が集まり、開会式がはじまる。ドゴール大統領の開会宣言。フランス国歌の合唱。スカイダイバーが降下し、空から祝福の花が咲く。色とりどりの選手団の入場。やがて聖火の入場。その炎はグルノーブルの空に燃えあがる。○スケート/女子五〇〇メートル--身体を折り曲げ、腕をふり、全力をこめて、スタート。エッジが氷を噛み、身体がスピードにのる。コーナーで転倒する者。勝者と敗者がしだいに色わけされてゆく。○アルペンスキー男子滑降--優勝候補キリーの登場。表情はけわしく準備体操も必死である。スタート。八〇〇メートルを越える標高差の斜面に時間との戦いがくりひろげられる。やがてゴール。優勝の栄冠は彼の頭上に輝いた。喜びをかくしきれない表情で、キリーはインタビューに答える。○アルペンスキー女子滑降--時速一〇〇キロに近いスピード。コースは凸凹が激しく天候も悪く、失格者が相次ぐ。その中で、オルガ・パールが栄冠をかちえた。○フィギュアスケート/女子--氷上に花のように舞う若々しい肢体。ひときわあざやかなライト・グリーンの衣装。ペギー・フレミングである。○中盤戦に入る大会--三冠王をめざすキリーは、大回転に出場。二個の金メダルを獲得。橇がかたい氷壁の間を、すさまじい勢いで疾走する。一人乗りと二人乗りのリュージュ。二人乗りと四人乗りのボブスレー。旗を振り、笛を吹き、スクラムを組んで、応援合唱も、いまやたけなわ。その過酷さにおいてマラソンをしのぐというノルディック距離レース。○ペア・スケーティング--スポット・ライトの中で、男と女の身体は、見えない糸で結ばれあい、離れてひろがり、舞う。だが、ほんの一瞬の時間の狂いで、転倒。涙をのむものもいる。○アルペンスキー女子回転--ひきしまった表情に決意をみなぎらせ、ゼッケン5のスタート。豪快なフォームが雪にけむる。電光板に優勝が告げられる。喜びに輝くゴワシェルの顔。○アルペンスキー男子回転--強い風がうなりをあげ、コース・コンディションは最悪。転倒者、失格者が続出。がキリーは勝ち、三冠王を勝ちとった。○アルペンスキー/女子大回転--鍛え抜いた足腰にコーチが最後のマッサージをする。スピードにのって、選手はすべる。優勝のナンシー・グリーンの顔がほころぶ。○アイスホッケー--赤いユニホームのソ連と青いユニホームのチェコとの争い。選手も観客席も熱狂の極にたっする。勝ったチェコのチームは、飛びあがって狂喜する。○スキー/ジャンプ--祭典の終幕を飾るにふさわしい絢爛たるジャンプ競技。羽根が生えてでもいるかのように、一人また一人と選手たちはとぶ。○閉会--大会は終った。優勝や失格、新記録や負傷など、喜びと悲しみがおりなした、冬の祭典の幕が降りる。一三日間の喧騒からやっと解放されたグルノーブルの街には、また、雪が降ってきた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1968年11月下旬号

外国映画批評:白い恋人たち

1968年10月下旬号

外国映画紹介:白い恋人たち

1968年10月上旬秋の特別号

特別グラビア:ルルーシュの「白い恋人たち」

「白い恋人たち」とクロード・ルルーシュ映画の秘密〈作品と作家〉:

1968年9月下旬号

旬報試写室:白い恋人たち

2022/12/31

2022/12/31

100点

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。世界中が新型コロナウィルスの脅威にさらされて3年目、間もなく年が明けようとしているがおさまる気配はない。そんな中2022年は冬季オリンピックで始まった。この国では東京オリンピックの功罪と裏に起こっていた醜い取引が暴かれようとしている。
この映画はオリンピックが純粋に人間たちの祭りであったことを教えてくれる。冬のスポーツで限界に挑戦することを許された人たち。それを支える人。その妙技に酔う人。歓喜と無念、協議がもたらす喜怒哀楽。生身の人間たちのドラマが美しい。

2021/12/06

2021/12/06

100点

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2022年来年開かれる予定の北京での冬季五輪大会・・・。2020年東京で開催されるはずだった夏季大会は新型コロナ・ウィルスの影響で延期。年が明けてもなお終息の兆しが見えず、開催も賛否の分かれる中、開催賛成派は大会に向けて努力してきた選手たちを盾に無観客という制限をつけて強引に開催。来年の冬季大会を前に女子テニス選手のツイッターで問題発覚・・・IOC会長のとった行動が物議を呼んでいる。オリンピックは誰のものなのか?この映画を見るにつけ今のオリンピックのあり方に疑問がわいてしまう。競技場の中は勿論その周辺でも世紀の祭典を楽しみに集う人たち。競技のスピードに驚き、妙技の美しさに酔い、ぶつかり合う力に興奮し、その飛距離に歓声を上げる・・・人間がその限界に挑む姿に感動する、そんな場がオリンピックでは?選手は勿論主役・・・そしてそれを包み込む観客たちも・・・。映画の最後・・・大会が終わり、観客の消えた競技会場、競技を支えていた人たちが忙しく働いていた記録室・・・祭りの後の静寂もまた美しい。

2021/10/19

2021/10/21

100点

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最も観たかった映画

近年では最も観たかった映画でした。あちこち探してやっとソフト発見。あの主題歌が流れるだけで感涙です。雪を列を組んで踏み固めるところは映画史に残る名場面。

2021/07/23

2021/07/23

100点

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新型コロナウィルスがいまだにおさまる気配のない中、国民が疑問を投げかける中始まった東京オリンピック。最初から躓いたまま始まった大会。オリンピックって何なのだろう?と考えた時にこれを見る。
フランシス・レイの美しいワルツに彩られた冬の祭。町のあちこちで繰り広げられる競技に集まってくる人たち。13日間のスポーツの祭典。純粋に競技を楽しみ、叫び歌い踊る。飲んで食べて笑って・・・。いつの間にか変わっていたオリンピック・・・。

2020/12/29

2020/12/29

100点

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オリンピックが国家や企業の物ではなく競技をする人それを応援する人たちの物、世界中の人間たちの為の物だった頃の映画。余計な演出もなく競技に沸き、歌に沸き、酒に沸き人に沸く13日間。ここに集う人たちの華やいだ笑顔が素晴らしい。
新型コロナウィルスで延期となった東京オリンピック・・・これを機会に来年もし開かれるのならこの映画のように人間臭い大会になってほしいと祈る。

2019/11/30

2019/12/30

60点

映画館/東京都/国立映画アーカイブ 
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オリンピック私的記憶映画

オリンピック憲章は夏季・冬季オリンピックごとに公式記録映画の製作を義務づけている。この映画は、その憲章に基づいて作られた、1968年にフランス、グルノーブルで開催された第10回冬季オリンピックの公式記録映画。

しかし、「記録映画」でありながら、この映画ではどんな競技が行われたのか、誰がどの競技で優勝したのか、といったオリンピックの記録はいっさいと言っていいほど描かれていない。ナレーションや字幕説明を極力排し、練習風景やグルノーブルの街に暮らす人々の日常を含め、叙情たっぷりのメインテーマに乗せて脈絡もないままに映像が流れていく。

市川崑監督が挑み先鞭をつけた新しい形のオリンピック映画のさらなる進化系が、このルルーシュの私的オリンピック映画だろう。メインテーマを耳にするたびによみがえる「記憶映画」――映画作家の感性を全面に押し出した映像詩という評価こそが相応しい。この新たな試みが、1972年のミュンヘンオリンピック公式記録映画『時よとまれ、君は美しい』を最後にその流れを止めてしまい、ナショナリズム偏重気味な旧い形態のオリンピック映画に逆戻りしている傾向は残念でならない。