オズの魔法使

おずのまほうつかい|Wizard of Oz|Wizard of Oz

オズの魔法使

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レビューの数

94

平均評点

75.5(496人)

観たひと

829

観たいひと

31

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ミュージカル / ファンタジー
製作国 アメリカ
製作年 1939
公開年月日 1954/12/25
上映時間 101分
製作会社 MGM映画
配給 MGM映画会社
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカの童話作家L・フランク・ボームの童話を色彩(テクニカラー)映画化したもので、「裸の島」のノエル・ラングレー、フローレンス・ライアソン、エドガー・アレン・ウルフの合作の脚本より、「風と共に去りぬ」のヴィクター・フレミングが監督した。「ローズ・マリー(1954)」のマーヴィン・ルロイ製作の1939年度作品。「アスファルト・ジャングル」のハロルド・ロッソンが撮影、音楽はハロルド・アーレンの担当。この作品でアカデミー特別賞を得た「踊る海賊(1948)」のジュディ・ガーランド以下、「無法街」の故フランク・モーガン、「虹の女王」のレイ・ボルジャー、「ローズ・マリー(1954)」のバート・ラー、ジャック・ヘイリー、ビリー・バークらが出演する。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

カンザスの農場に住む少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)はある日愛犬トトが近所のミス・ガルチからいじめられたといって泣きながら帰ってきたが、誰も相手にしてくれないので、トトと家出することにした。田舎道を歩いていると家出を見破った占師マーヴェル(フランク・モーガン)から伯母さんが心配して病気になったといわれて、家へ帰る。すると、折から大竜巻が襲来して農場は大騒ぎ。こわくなってベッドにうつぶせになっていたところを、風で外れた窓枠が彼女の頭をしたたか打った。--ふと気づくと、ドロシーは家もろとも大空高く吹きあげられ、やがてふわりと落ちたところは、見たこともない不思議なオズの国だった。シャボン玉から現われた北の良い魔女グリンダから、ここはマンチキン・ランド(小人の町)だと教えられる。さらにグリンダは、ドロシーの家が落ちて、東の悪い魔女が押しつぶされて死んだと告げた。そこへミス・ガルチそっくりの西の悪い魔女が現れた。姉である東の魔女のルビーの靴を奪おうとしたが、グリンダによって靴はいつの間にかドロシーの足にあった。西の魔女が去った後、グリンダは魔女の復讐がドロシーに向けられるのを心配して故郷へ帰るよう勧めるが、それにはずっと離れたエメラルド・シティに住むオズの大魔王の力を借りなくてはならないと言う。こうしてドロシーはエメラルド・シティを目指して黄色いレンガの道を歩いて行くことになった。ドロシーとトトは、途中、彼女をいつも可愛がってくれた農夫ハンクそっくりの、脳みそをほしがっている案山子と、同じくヒッコリーにうりふたつで、鍛治屋が心を入れ忘れたため心をほしがっているブリキのきこりと、ジークそっくりで、臆病なため勇気をほしがっているライオンを仲間に加えた。エメラルド・シティの見えるケシの花畑に達したところ、西の魔女の魔術にかかってドロシーとライオンは眠ってしまったが、グリンダの力で事なきを得た。そうして一同はようやくエメラルド・シティの城内に入ることができた。オズの大魔王に対面すると、皆の望みを叶えてやるかわりに西の魔女の箒を持ってこいと命じられてしまう。しかたなくドロシーたちが魔女の城へ向かったところ、途中、森の中で空飛ぶ猿の軍勢に襲われ、ドロシーとトトは魔女の城の一室に閉じ込められてしまった。隙を見て逃げ出したトトの案内で、臆病ライオンまでが勇みたって城内に突進し、ドロシーを救い出したが、再び西の魔女が立ちはだかる。魔女は炎を操って、藁で出来た案山子を焼こうとしたが、とっさにドロシーが水をかけて火を消した。すると、その水がかかった魔女はみるみるうちに溶けてしまった。一同は箒を持ってオズの大魔王のところへ行くが、トトの活躍で恐ろしいオズの大魔王の正体は、占師マーヴェルそっくりのいかさま魔法使いだと分かった。しかし魔法使いは「案山子は旅の困難を切りぬけようと頭を使い、ライオンは危険に立ち向かい、ブリキ男はドロシーの運命に涙を流したから願いは果たされた」といい、3人の望みに叶う贈り物をくれた。そうしてドロシーには一緒に気球でカンザスへ帰ることを提案した。ところが出発間際ふとしたことから気球は魔法使いだけを乗せて舞い上がってしまい、ドロシーはオズの国に取り残されてしまった。そこへグリンダが現れ、ドロシーの履いているルビーの靴こそ、彼女の願いを叶えてくれるものだと言う。ドロシーは仲間に別れを告げて目を閉じた。そして靴の踵を3回鳴らして、「お家がいちばん」と強く願うのだった。--やがてドロシーが目を開けると、そこには窓枠で頭を打ったドロシーを心配する、伯父伯母をはじめ、ハンク、ヒッコリー、ジークがいた。そこへドロシーの様子を見に来たマーヴェルもやって来た。ドロシーはオズの国の不思議な出来事を皆に話して聞かせるが、きっと夢をみたのだろうと、誰も信じてはくれないのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年9月上旬号

DVDコレクション :第326回 「オズの魔法使」

1955年2月上旬ベストテン発表記念特別号

外国映画批評:オズの魔法使

1954年12月上旬号

外国映画紹介:オズの魔法使

1954年11月上旬号

グラフィック:オズの魔法使

2023/10/31

2023/11/01

75点

映画館/東京都/T・ジョイPRINCE品川 
字幕


これは名作過ぎて、なぜにいま上映?と思ったら、2019年に公開80周年を記念してオリジナルネガからのスキャニングにより作られたドルビーシネマ版を、いま開催中の第36回東京国際映画祭で上映されていたものだったんですね。

その昔名画座などでは何度か観ているけど、まずは懐かしいMGMのライオンさんからの、DolbyCinemaで観る映像の美しさは圧巻、セピアからカラーに変わる瞬間は鳥肌もので、後付けすれば色々な解釈があるとは思うけど、1939年にこんな豪華な作品が作られていたなんてさすがハリウッドというか、大活躍のおなじみトトも相変わらず可愛くて癒された。

のはずだったんだけど、途中から最前列のリクライニングシートでの鑑賞だったので快適過ぎて最後のいいところを観れなくて残念、カラーからセピアに戻ってのあのシーンが大切なのに、もう〜(^^;

なんか旦那が入院してひとりで観るようになってから、隣で眠る旦那を起こさなきゃという心配はなくなったけど自分が代わりに眠ってどうする!という話だけど、それはそれで映画館でひと休みということで、やっぱり映画館の暗闇最高!←完全に開き直ってますw

2022/11/04

2023/09/03

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
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ジュディ・ガーランド特集

1939年公開でカラーの米映画。日本では1954年公開。

ジュディ・ガーランドのミュージカル映画で、出世作だったよう。
オズの世界を再現した色鮮やかなセットは大がかり。
ミュージカル映画、子どもが見ても楽しめる。
現実世界はセピア色の映像、オズ王国なシーンはカラー映像。

カカシは脳を、ブリキの木こりは心を、ライオンは勇気を手に入れるために、ドロシーの仲間となるが、この3人は、最後のクライマックスに冒頭に出ていた牧場の使用人たちと同じ演者だという面白い演出。

テリア犬のトトは、賢い犬でうまく演技していてかわいらしい。マンチキンの小人たちは小人症のひとたちが演じている。

2023/01/16

2023/01/16

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 


「虹の彼方に」

初めての鑑賞。名曲「虹の彼方に」を歌うジュディ・ガーランドの映像に感動。当時としては見事な特殊技術撮影を堪能したが、やや悪夢的で日本人の感覚に合わないのではないか。ブリキ男他頑張っているが、それ以上にワンちゃんが好演。

2022/06/14

80点

その他/U-Next 
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いつ観ても楽しい

20年前に、話のタネ、程度の気持ちで観て、予想外に楽しかった。そのときの気分を失うかも、と、少々怖かったが、今回もとても楽しかった。
ジュディガーランドがライザミネリの母と知ったのは、先日のアカデミー賞授賞式についての記事。言われてみれば、面差しが似ている。これも嬉しい発見。

2022/01/16

2022/01/16

78点

購入 
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初見である

2022年1月16日に鑑賞。DVDにて。1時間41分39秒。スタンダード・テクニカラー。開巻とラストは、セピア色カラーである。本DVDのカラーはそれほど悪くはない。VICTOR FLEMING PRODUCTION=MGM映画。正確な原題は「The Wizard of Oz」である。

画面では、製作:Mervyn Leroy、監督:Victor Fleming、脚本:Noel Langley、Florence Ryerson、Edgar Allan Woolf、脚色:Noel Langley、原作:L. Frank Baum、作詞:E. Y. Harburg、作曲:Harold Arlen、編曲:Herbert Stothart、撮影:Harold Rosson である。

主要な歌曲は全9曲である。1曲目のドロシーが歌う『♬ Somewhere Over the Rainbow Sky's all Blue 青い鳥が虹を越えるなら、私にもきっとできるはず どこかへ行きたい~』もっと、ジュディ・ガーランドの独唱が聴けると思ったがそうではない。独唱はこの1曲だけ。他の8曲中5曲はジュディ・ガーランドも歌うが独唱ではない。

「初恋合戦」(1938)のジュディ・ガーランド(15-16歳)の独唱は素晴らしい。必見です。本作のジュディは、16-17歳である。

なかなか示唆に富んだ映画である。

ラストの「オズの大魔王」こと「パー・アデュア・アトアルタ」(は、開巻の占い師マーヴェル教授と同じ俳優 Frank Morgan)が言う。カカシへ「君には証しが足りないだけだ。プルリバス・ウーナム大学の学長代理として君に卒業証書を授与しよう。THD(思想学博士)の学位を与える」。ライオンへ「危険から逃げるのは、意気地なしとは限らん。勇気と理性を混同している。メダル(十字勲章)をあげよう。魔女退治の君はとても勇敢だった。君は英雄の仲間入りだ」ブリキ男へ「心があればつらい思いをする。善いことをする人は、心の広い人と呼ばれる。君の暖かい心を讃える。感謝の気持を上げよう。★どれだけ人を愛するのじゃなくて、愛されるのが大事だ」→これは、どうでしょう。異論があるでしょう。ハート型の時計をブリキ男のあげる。カチカチ(=心臓)の音がする。

北の魔女グリンダ(Bille Burke)「自力で帰れるわ。彼女自身が考える必要があるわ」ドロシー「私が一番手に入れたいものは、おうちにある。近すぎて・・・」北の魔女「その靴(ドロシーの竜巻で巻き上げられた家の下敷きで死んだ東の魔女のルビーの赤い靴)が連れて行ってくれるわ。目を閉じて踵を3回打ち鳴らす」ドロシー「There's no place like home.」

ラストのドロシー「魔法の国へ行ってたの。皆が大好きだから、もうどこへも行かないわ」→これも異論があるでしょう。

農園の使用人たち、ハンク(Ray Bolger)がカカシ男、ヒックリー(Jack Haley)はブリキ男、ジーク Zeke(Bert Lahr)がライオン(頭に赤いリボンをつけている)、地主のミス・ガルチ(Margaret Hamilton)が西の魔女である。オズ国のマンチキン市の The Munchkins は 「The Singer Midgets」 とある。マンチキンたちは、少年少女たちもいる。

『千里眼マーヴェル教授 ヨーロッパの王族もご用達 Professor Marvel The Crowned Heads of Europe Let him read your Past-Present and Future in his crystal 』馬と馬車、焚火のソーセージを犬トトが食べる。

西の魔女の城への看板『HAUNTED FOREST WITCHES CASTLE 1MILE 』『Y'D TURN BACK IF I WERE YOU』

一番面白いのは、西の魔女がホウキにまたがってエメラルド市の上空で描く黒い煙文字『SURRENDER DOROTHY』

2021/06/19

2021/06/19

60点

その他/NHK BS4K 
字幕


DVD売らなきゃよかった

4K映像は素晴らしく美しい。子供達に見せたDVD、売ってしまったので確認できないのだが、初めと終わりのカンザスシーンはモノクロでなくセピアだった。
「虹の彼方に」のテーマが通奏低音のように映画全体に流れる。メロディが短調になったり、前奏だけが何度も繰り返されたり。終盤、悪い魔女との対決では『禿山の一夜』まで流れる。
この映画、「桃太郎」の流れを汲みつつ、「桃太郎」のように昔話の古典として様々な物語の源流になったのではないか?ドロシーの愛犬トトはまるで《クレヨンしんちゃん》のシロである。悪い魔女の城や小鬼はディズニーの《眠れる森の美女》に受け継がれている。
3人のドロシーのお供、頭のないカカシ、心のないブリキ男、勇気のないライオンはメイクが絶妙で幼児なら怖がるかも。ただ彼らの求める頭、心、勇気というのは60年以上生きてきた老人には、なんか切なくなるような説得力がある。これはまさしく古典です。

ただ最後のドロシーの結論、『我が家ほどいいものはない』というのは大戦に参戦しない1939年当時のアメリカの代弁なのかな?とも感じた。