<くにづか月イチ上映会>の上映作品。
「その男ゾルバ」や、テオ・アンゲロプロス作品の他、あまり上映の機会が少ないギリシャ映画。
一つの橋が他の地域との生命線となっている村で、横暴な占領軍の兵士が何者かに射殺される。軍は、犯人を見つけて差し出さなければ誰一人橋を通さず、通ろうとすれば射殺するという。交渉のために橋まで行った村長は射殺され、少年たちによる叛乱もすぐに鎮圧されてしまう。人の心を持たない兵士たちの人間性を目覚めさせるべく村の男たちは一人また一人と無抵抗のまま橋まで行き射殺されてしまう…
人間性を持ち合わせない人間には何をしても無駄と思わせる絶望感に支配されている上に、ラストは彼らの信念も無駄だったと思わせる無慈悲な結末。ただ、その不毛さこそが戦争の実態だというメッセージは明確である。