虐殺の橋

ぎゃくさつのはし|Poliorkia|----

虐殺の橋

レビューの数

1

平均評点

65.0(1人)

観たひと

1

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 ギリシャ
製作年 1962
公開年月日 1965/4/3
上映時間
製作会社 コスタス・カラヤニス・フィルム・プロ
配給 ニック映画=三映フィルム
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「太陽のはらわた」のクロード・ベルナール・オーベルとクロード・アキュルシの脚本をクロード・ベルナール・オーベルが監督した戦争映画。撮影はジャン・コロンとディノス・カツリディス、音楽は「フレンチ・スタイルで」のジョゼフ・コスマとバジル・チッツァニスが担当した。出演は「日曜はダメよ」のティトス・バンディス、タノス・カネリス、アレカ・パイジィなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

一九一〇年代、ギリシャの小さな村プラクソスは平和な日日が続いていた。ある日近くを通りかかった占領軍の騎兵が橋の傍で銃殺された。騎兵隊長は犯人を逮捕するまで誰も橋を渡ってはならぬと言った。宣言を無視した者は次々と殺されていった。宿屋の主人クロビディスは犯人捜しにのり出し、アテネから来た学校教師ステリオス(ティトス・バンディス)に目をつけた。彼は、かつて占領車から死刑を宣告され脱走した男で、今は偽名を使っていた。橋の遮断が続けば村人たちは餓死する。バシリスという老人が自首し、銃殺された。彼はステリオスを犯人と信じ、彼をかばって自首したのだ。村は平和になったかにみえたが、橋を渡った司祭が倒れた。食糧を探しに橋を渡ったステリオスの息子コスタスは山の中でタッソというレジスタントに会った。彼こそ騎兵を狙撃した犯人だったが、平和を守る彼の行動に勇気づけられ、仲間を集めて敵へ反撃を加えた。村は戦場となり、コスタスの恋人ミルトは兵隊に犯された。村人たちは相談の結果、どうせ死ぬなら一人ずつ橋を渡り、暴力を使わず敵に抵抗することにした。ステリオスを始め、次々と村人が橋の上で殺されていった。コスタスとミルトは二人だけの結婚式をあげ、死の橋を渡り始めた。銃声は起らなかった。戦争は一週間も前に終っていたのだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1965年5月下旬号

外国映画紹介:虐殺の橋

1965年5月上旬号

外国映画批評:虐殺の橋

2019/11/09

2019/11/10

65点

映画館/兵庫県/神戸映画資料館 


戦争の不毛さを描く。

ネタバレ

<くにづか月イチ上映会>の上映作品。

「その男ゾルバ」や、テオ・アンゲロプロス作品の他、あまり上映の機会が少ないギリシャ映画。

一つの橋が他の地域との生命線となっている村で、横暴な占領軍の兵士が何者かに射殺される。軍は、犯人を見つけて差し出さなければ誰一人橋を通さず、通ろうとすれば射殺するという。交渉のために橋まで行った村長は射殺され、少年たちによる叛乱もすぐに鎮圧されてしまう。人の心を持たない兵士たちの人間性を目覚めさせるべく村の男たちは一人また一人と無抵抗のまま橋まで行き射殺されてしまう…

人間性を持ち合わせない人間には何をしても無駄と思わせる絶望感に支配されている上に、ラストは彼らの信念も無駄だったと思わせる無慈悲な結末。ただ、その不毛さこそが戦争の実態だというメッセージは明確である。