5時から7時までのクレオ

ごじからしちじまでのくれお|Cleo de 5 a 7|----

5時から7時までのクレオ

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レビューの数

34

平均評点

72.7(151人)

観たひと

243

観たいひと

23

(C) agnes varda et enfants 1994

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
製作年 1961
公開年月日 1963/5/24
上映時間 90分
製作会社 ローマ・パリ・フィルム
配給 東和
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

新進女流監督アニエス・ヴァルダがみずから脚本を書き演出した心理ドラマ。撮影はジャン・ラビエ、音楽は「新・七つの大罪」のミシェル・ルグラン。出演者は新人女優コリンヌ・マルシャン、アントワーヌ・ブルセイユ、ミシェル・ルグラン、特別出演としてジャン・クロード・ブリアリ、サミー・フレー、ジャン・リュック・ゴダールなど。A・T・G第十二回上映作品。黒白・部分カラー・スタンダードサイズ。特集『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』にて2017年7月22日より再上映(配給:ザジフィルムズ)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

クレオ(コリンヌ・マルシャン)はブロンド髪の美しい娘。が、最近クレオは悩んでいる。体の具合が悪いのだ。もしガンだったら……と思うと、いてもたってもいられない。先日、彼女は病院で精密検査を受けた。結果の出るのは今日の夕刻。クレオはその時刻の来るのがこわかった。五時。クレオは女占師の前に腰をおろす。占師は彼女が病気であることを見透した。やっぱり……。絶望におそわれたクレオはアパートに帰った。恋人ジョゼがやって来た。彼はいつも忙がしい。一ばん親しいジョゼさえ病気を信じてくれない。クレオは今日ほど自分の孤独を感じたことはなかった。入れかわりに作曲家ボブ(ミシェル・ルグラン)がやって来た。が、陽気な彼さえも、いや誰も彼もがクレオの気持を理解してくれない。彼女は黒い服に着がえて街をさまよい歩いた。カフェでコーヒーをのみ、ジューク・ボックスでレコードを聞いてみるが淋しい。うす明りの公園はまったく人影がない。ひっそりとせせらぎの音に耳を傾けるクレオ……。突然、男の声を耳にした。軍服を着た若い男(アントワーヌ・ブルセイユ)だ。アルジェリアから休暇で帰ってきたその男は、その夜ふたたび戦線へ帰るという。クレオはこの男に親近感ををおぼえた。ともに死の可能性を近い将来に持っていることが二人の心を近づけたのだろうか。クレオは、自分がガンではないかと思っていることを話した。二人は病院までバスにのる。病院の構内。二人はばったり担当の医者に会う。宣告の一瞬。クレオはガンではなかった。二ヵ月も療養すれば治るというのだ。生きる喜びが体中にわき上った。それにクレオはもうひとりではない。今日、芽生えたこのささやかな愛が、きっと彼女の回復を早めるだろう。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年6月下旬号

外国映画批評:5時から7時までのクレオ

1963年6月上旬号

外国映画紹介:5時から7時までのクレオ

1963年5月下旬号

新作グラビア:5時から7時までのクレオ

旬報試写室:5時から7時までのクレオ

2022/01/29

2022/02/05

70点

VOD/U-NEXT/レンタル 
字幕


タイトルに冠した通り、ある日のクレオが過ごす5時から7時が描かれる。ガンの疑いがある彼女は気が気ではなく、カフェで泣き出したりショッピングを楽しんだり、行動に一貫性がなく情緒不安定。が、深刻なことに対する周りの楽観に苛立ったり、最終的にひとりで歩きたくなる気持ちは分かる気がする。そんな彼女と出会った、アルジェリアから休暇で戻っていた兵士。病と戦場という違いはあっても、死と隣り合わせであることに変わりはなく、互いの状況を理解し合うにはもってこい。始めのうちは彼が面倒臭い人に見えたものの、実際にはとても優しい人だった。このたったの2時間で、クレオの心境も大きく変化。なお、アンナ・カリーナとジャン=リュック・ゴダールが友情出演していて、ラブラブな二人がとても可愛い!

2022/01/15

2022/01/14

62点

選択しない 
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導き手

この時期のフランスは完成されている。

2021/12/26

2021/12/26

75点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
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なるほどこれがヌーベルバーグの女性監督か

ネタバレ

ヌーヴェルバーグというと、なんだか小難しい最先端を気取った何かを見せられたらどうしようと思ってしまうけど、リアルな若い女性の夢や不安を率直に描いた好感触の作品でした。

冒頭、タロットカードだけはカラーで、それ以外は白黒。検査結果を恐れて、頼みの綱のタロットカード以外はすべて灰色に見える彼女の心象風景。一番かわいいドレスを着てカフェでコーヒーを飲んだり、素敵な帽子を買いに行ったり。若い女子の感覚が自然に出ていて、やっぱりこういう作品は女性監督にしか撮れないなぁと思う。

クレオを演じてるコリンヌ・マルシャン、可愛いですね。同性からも親しみを持たれそうなベビーフェイス。そして彼女は人気歌手で、お付きの人や取り巻きに囲まれた、誰もが憧れるような境遇にあることがわかってきます。だけど死んでしまったらみんなおしまい。いつか死ぬ、という恐れは老若男女、美醜や豊かさや賢さを問わず誰もが持つもの。

最後にクレオはチャーミングな軍人さんと、いつか来るその日を見据えながら、今までよりも希望に満ちた時間を過ごすのかな。そういうのを幸せっていうんじゃない?という実感にたどりつけたようでした。見終わってみて、意外なほど満足感のある作品でした。もっと早く見ればよかった。

2021/11/06

2021/11/07

-点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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顔たちところどころ

ネタバレ

アニエス・ヴァルダ監督の遺作となった『顔たちところどころ』のあの感動の原点を見ることができる傑作。いわゆるヌーベルバーグの初期作品の中でも軍を抜いて美しい仕上がりとなっている映画だろう。この映画を見て連想したのが『シルビアのいる街で』だ。パリを背景にした美しい写真集のような映画は、この映画に影響されているような気がする。

(略)

自分はもしかしたら病気(癌)かもしれない、という心境の中で、2時間の診察結果を待つ時間をそのまま追い続けるという実験的な映画だ。主人公ので歌手のクレオには美しいコリーヌ・マルシャン。全編彼女の美しさが際立つ。そしてヴァルダ監督は主人公の表情を徹底的に追い続ける。女性監督の女性にたいする表情の捉え方は、まるで自分を被写体に投影するかのごときリアリティがある。その不安げな表情。そして出会う人によって夢を見るような表情。街の風景に戸惑わされるような表情など、あらゆる表情が示される。

遺作の『顔たちところどころ』は、ヴァルダ監督自身も登場して、フランス各地の人々の表情を捉える感動の映画だが、1962年に公開された映画では、パリという限定した環境のクレオの表情を追う。人物の表情こそがこの映画の見どころだ。

ミシェル・ルグランらと演奏するシーンはこの映画のハイライトともいえる不思議な感覚をもたらすシーンだ。まるで酔ったように歌い踊るシーンは絶望を忘れようとするようにも見て取れる。

わずか2時間の限定した環境で展開するドラマは、まるでワンカットで捉えたような錯覚を覚える。『1917 命をかけた伝令』や『カメラを止めるな』や『バードマン』などにも影響したと思しき手法だが、この映画の愛らしい部分と被写体の表情の見事さは他に類を見ないものだと思う。

2021/01/17

2021/01/17

70点

映画館/東京都/シネマブルースタジオ 
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そんなにネガティブにならないでネ

【レビュー】
些細なことで、心をネガティブに持たないで、もっと自分を大切にそして、ポジティブに生きてこそ明日が輝く事を訴求した作品。たった、2時間の話だが、何処にでも、誰にでも永い人生の中で巡り合う事象を赤裸々に描いている。
1961年のパリの街並みとクレオに扮したコリンヌ・マルシャンの容姿、ヘアースタイルが妙に輝いていたのは、言うまでもない。
【あらすじ】
ポップシンガーのフロランス・クレオは2時間後の7時にガンの精密検査結果を聞くまでの間に、カード占い師に視てもらうと不吉な予告を受け、更に手相占いも視てもらうが同様であった。クレオが占いの部屋を後にすると、占い師は癌と読み取っていたのだった。
落ち込んだクレオはマネージャーらしき女性アンジェリーナとカフェに入り、店員や周りの男に不安な心情を吐露するのだった。二人は、カフェを出てから気分転換で黒色の冬物の帽子を買うだが、アンジェリーナがクレオの事を気遣って帽子のことに色々とフォローするが、クレオにはまったく何の足しにもならないのだった。タクシーに乗った二人は、運転手に当たりながらも自宅に戻るのだった。そこに、恋人が訪ねてきたのだが、落ち込んでいるクレオはつれない態度をするのだった。
そして、クレオは再び街を彷徨うのだった。歩いていると殺人現場に出くわしたり、手鏡を落として割ってしまい不吉な予兆と言い出したり、手動の動画を観ると不安感が増幅されたり、友達に会うが何の手助けにもならなかった。そして、その友達と別れた後、一人で天文台のある公園で歩いていると一時帰休の兵隊から声を掛けられて、最初は迷惑そうに振舞っていたクレオが、次第に打ち解けていき、クレオがガン検査の事を話すと、二人で路線バスに乗り、病院に向かうのだった。病院の案内所でクレオは結果を知らせてくれる担当の医者が不在と言われ困惑し、院内をあの帰休兵と散策していると、目当ての医師が車でクレオに駆け寄り『放射線治療をすれば,必ず治る』と話すのだった。それを聞いたクレオは、帰休兵と歩きながら、生きてける悦びを噛みしめるのだった。

2021/01/12

2021/01/16

60点

映画館/東京都/シネマブルースタジオ 
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恋愛こそすべて

癌への不安、戦争への不安。どちらも同じ様に彷徨う。同系列として描く感覚が面白い。片方に不安が無くなった途端に恋に落ちる。片方の不安はまだ残るが、アタシは不安から逃れた。個人主義と恋愛至上主義。嗚呼、フランス人って素敵。