【レビュー】
些細なことで、心をネガティブに持たないで、もっと自分を大切にそして、ポジティブに生きてこそ明日が輝く事を訴求した作品。たった、2時間の話だが、何処にでも、誰にでも永い人生の中で巡り合う事象を赤裸々に描いている。
1961年のパリの街並みとクレオに扮したコリンヌ・マルシャンの容姿、ヘアースタイルが妙に輝いていたのは、言うまでもない。
【あらすじ】
ポップシンガーのフロランス・クレオは2時間後の7時にガンの精密検査結果を聞くまでの間に、カード占い師に視てもらうと不吉な予告を受け、更に手相占いも視てもらうが同様であった。クレオが占いの部屋を後にすると、占い師は癌と読み取っていたのだった。
落ち込んだクレオはマネージャーらしき女性アンジェリーナとカフェに入り、店員や周りの男に不安な心情を吐露するのだった。二人は、カフェを出てから気分転換で黒色の冬物の帽子を買うだが、アンジェリーナがクレオの事を気遣って帽子のことに色々とフォローするが、クレオにはまったく何の足しにもならないのだった。タクシーに乗った二人は、運転手に当たりながらも自宅に戻るのだった。そこに、恋人が訪ねてきたのだが、落ち込んでいるクレオはつれない態度をするのだった。
そして、クレオは再び街を彷徨うのだった。歩いていると殺人現場に出くわしたり、手鏡を落として割ってしまい不吉な予兆と言い出したり、手動の動画を観ると不安感が増幅されたり、友達に会うが何の手助けにもならなかった。そして、その友達と別れた後、一人で天文台のある公園で歩いていると一時帰休の兵隊から声を掛けられて、最初は迷惑そうに振舞っていたクレオが、次第に打ち解けていき、クレオがガン検査の事を話すと、二人で路線バスに乗り、病院に向かうのだった。病院の案内所でクレオは結果を知らせてくれる担当の医者が不在と言われ困惑し、院内をあの帰休兵と散策していると、目当ての医師が車でクレオに駆け寄り『放射線治療をすれば,必ず治る』と話すのだった。それを聞いたクレオは、帰休兵と歩きながら、生きてける悦びを噛みしめるのだった。