アラビアのロレンス

あらびあのろれんす|Lawrence of Arabia|Lawrence of Arabia

アラビアのロレンス

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レビューの数

101

平均評点

81.2(571人)

観たひと

901

観たいひと

99

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 歴史劇
製作国 イギリス
製作年 1962
公開年月日 1963/2/14
上映時間 207分
製作会社 サム・スピーゲル=デイヴィッド・リーン・プロ
配給 コロムビア
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 70mmワイド(1.2.20)
上映フォーマット 70mm
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

T・E・ロレンス自伝『知恵の七柱』からロバート・ボルトが脚色し、「戦場にかける橋」のデイヴィッド・リーンが監督した七〇ミリスペクタクル。撮影はフレデリック・A・ヤング、音楽はモーリス・ジャール。出演者は舞台俳優のピーター・オトゥール、「戦艦デファイアント号の反乱」のアレック・ギネス、「バラバ」のアンソニー・クイン・「紳士同盟」のジャック・ホーキンス、「カサブランカ」のクロード・レインズ、ホセ・フェラー、アーサー・ケネディ、アンソニー・クェイルなど。製作はサム・スピーゲル。テクニカラー・スーパーパナピジョン七〇ミリ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

一九一六年、英国陸軍カイロ司令部に勤務中のロレンス少尉(ピーター・オトゥール)は、三ヵ月の欠勤許可をもらった。理由は、現在トルコに対して反乱を起しつつあるアラブ民族の情勢を確かめることにあった。早速ロレンスは灼熱の砂漠の中を反乱軍の指揮者フェイサル王子(アレック・ギネス)の陣営に旅立ったが、途中、同じ民族が血を流しあうのを見て愛想をつかし、ハリス族首長アリの案内申し出を断った。陣営近くで英軍の連絡将校ブライトン大佐(アンソニー・クェイル)に逢ったが、陣営につくや突如トルコ空軍の爆撃を受けた。そこでロレンスは近代武力の前に暴露されたアラブ反乱軍の無力さをまざまざと見せつけられた。ブライトン大佐は彼らに英軍の武器による指導と訓練を提案したが、ロレンスはゲリラ戦を主張した。つまり、トルコ軍の重要地点アカバの反対側にいるアウダ(アンソニー・クイン)を首長とするホウエイタット族と手を結び、背後から敵連絡網などを叩いて撹乱させるという作戦だった。日が経つにつれて、ロレンスの部隊は全く疲労し、ラクダも人も次々と砂の上に倒れて行った。ある夜、部隊全員がアウダの陣営に招待された。ロレンスとアリはアラブ民族の団結を説いたが、アウダは一笑に付すだけだった。が、アカバに秘宝があるという話を聞くと、彼はロレンスに助力を約した。補強された部隊が進撃中、ガシムがアウダの部下と争い相手を殺してしまった。“眼には眼を”という砂漠の掟により、ガシムを殺さねばならなかった。死を賭してまで救ったガシムだったが、ロレンスは引金を引いた。アカバでの戦いは苛烈をきわめた。燃えるものは全て焼き尽され、ロレンスが意識を回復したときにはトルコ兵の姿はなく、アウダが役にも立たない秘宝の箱を抱えているだけだった。ロレンスはアカバ攻略を告げるためカイロに向った。カイロに着くと司令官が変りアレンビー将軍(ジャック・ホーキンス)になっていた。ロレンスは、新たな任務を与えられた。ゲリラ戦の指導者である。何回目かの鉄道爆破のとき、部下のファラジが重傷を負った。ロレンスは秘密のもれるのを恐れ、その場で射殺した。エルサレムに行ったロレンスは、すでに英仏両国間にアラブとトルコの土地を二等分するというサイクス=ピコット条約が結ばれているのを知り愕然とした。が、ロレンスのゲリラ部隊は再編成され、アリもアウダも参加していた。部隊がロレンス支持者の集落へ来たとき、すでに集落はトルコ軍の襲撃を受け燃え上り眼前に悲惨な光景が待っていた。怒ったロレンスはトルコ兵を最後の一人までも追って殺害した。種族間の争いが起り、アウダは部下を連れ砂漠へ帰り、アリは政治の勉強のためダマスカスに残ると言った。その時ロレンスはトルコの病院に忘れられている二百人の重傷者のことに心がおよんだ。彼はアラビア人の服をまとうと病院へ向った。だが、服装で誤解した英国の軍医に、彼こそこの惨状を引き起したアラビア人の張本人だと平手打ちを食わされた。アレンビー将軍の司令部でも、やがてシリアの王となるフェイサルにとっても、ロレンスは無用の者となりつつあった。彼は態のいい追放を受けた。その時はじめて彼の心に孤独感がしみわたった。大佐への進級と、英国への帰還船に個室が用意されたことだけが、ロレンスの砂漠での功績に対する感謝の印だった。軍用乗用車でダマスカスを発ったロレンスは、窓外に顔なじみを探したが、誰一人として彼に気づく者はいなかった。ロレンスを覚えているのは荒漠たる砂漠の広がりだけかも知れなかった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2012年12月上旬号

MOVIE at HOME お家でDVD & Blu-Layを:DVDコレクション 「アラビアのロレンス 製作50周年記念HDデジタル・リマスター版」

2010年9月下旬号

午前十時の映画祭:「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」

2009年1月上旬新春号

甦る「アラビアのロレンス」:「アラビアのロレンス」とデイヴィッド・リーン

甦る「アラビアのロレンス」:デイヴィッド・リーンの言葉

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甦る「アラビアのロレンス」:大阪ヨーロッパ映画祭ルポ

2001年9月下旬号

キネ旬DVDコレクション:「アラビアのロレンス[完全版]」デラックス・コレクターズ・エディション

1995年2月上旬号

グラビア 《Coming New Pictures]》:アラビアのロレンス

1963年3月下旬号

外国映画批評:アラビアのロレンス

1963年3月上旬増大号

外国映画紹介:アラビアのロレンス

1963年2月下旬号

「アラビアのロレンス」研究:

シナリオ:アラビアのロレンス

1962年11月下旬号

新作グラビア:アラビアのロレンス

2024/02/22

86点

選択しない 


Nothing is writtenの栄光と挫折

実在した英国の情報将校、トーマス・エドワード・ロレンスを中心として第一次大戦下におけるアラブ独立闘争を壮大なスケールで描き出し今日における「アラビアのロレンス」のイメージを決定づけた超大作。本作はロレンスを一貫してアラブ独立闘争のために身を賭した人物として描く一方で、ロレンスが「何を成し得たか」ではなく、むしろ「何を成し得なかったか」に焦点を当てている。本作は劇中前半でロレンスに「Nothing is written(運命はない)」という台詞を言わせているが、やがてその信念は劇中後半においてロレンス自身から湧き上がる倒錯的な欲望によって自壊していくことになる。

「Nothing is written」。そう信じるために人は時に「外部」を必要とする。そしてロレンスはアラブの灼熱の砂漠の中に「外部」を求めた。しかしながらロレンスにとって砂漠とは「Nothing is written」という幻想を生む舞台にすぎず、結局のところ彼は砂漠の現実に触れることはできなかった。この点、本作で砂漠の現実を体現する存在が後にロレンスの盟友となるハリト族の首長アリである。当初、アリは他所者であるロレンスに懐疑的であったが、やがて「Nothing is written」というロレンスの行動力と人間性に惚れ込み、アカバ攻略からダマスカス制圧に至るまで終始彼を支えるパートナーとなる。けれどもロレンスはアリが体現する砂漠の現実から芽吹き始めた肯定的な可能性から目を逸らし続けていた。果たしてダマスカス制圧後、アラブ統一国家を目指し「ここに残って政治の勉強をする」というアリに対してロレンスは「政治などきたない」と返すのであった。

砂漠の現実を生きるアリにとって砂漠とはいつか豊かな水と緑を回復すべき「内部」であった。しかし砂漠に幻想を求めたロレンスにとって砂漠とは徹頭徹尾「Nothing is written」という信念を実践するための「外部」でしかなかった。それゆえに彼の中で「Nothing is written」という信念が挫折した時、その幻想としての「外部」もまた、失墜することになるのであった。

2023/06/02

2023/06/03

80点

その他/TSUTAYA DISCAS 
字幕


パレスチナ

NHKの映像の世紀 バタフライエフェクトの2022/6/20放送「砂漠の英雄と百年の悲劇」の録画を見て、本映画を再度見た。
古来パレスチナは、アラブ人とユダヤ人が共存して暮らす場所だった。そこに対立の火種を持ち込んだのは、イギリスだった。両民族に独立国家建設を約束したのだ。イギリスの情報将校ロレンスは、第一次世界大戦中にオスマン帝国に潜入、アラブ民族独立をあおり、オスマン帝国打倒をもちかけた。しかし一方でイギリスはユダヤ人にも同じ約束をしていた。百年前のひとりの英雄の裏切りから始まる、憎しみの連鎖の物語である。
上記が番組の骨子。ロレンスはアラブ人側で戦った将校であり、ダマスカス攻略後にアラブ国民会議を立ち上げるがアラブ人の部族抗争で中々思うように行かなく挫折、心を病み国に帰る。映画はここで終わるが、イギリス本国はアラブ人にも、ユダヤ人にもトルコに勝利した暁には、その地の国を作ることを約束するとの二重手形を出していたということ。それが現在もイスラエル・パレスチナ問題が解決しないままである。
パレスチナの油田が今後重要であるとの利権を狙った大国のエゴであった。

2023/05/21

2023/05/23

65点

VOD/NETFLIX/レンタル/スマホ 


史実に基づいているからなのか…

言うほど興奮しなかった🤔

2023/01/17

2023/01/19

90点

VOD/NETFLIX 
吹替


今作が名作の基準

主人公の葛藤が時代を問わず観客に刺さるので、いつの時代でも成立する作品
文句のない名作

2021/12/24

2021/12/24

83点

VOD/NETFLIX/レンタル/テレビ 


壮大なスケールの大作

荒々しいアラブのたくさんの部族をまとめた、実在の人物ロレンス。カリスマ性を持った振る舞いから、生々しい人間らしい弱さ。アラブを束ね、人間的にも成長を遂げるさまを描いた大作。

1976/03/07

2021/10/16

75点

映画館/宮城県 
字幕


砂漠に惹かれるのはきれいだから

話は、イギリス軍のローレンスが、トルコを撃退し、中近東に進出したということだが、ローレンスは、イギリス軍に体よく利用されたのだと思う。砂漠のシーンがとにかく美しい。ローレンスが新聞記者のインタビューで言う「私が砂漠に惹かれるのは、きれいだから」が印象的。