ローマで夜だった

ろーまでよるだった|Era Notte a Roma|----

ローマで夜だった

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レビューの数

2

平均評点

75.4(21人)

観たひと

31

観たいひと

8

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 イタリア
製作年 1960
公開年月日 1961/4/29
上映時間 135分
製作会社 インターナショナル・ゴールデンスター
配給 イタリフィルム
レイティング
カラー モノクロ/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ロベレ将軍」につぐロベルト・ロッセリーニ監督作。セルジオ・アミディの原案をアミディ自身とディエゴ・ファブリ、ブルネロ・ロンディ、ロベルト・ロッセリーニが共同で脚色。撮影担当は「ロベレ将軍」のカルロ・カルリーニである。音楽を受けもったのはレンツォ・ロッセリーニ。出演するのは「ロベレ将軍」のジョヴァンナ・ラリ、英国俳優レオ・ゲン、「人間の運命」のソ連俳優セルゲイ・ボンダルチュク、「ロベレ将軍」のハンネス・メッセマー、「若者のすべて」のレナート・サルヴァトーリなどの国際的俳優陣。製作フランコ・マグリ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

第二次大戦下の一九四三年、修道尼に変装して闇商売をやっているローマ娘エスペリア(ジョヴァンナ・ラリ)は買出しの途中、収容所を脱出した連合国側の三人の捕虜--英陸軍少佐ペンバートン(レオ・ゲン)、米空軍中尉チャールス(ピーター・ボールドウィン)、ソ連戦車隊軍曹イヴァン(セルゲイ・ボンダルチュク)と会い、窮状を見かねて自分の家の屋根裏部屋に隠した。数週間後の九月十日、ローマはナチに占領された。そしてある晩、抵抗運動をしていたエスペリアの婚約者レナート(レナート・サルヴァトーリ)らの秘密の爆弾工場が手入れを受け、彼とエスペリアは捕えられ、イヴァンが射殺された。屋根裏部屋に潜むペンバートンとチャールスは屋根づたいに逃れ、運よく隣りの貴族の息子アウグストの屋敷にかくまわれた。しかしここにもドイツの秘密警察の手がのび、二人は近くの修道院にもぐり込んだ。レナート銃殺の報が伝わってきた。年が明けその一月、連合軍はローマの南方アンツィオに上陸。チャールスは連合軍に合流するためペンバートンをおいて修道院を出た。一方、エスペリアは釈放されたが、家財はナチの家宅捜索で破壊され、彼女の心にも深い苦悩がしみこんでいた。エスペリアの釈放を知ったペンバートンは修道院長を通じて教会で彼女と会った。その途中、エスペリアはレナートの友人だったビッコの男に尾行されていることに気づき、そのことをペンバートンに告げた。その夜、ビッコの案内でファシストたちが修道院を襲撃、修道士まで逮補した。ペンバートンは屋根づたいに再びエスペリアの家に逃げた。二人はビッコが密告者であることを知った。事件後、ビッコがエスペリアを訪れ、一緒に北イタリアへ逃げようと誘った。ドアの陰にひそんでいたペンバートンは二人の前に躍り出て憎むべき密告者に復讐した。六月四日、ついに連合車がローマに入城した。ペンバートンは直ちに友軍に合流しなければならない。エスペリアは一人残された。彼女にとって永久に明けることのない夜の中に--。

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1961年5月下旬号

外国映画批評:ローマで夜だった

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1961年3月上旬号

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2021/11/28

50点

選択しない 


前半は温かい人間ドラマだが定番の戦争悲劇の後半がつまらない

 原題"Era Notte a Roma"で、邦題の意。
 1943年のイタリア降伏後が舞台で、北部の捕虜収容所を脱走した連合国兵士3人が、無防備都市宣言下のローマ、ポンテ地区の家を隠れ家に連合軍の救出を待つという物語。
 隠れ家を提供するのはヤミ屋の娘エスペリア(ジョバンナ・ラッリ)で、農家から小麦や食用油を手に入れるのと交換に兵士3人を預かるが、ローマを占拠するドイツ軍に知れれば銃殺と知って3人を追い出しにかかる。
 ところが婚約者のレナート(レナート・サルヴァトーリ)はレジスタンスの協力者で、3人をクリスマスまで預かり、別の隠れ家に移送しようとする。
 3人はイギリス兵(レオ・ゲン)、アメリカ兵(ピーター・ボールドウィン)、ロシア兵(セルゲイ・ボンダルチュク)で、言葉の通じない5人が必死に意志を交わそうとする姿が可笑しいが、同時に友情を深めていき、別れの日には離れがたい気持ちになっているのが本作最大の見せ場。立場や国、人種こそ違っても互いに理解し合えるという普遍的人間愛が温かい気持ちにさせる。
 もっとも感動的なのはここまでで、ドイツ軍に見つかって追われる展開になると、レジスタンスが逮捕され、ロシア兵が死に、レナートが殺されるという定番の悲劇となり、イギリス兵とエスペリアが密告者の元司祭への復讐を果たす中、連合軍のローマ入城でfinとなる。
 中盤までは、打算的だが人の好いイタリア人ばかりだったのが、密告者の元司祭だとか、エスペリアがレナートを助けるためにドイツ軍に協力したとか、急に戦争下での人間の醜さに焦点が移り、普通の戦争映画になってしまう。語り部であるイギリス兵が、逃げ回るだけの受け身で観察者でしかないのが、とりわけ後半をつまらなくしている。
 イタリア人は風向き次第でファシストにも反ファシストにもなると言いながら、カトリックだから本質は善良で、教会はレジスタンスを匿う神の代理と、妙にカトリック教会寄りなのが鼻につく。
 ロシア兵を演じるセルゲイ・ボンダルチュクは『戦争と平和』(1965~7)の監督。(キネ旬8位)

2000年代

2019/04/25

65点

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ソリッドな美しさ

ネタバレ

逃亡の果てのショッキングな顛末から滲む悲痛な余韻をはじめ、「戦争と平和」の監督として馴染みの深いS・ボンダルチュクのこなれた演技や、登場するだけで画面をキュッと引き締めるG・ラッリのソリッドな美しさが印象に残る。ちなみに、タイトル通り夜のシーンが多い本作だけど、肝心の暗闇のシーンの内容把握すらままならない劣化した画質状態に5点減点とした。