太陽がいっぱい

たいようがいっぱい|Plein Soleil|Purple Noon

太陽がいっぱい

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レビューの数

141

平均評点

81.7(723人)

観たひと

1113

観たいひと

104

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 フランス イタリア
製作年 1960
公開年月日 1960/6/11
上映時間 118分
製作会社 ロベール・エ・レイモン・アキム・プロ=パニタリア
配給 新外映
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ルネ・クレマンの「海の壁」以来の映画。アラン・ドロンが“天使の顔をした悪人”を演じるサスペンス・ドラマ。英国の女流作家パトリシア・ハイスミスの探偵小説『才人リプレイ君』から、「二重の鍵」のポール・ジェゴフとクレマン自身が脚本・台詞を書いた。撮影も「二重の鍵」のアンリ・ドカエ。音楽は「戦争 はだかの兵隊」のニーノ・ロータ。出演はドロンのほか、新星マリー・ラフォレ、「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネら。製作ロベール・アキムとレイモン・アキム。4Kレストア版が2019年6月28日より公開(配給:KADOKAWA)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

トム・リプレイ(アラン・ドロン)は貧乏なアメリカ青年だ。彼はナポリに、中学時代の友人で金持のドラ息子フィリップ(モーリス・ロネ)を、父親から五千ドルの約束で連れ戻しにきた。フィリップにはパリ生れのマルジェ(マリー・ラフォレ)という美しい婚約者がいた。ナポリから帰ると、フィリップの父から契約をやめる手紙が来ていた。フィリップが約束の手紙を出さなかったからだ。フィリップはトムを邪魔者扱いにしていた。友人のパーティーに向うヨットの上で、トムはますます彼からさげすまれた。裸でボートに放り出され、全身が火傷のように日焼けした。トムはフィリップに強い殺意を抱くようになった。まずマルジュとフィリップに大喧嘩をさせ、彼女が船から下ろすと、ついにフィリップを刺し殺した。死体はロープで縛り、海へ捨てた。陸へ上ると、彼はフィリップになりすました。ホテルに泊り、身分証明書を偽造し、サインを真似、声まで真似た。ヨットを売り払う交渉も、親元からの送金を引き出すこともうまくいった。ホテルにフィリップの叔母が訪ねてきたが、別の下宿に移って事なきを得た。しかし、新しい下宿にフィリップの友人が訪ねてきて、トムに対して疑惑をもったようだ。トムはその男を殺して死体を捨てた。やがて刑事が調べにきた。死体確認に友人たちが集った時、トムはマルジェにフィリップはモンシベロに戻ったと告げた。トムはその夜、モンジベロへ行き、遺書を書き、金をマルジェに残して、フィリップが自殺したようにみせかけた。そうして元のトムに戻った彼は、傷心のマルジェをいたわり、愛を告げた。彼女もついに彼を受け入れ、結婚の約束を交わした。全てがトムの思うままになったのだ。トムは幸福に酔って、浜辺に寝そべり、こうつぶやいた。「太陽がいっぱいだ」と・・・。しかしその時、フィリップのヨットが、引きあげられていた。スクリューにからまったロープの先からフィリップの死体が現われた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年8月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「太陽がいっぱい」

2010年5月上旬号

午前十時の映画祭:「天井桟敷の人々」「太陽がいっぱい」

1994年6月上旬号

グラビア:太陽がいっぱい

1963年3月下旬号

SB ニッポンの夜:30 太陽がいっぱいの北京曲技団

1960年7月下旬号

外国映画批評:太陽がいっぱい

1960年6月上旬号

ルネ・クレマンの新作「太陽がいっぱい」:

ルネ・クレマンの新作「太陽がいっぱい」:鮮やかなサスペンス・タッチ

外国映画紹介:太陽がいっぱい

2023/11/30

2023/11/30

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


美しい風景に繰り広げられるミステリードラマ。傲慢な富豪の息子。繊細な娘。出自の怪しい男。不均衡な三角関係が引き起こした完全犯罪?丹念に計算された構成の見事な映画。

2023/08/06

2023/08/06

-点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


早送りで鑑賞

我が家のCATVは音楽付きの早送りは出来ない。残念、しかしながら見ずに削除も辛い⁉️そうか、ラストシーンはリプリ-と呼ぶところで終わったのか‼️

2023/05/13

2023/05/13

100点

その他/NHK/BS4K 
字幕


ルネ・クレマン

10回目の鑑賞を、スタジオ・カナルの4Kレストア版=BS4Kで。
ここはスタジオ・カナルではなく、クライテリオン社でやって貰いたかった、そんな鑑賞後の印象だった。

今回の感想は、《殺人者は孤独だ》。
トムは殺しが実行された後、トム・リプレイとフィリップ・グリーンリーフの両方を演じ続ける。
トム・リプレイである時も、嘘で固められたトムを演じているわけで、もう彼の主体性はどこにもないような気がした。
トムがマルジュを手にしたのも、フィリップの金を手にする手段としてと考えると、彼は本当に彼女を愛しているのだろうかと訝しんでしまう。

殺しのシーン以後は、ドキュメンタリー・タッチが多くなる。
ヨット上では、荒波・風にバタバタとはためく帆、鐘の音が強調される。
魚市場でのシーン、
祭のシーン、
その他、深読み出来るモンタージュがたくさんある。
魚市場のシーンでは、ドロンは店員にウインクする。
すっかりセレブの気分。
後半は、完全犯罪を完成させる為の男を淡々と演じ続けるようにさえ見えた今日のアラン・ドロンであった。
幾つかのシーンでは眼光鋭いのだが、ボーッと虚無的な顔をしてるシーンも多い。
当然、演技指導だとは思うのだが。
フィリップにおべっかを使ってるトムの方が、笑顔を含めいろいろなドロンの表情を見れる。

マルジュとフィリップは婚約状態であったことが、後半、はっきりする。
ヨットの名前は《マルジュ》であった。

オープニング・デザインは、またまた「シャレード」「007」のモーリス・ビンダー。
60年代のオープニングは楽しい。

2023/03/27

2023/03/27

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


太陽光をいっぱいに浴びる

太陽光をいっぱいに浴びる最高の気分。

金持ちのドラ息子に嫉妬して洋上の殺人を犯す青年。
最後には、何故か目頭が熱くなるほど、若者の青春の醜さを感じた瞬間があった。
それも音楽のメロディが手伝ったということもあるだろう。

2023/02/27

2023/03/13

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


奇跡的な描写

◎ 5度目の鑑賞。何度観ても、ヨットの上での突然の犯行にはびっくりする。トムの中でどんどん堆積していった殺意が、限度を超えてあふれ出すその一瞬の描写が奇蹟だ。
◎ それにしても荒れる海に浮かぶ狭いヨットの上でのこの撮影に、果たしてどれだけの日時を費やしたのだろうか。想像もつかない。

2023/02/04

2023/02/04

81点

選択しない 
字幕


アラン=ドロンの代表作。思わず声を上げてしまうラストシーンの怖いことといったら!


冒頭のカフェでトムとフィリップの関係、フィリップがトムを便利屋のように使っていること、トムはフィリップの署名の偽造ができること、恋人マルジュを置いてイタリアに遊びに来ていて、知り合いはフレディしかいないこと、などが短いシーンの中で要領よく説明されます。その後、盲人をからかったり、バレエ教室を邪魔したりと、放蕩の限りをつくすフィリップと、トムに対して傍若無人にふるまうフィリップの様子が丹念に描かれます。こういう、トムに殺意が芽生える過程をじっくり描くことで、ストーリーにリアリティが加わってますね。とくに、小船に乗せて海に放り出す仕打ちは苛めそのもので、真っ赤に火傷したトムの背中を見れば、誰しも「これはひどい」と思わずにはいられないでしょう(^^;)

船上でフィリップを殺害し、異国であることをいいことにフィリップになりすますトム。パスポートの写真を張替え、サインもそっくりに書けるよう練習するなど、なかなかの知能犯ぶりです(^^;)

偶然、フィリップの知り合いとホテルの電話交換台ですれ違ったり、フレディが部屋を訪ねてきて、フィリップの服や靴を身につけているトムに不審の目をむけるあたりは見ていてハラハラドキドキ(^^;)

船のスクリューにからまったロープの先から、海に沈めたと思っていたフィリップの死体があがってくるラストシーンはまさに大どんでん返しといえる鮮やかなもので、ぐるぐるまきにされた中から手だけが見えているのが本当に怖いです(^^;)

よく考えられたストーリーだなあと思ったら、パトリシア=ハイスミスの原作でした。納得(^^;)それから、ニーノ=ロータの物悲しいメロディが繰り返し変奏されて効果的に使われています。それから、魚市場をうろつくシーンで、エイの顔がアップになった場面が妙に印象に残りました。