ヤコペッティの大残酷

やこぺってぃのだいざんこく|Mondo Candido|----

ヤコペッティの大残酷

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レビューの数

6

平均評点

61.6(31人)

観たひと

45

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 イタリア
製作年 1975
公開年月日 1975/4/26
上映時間
製作会社 ペルージャ・チネマトグラフィカ
配給 東和
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

素朴で無垢な青年カンディドが“すべてこの世は善である”という師の教えを信じながら愛する女を求めて旅するがそこに見たものは想像を絶する残酷であった、というボルテール原作の『カンディド』の映画化。監督は「ヤコペッティの残酷大陸」のグァルティエロ・ヤコペッティ、脚本はヤコペッティとフランコ・プロスペリ、クラウディオ・クァラントットの共同、撮影はジュゼッペ・ルゾリーニ、音楽はリズ・オルトラーニが各々担当。出演はクリストファー・ブラウン、ミシェル・ミラー、ジャック・エルラン、リチャード・ドンフィー、ホセ・クアリオ、ジャンフランコ・ダンジェロなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ウェストファリアのワンダー・テン・トロンクの城にカンディド(C・ブラウン)という青年がいた。その名のとおり純真で心やさしく、“すべてこの世はあり得る世界の中で最善である”と教える教師のパングロス博士(J・エルラン)の教えを心から信じていた。そして彼は城主の美しい娘クネゴンダ(M・ミラー)に想いを寄せていた。だがある日、その二人が草むらの中で抱きあっているところを目撃され、カンディドは城を追放されてしまう。故郷を追われた彼は、一度の食事とひきかえにブルガリア兵にさせられ戦争に狩出された。残虐な殺し合いの果てに傷つき、生死の境をさまようが、思いがけなくもパングロスに再会する。彼によれば、カンディドが去ったあと城は悪魔のような敵軍に襲われ、クネゴンダは百二十七回も犯された上、斬り殺されたという。そんな二人を待っていたのは、異端者を裁判にかける審問の場で、一たんは死刑を宣告されたものの何とかそこから逃れることが出来た。やがてカンディドは黒人奴隷のカカンボ(R・ドンフィー)と知り合い旅を続けるが、どこで聞きだしたか、カカンボはクネゴンダがこの近くにいるという。カカンボのいったことは本当だった。クネゴンダは相変わらず美しかったが四人の男たちの共同の所有物になっていた。絶望したカンディドはヨーロッパを離れ、アメリカに向かった。ニューヨーク。この巨大な街の象徴は摩天楼とコマーシャル・テレビだ。そこで盛大にくりひろげられるコロンブス・ディの祝典の模様を中継するテレビ・カメラのディレクターは何とパングロスだった。そしてクネゴンダは、「史上最高のオルガスムス」なるいかがわしいショウのヒロインとしてアメリカ中に名が知れていた。またしてもショックを受けたカンディドはカカンボと共に、血で血を洗う内乱の地アイルランドにやって来た。そこで彼は、イスラエルの女兵士募集のポスターの中にクネゴンダを発見した。だが、一足違いでクネゴンダはアラブの兵士と駆け落ちしたあとだった。カンディドが次に迷い込んだのは老人だけの異常な村だった。ここで出逢ったクネゴンダは年老いてみるも無残な有様だった。いったい何のために自分はこの残酷な人生を歩んできたのか。ここにも現われたパングロスは河に流れていく象徴を見ていう。象徴をつくり、流す。これが運命だ、と。河の向こう岸には新しいカンディドが、あのトロンクの城に向かって旅立とうとしている。「行くな、ろくなことはないぞ」。そのカンディドの言葉をカカンボがさえぎった。「行かせてやりなさい。何度でもくりかえす、それでいいのさ」。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1975年5月下旬号

外国映画紹介:ヤコペッティの大残酷

1975年4月下旬号

グラビア:「ヤコペッティの大残酷」ヤコペッティ・フィルモグラフィ

特集 「ヤコペッティの大残酷」:1 「ヤコペッティの大残酷」に見る真紅の法悦

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特集 「ヤコペッティの大残酷」:分析採録

2016/10/17

2016/10/22

66点

レンタル/大分県/TSUTAYA/TSUTAYA 光吉店/DVD 
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キャスティング
7
演技
6
キャラクター
8
台詞
7
脚本
8
演出
9
音楽
9
だって好きなんだもん加算点
12

2016/09/13

2016/09/13

70点

その他/レンタル、DVD 
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懐かしの映画、41年振りに見る。

 「スティングレイ」の発売で、レンタルされている。

公開時、試写会で見た。(その時は、相当量修正が入ったハズである。DVDは無修正。別に遠景でヘアーが写ってるだけの話だが。)
「もう少し面白かったハズだが・・。」というのが今日の感想だが、どうしようもないクソ映画という訳でもない。

主演のクネゴンダ、ミシェル・ミラーは綺麗な女優さんだし、稚気?あふれる演出は、微笑ましくもある。

中盤飽きた頃に、現代ニューヨークへ飛び、ツインタワーもカメラに収めてある。さらにはアイルランド闘争に首を突っ込み、果てはイスラエルの女兵士と、アラブの男たちの赤いケシ畑?でのスローモーション銃撃戦など、なかなか見せる。 
    世界の紛争=戦争の無意味さを表現したかったのだろうか。
 リズ・オルトラーニが流麗なメロディ。

 川の対岸に若い自分をを見るラストシーンは、不思議なタイムトラベルものを、綺麗に締めくくった。

  上等な映画とは、とても言えないが、まぁ見れる。

 

2016/04/15

2016/04/15

88点

レンタル/神奈川県/TSUTAYA 
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ヤコペッティという監督がただの見世物エログロ悪趣味だけの人ではなかったことがわかる作品。見直した。ホドロフスキーみたいなシュール感覚。文明批判というよりも、若者に対する賛歌みたいに思えた。好きですよ。

1975/06/13

2014/05/13

85点

映画館/栃木県 
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大残酷なんてタイトルは似合わない

 これはこれは めくるめくほどの楽しい映画であった。もっとも、モンド・カンディド(無垢の魂)の彷徨の末は、残酷な世界ばかりであった、という物語は切実には迫ってこない。ただ落書き風の様々なシーンが、それぞれに感動的でおもしろい。「大残酷」なんてタイトルは付けずに、ヤコペッティの「彷徨」あるいは「生きる」とでもした方が、よく似合っている。ラストはちょっと押しつけがましいが、ヤコペッティの心情が素直に出ていて、感動的だし、好感が持てる。
(約40年前の、25歳の僕の「映画青春日記」より転載。)

1975/04/10

2014/02/04

73点

その他/試写会、読売ホール 
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試写会で。

  ただで映画を見ると、どうしても期待度が下がる。
   つまらなかった時、「金返せ!」とは言えないからだ。
   「時間を返せ!」とは言うが、不可能だし、これこそ自己責任というヤツだ。

  そんな訳で本作も期待度はゼロ。
 当時未見の「世界残酷物語」のヤコペッティ監督の劇映画?  どんなもんでしょう?という気持ちで見にいった。

    現代部分の、政治情勢に首を突っ込まないならば、なんとか見れます。

1975/04/27

2013/07/16

60点

映画館/高知県 
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ヤコペッティの「モンド映画」は続く

1975年4月27日に鑑賞。高知・宝塚にて。前売700円。東和配給。当時、地方では2本立てで封切られていた。同時上映はユナイト映画配給の「ジャガーノート」。

「世界残酷物語」以来のヤコペッティの残酷趣味の「モンド映画」が大流行した。まだまだ、お金が稼げたのだろう。