荒野のドラゴン

こうやのどらごん|Shanghai Joe|----

荒野のドラゴン

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レビューの数

3

平均評点

57.3(11人)

観たひと

15

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 イタリア
製作年 1973
公開年月日 1974/5/4
上映時間
製作会社 イタリア映画
配給 東宝
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカの西部を舞台にしたイタリア製空手アクション。製作はレナート・アジョリーニ、ロベルト・ベッシ、監督はマリオ・カイアーノ、脚本はカルロ・A・アルフィエリ、マリオ・カイアーノ、T・F・カーテク、撮影はグリエルモ・マンコーリ、音楽はブルーノ・ニコライが各々担当。出演はチェン・リー、ピエトロ・ルッチ、カルラ・ロマネッティ、ミクリヤ・カツトシ、クラウス・キンスン、ロバート・ハンダーなど。テクニカラー、テクニスコープ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

凄腕の空手の名手ジョー(C・リー)は、テキサス行きの駅馬車にとび乗った。眼の前に開ける広大な西部の景観はジョーの心を踊らせたが、黄色い肌ゆえに白人たちの風当りは凄まじかった。巨大な岩と砂塵、吹き荒ぶ原野をさすらうジョーが出あったのは、この地方一帯に君臨する悪徳ボス、スペンサー(R・ハンダー)だった。一味は二十人あまりのメキシコ人を金で買い、殺しの標的にするゲームをやり始めたのだ。怒りにかられたジョーは彼らに素手で襲いかかり追い払った。ほとんど皆殺しにされていたが運よく一人の老人だけが助かった。医者を呼びにいったジョーはその帰り、スペンサーの手下に狙撃され、捕われの身となった。だが持前の空手技で難局を切り抜けた。スペンサーに命を狙われながら一人西部を行くジョーは一軒の廃屋に辿りついた。そこに若く美しいメキシコ娘が危険を告げにやってきた。娘はクリスチーナといい、ジョーが助けた老人の一人娘だった。その夜、廃屋で夜を過ごしていたジョーとクリスチーナはスペンサーにやとわれた殺し屋に襲われたがジョーの神技ともいうべき闘術で見事倒した。さらに数日後、クリスチーナが高熱を出し、ジョーは医者を求めて街へ出たが、ここでもスペンサー一味に命をつけ狙われた。酒場におびき寄せられたジョーは銃弾の雨を浴びたが、見事な跳躍で左右に身をかわし、並いるガンマンたちを次々に倒した。ジョーがようやくクリスチーナのもとに帰ると、また新たな敵が待ち構えていた。数本の鋭い大型ナイフを持ち、人を殺してはその頭髪を剥ぐという変質的な兇悪犯であるこの男はジョーの両足を射ち抜き、クリスチーナの美しい髪を切ろうとしたが、ジョーは強力な両腕の技でこの変質漢を地獄に送り込んだ。野宿を重ねながらジョーとクリスチーナはメキシコへの旅を続けていた。一方、街ではスペンサーが新たな殺し屋を雇い入れていた。それは、ジョーと同門の空手の名手ミクリヤ(ミクリヤ・カツトシ)で、かつて二人だけが師匠から免許を許されて以来宿命のライバルだったのだ。ジョーとミクリヤは村の中央にある広場で対決、互いに一歩もゆずらぬ鋭い技でしのぎをけずった。いずれが勝つか紙一重の息ずまった闘争は果てしなく続いたが、ついにジョーはミクリヤを倒した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1974年9月上旬号

外国映画紹介:荒野のドラゴン

2010年

2016/08/18

70点

購入 


日本人が主演した唯一のマカロニ・ウェスタン

マカロニ+カンフー
74年、ドラゴンブームのさ中に公開された「荒野のドラゴン」は、中国人のスゴ腕カンフー使い、上海ジョーが主人公。そしてこの上海ジョーを演じたのは、ローマで空手の道場を開いていた早川明心という名の日本人

つまり本作は、日本人が主演した唯一のマカロニ・ウェスタンとして、マカロニ史に名を残す作品なのです

カウボーイになるためサンフランシスコから西部に旅立った上海ジョー。彼の行く手に立ちはだかるのは、荒くれぞろいの荒野のガンマンたちと、白人からの手ひどい差別だった。

しかし、上海ジョーにとって過酷な運命はなんのその、次から次へと現れる拳銃使いやナイフ使いの強敵たちを、鍛え抜かれたカンフー(素手)で倒していく…

そんなジョーが最後に出会ったのは、ジョーと同門の空手の名手ミクリヤ(ミクリヤ・カツトシ)。(右端の写真を見てください。スゴイでしょう~)。火花が散るような死闘の末、ついにジョーはミクリヤを倒した

しかし、ジョーの闘いはまだ終わっていない。恋仲の美しいメキシコ娘を残して、ジョーは1人荒野に旅立つのだった…。THE END。
(ブルーノ・ニコライの主題曲がめちゃくちゃカッコいいです)

この作品の見どころはまず、主役の上海ジョー(クレジットはチェン・リー)を演じた早川明心さんです。66年頃に空手を広める為にヨーロッパへ渡って空手道場を開き、ローマで空手道場をしていた時に本作の出演依頼が来たそうです。後に日本に帰ったときに志穂美悦子主演の「帰って来た女必殺拳」にも出演しているそうです。

上海ジョーを狙う殺し屋役で、クラウス・キンスキー(すごい怪演です!)始め、ゴードン・ミッチェル、ピエロ・ルッリ、ロバート・ハンダ―など錚々たるマカロニ常連の俳優さんが出演していますが、彼らに一歩も引かず次々と倒して見劣りしない、早川明心さんの空手の技とルックスは大きな見どころです。美しいメキシコ娘とのキスシーンもある堂々の主役です

また、最後の決戦の相手、奇妙奇天烈なミクリヤ・カツトシも日本人で、マカロニウェスタンのクライマックスが日本人俳優同士の対決というのは、後にも先にもこれしかないのではないでしょうか。ワイヤーを多用したり、素手で心臓をくり抜いたり、だんだん何を見ているのかわからなくなってきますが(笑)、一見の価値があります!

また、ブルーノ・ニコライの疾走感ある音楽が素晴らしくカッコよくて、ミックス味のこの作品を、生粋のマカロニウェスタンたらしめています!!

ぜひ一度ご覧ください

2014/11/24

2014/11/24

50点

レンタル/DVD 
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人種差別に

ネタに困ったのか、当時流行りのクンフー映画を取りこんだ作品。いかにもイタリア娯楽映画のスピリットを感じさせる。今は作られていないのか、それとも日本に輸入されないのか、イタリアの完成度は期待できないけど、おもしろけりゃなんでもいいさ、という映画は見かけないですね。

時代考証、話の整合性など無視して受けそうなら何でも取り込もうというイタリア映画の精神って、香港映画に通じる。

したがってマカロニウェスタンとクンフーが合体するのは当然だったのかも知れない。

それにしても主人公にはつり合いの取れない美女を配しているあたり、マカロニウェスタン「五人の軍隊」のメンバーの中で村の娘に惚れられる丹波哲郎先生を彷彿するものである。

イタリア人は東洋人に対する差別観が低いのか・・・。

アメリカ映画だと黄色人種の男と白人の女のラブストーリーなんてグリフィスの「散りゆく花」で中国人の男と白人の少女の悲劇しか思いつかず、アメリカ人の白人には東洋のイエローモンキーが我が白人の女性を抱きしめキスするなんざ許せねぇとおもうんだろうな。

そうした視点から観ると、主人公が黄色人種だということで、この西部で馬鹿にされている描写も何か深いものがある・・・・わけないか。だってバカ映画なんだもん。最後に主人公と対決する
日中を掛け合わせた風貌の男に笑うか、脱力するか。

1974/06/09

2013/07/15

50点

映画館/高知県 
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カラテ・マカロニ・ウェスタン

1974年6月9日鑑賞。高知・東宝にて。現代映画=東宝配給。当時、地方では2本立てで封切られていた。同時上映は同じく東宝配給の「喜劇 だましの仁義」。

「燃えよドラゴン」の大ヒット以来、何でも「~ドラゴン」というカラテ映画(クンフーなんて言葉はまだない)が多数配給された。本作は、イタリア製の「カラテ」プラス「マカロニ・ウェスタン」という点が新しいのか、新しくないのか。