叫びとささやき

さけびとささやき|Viskningar Och Rop|----

叫びとささやき

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レビューの数

40

平均評点

75.4(165人)

観たひと

233

観たいひと

31

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 スウェーデン
製作年 1972
公開年月日 1974/1/19
上映時間
製作会社 スヴェンスク・フィルム
配給 東和
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

前世紀末のスウェーデンの大邸宅を舞台に、四人の女性たちの時間の流れの中で各人の心底にひそむ愛、孤独、性、死の断片をえぐる。監督は「ペルソナ」のイングマール・ベルイマン、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、編集はシブ・ラングレン、美術はマリク・ボスが各各担当。音楽はシャーリ・ラレテイ演奏のショパン作曲「マズルカ・イ短調/作品17-4」とピエール・フルニエ演奏のバッハ作曲「組曲第五番ハ短調よりサラバンド」を使用。なおこれはわが国で公開されたベルイマン作品の中で初めてのカラー作品。出演はイングリッド・チューリン、ハリエット・アンデルソン、リヴ・ウルマン、カリ・シルバン、ヨールイ・オーリン、ヘニング・モリッツェン、エルランド・ヨセフソン、アンデルス・エクなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

スウェーデンのある地方に“お城”と呼ばれる大邸宅があった。時は十九世紀から二十世紀に移る頃の秋である。広広とした屋敷には三七歳になるアグネス(H・アンデルソン)が、召使いのアンナ(K・シルバン)とともに、両親が死んで以来、ここに取り残されたようにひっそりと暮していた。彼女の人生に男性が現われたことは一度もなく、今は、病んでいた子宮ガンが急に悪化したためベッドに臥せていた。そのアグネスの見舞いに姉のカーリン(I・チューリン)と妹のマリア(L・ウルマン)が駈けつけてきた。カーリンは既に二十歳にならぬうちに二十歳年上の優秀な外交官フレドリック(G・オーリン)と結婚しており、五人の子供がいたが、結婚後すぐ自分の選択の失敗を悟っていた。子供たちには母親らしい愛情を抱いて接したことがなく、夫に対するどうしようもない軽蔑と人生に対する敵意を抱いていたが、世間には貞淑な妻と見せかけていた。末の妹マリアも成功した商人ヨアキム(H・モリッツェン)と結婚しており、五歳になる子供がいたが、彼女自身大きな子供のようなもので、美しくして人眼をひくことにしか関心を示さなかった。召使いのアンナは三十歳ぐらいの健康で素朴な田舎女だった。若い頃に生んだ子供は三歳で死亡し、以後アグネスに献身的に仕え、二人の間には主人と召使いという以上の親しいつながりがあった。暁方、アグネスの容態が急に重くなり、そのまま息を引きとった。カーリンとマリアは、もがき苦しみつつ死んだアグネスの手足を見苦しくなく揃え、手に花を持たせてやった。その夜、牧師の祈りの言葉がカーリンに暗い思い出を呼び起こさせた。夫との心の通わぬ夕食のとき、ワイングラスを壊した彼女は、その破片を手もとに取っておきネグリジェに着かえてから、それを歓びのない自分の性器深く突き刺した。彼女はベッドに横たわり、血まみれの肉体をひらいて夫を見すえた……。カーリンとマリアがアグネスの日記を読むと、そこには友情や神の恵みについての言葉があふれていた。苦しみの中で、彼女がそれを心から感じていたのか、それともそれらの事柄に飢えていたのか、二人には判らない。二人は自分たちの冷たい空気について話し合い、カーリンは率直にマリアへの憎しみを口に出し、許しを乞う。そのとき、アンナが子供のような泣き声を聞きつける。その泣き声はアグネスだった。アグネスはまずカーリンに救いを求めるが、彼女はアグネスを愛していないからといって冷たく去っていく。マリアはアグネスを見棄てないというがやはり自分のことしか考えていない。アグネスは最後にアンナに添寝されながら、母親に甘えるようにアンナの膝に頭をもたれて永遠の安息の時をもつのだった……。葬式がすむと、カーリンとマリアは冷え冷えと一族再会を約束して、右と左に別れていく。唯一人、後に残されたアンナは形見にもらったアグネスの日記を読み返す。「姉妹三人が昔のように集まったので、久しぶりにそろって庭を散歩する。明るい日光、明るい笑い。世界中でいちばん近くにいてほしい人が、皆私のそばにいてくれる。わずか数分間のたわむれだが、私にとっては楽しかった。人生に感謝しよう。人生は私に多くのものをあたえてくれた」。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1975年2月下旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:フェリーニのアマルコルド/叫びとささやき/映画に愛をこめて アメリカの夜/スティング/ペーパー・ムーン/ブルジョワジーの秘かな愉しみ/ジーザス・クライスト・スーパースター/黒い砂漠/デリンジャー/エクソシスト

特別グラビア 読者のベスト・テン 外国映画:スティング/ペーパー・ムーン/映画に愛をこめて アメリカの夜/エクソシスト/叫びとささやき/フェリーニのアマルコルド/パピヨン/ジーザス・クライスト・スーパースター/燃えよドラゴン

1974年2月下旬号

外国映画紹介:叫びとささやき

1974年1月下旬正月特別号

「叫びとささやき」は演劇を内側から映画で見せた面白い芝居である:

1973年11月下旬号

グラビア:イングマル・ベルイマン 「叫びとささやき」

「叫びとささやき」研究1:「叫びとささやき」を讃美する

「叫びとささやき」研究2:「叫びとささやき」とベルイマン

シナリオ:叫びとささやき

2020/05/04

2020/05/04

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 
字幕


「エクソシスト」に強い影響を与えた映画と聞いた。色々メタ構造になってるように思えるのだが難解で解説が無いとかなりつらい。赤い壁と皆一物を持っている家族が印象的だった。

2020/04/11

77点

VOD 
字幕


深紅の壁に囲まれた部屋で

ネタバレ

赤を基調とした画面の構成がとても印象的なのと、カチカチと鳴る時計の音に、風のうなり声と視覚聴覚両方に何か不安を感じさせる作品でもあった。
舞台はスウェーデンの上流階級の大きな邸で、そこに召し使いアンナと二人で暮らすアングネスは重い病にかかり寝たきりである。姉のカーリン、妹のマリーア、そしてアンナの三人で看病にあたっている。
それぞれ四人の回想も交えながら、彼女たちが抱えている想いや秘密が明らかにされていく。
幼い頃、姉妹とは上手く打ち解けられず、自分によそよそしく接する母に疎外感を感じながら生きてきたアングネス。でも心の中では母に愛されたいという強い想いがあり、今では母の孤独や悲しみが理解できる気がする。
医者であるダーヴィッドの診察で、アングネスがもう長くないことが告げられる。ここでマリーアの秘密が明かされるが、彼女は夫がいながらダーヴィッドと不倫の仲にあった。
しかし、ダーヴィッドはマリーアが見せかけだけの人間なのを見抜いていて、彼女の元を去っていく。
呼吸困難になって苦しむアングネスの姿はとても凄惨で、息苦しそうな呼吸音に思わず耳を防ぎたくなる。
彼女がいよいよ息を引き取ろうという時に、側に寄り添っていたのは姉妹ではなくアンナだった。
マリーアが中身のない空虚な人間なのと同じく、カリーンもまた見せかけだけの家庭を持ち、人を信じることの出来ない哀れな人間だ。
妹のマリーアともお互いに本音で話すことを恐れ、最後まで見せかけだけの姉妹愛を演じている。
結局アングネスの死を本気で悲しんでいるのは、召し使いのアンナと彼女の名付け親でもある教会の牧師だけだった。
葬式が終わった後に、彼女が一瞬甦るシーンは夢なのか幻想なのか、それとも現実なのか分からなかったが、彼女がずっと欲しかったのは身内の人間からの愛だったのに、カリーンは「あなたのことはずっと好きではなかった」と死んでいるはずの彼女を冷たく突き放し、マリーアは恐怖のあまり叫びながら逃げ出してしまう。
この時もまるで母親のように優しく彼女に寄り添ったのはアンナだった。自分も幼い娘を失った経験があるからか、感情を表に出す場面はあまりないが、彼女が一番良心的な人間であるように思った。
アングネスが亡くなってから、あっさりアンナに暇を出すカリーンたちの姿が最後まで薄情だった。
それでもアンナが最後に読むアングネスの日記には、生涯独身だった彼女の元を姉妹が訪れる日が本当に幸福だったと綴られているのがとても悲しかった。
色々と象徴的なシーンが多く、難解な作品ではないのだが、理解できない部分もあるが多かった。それぞれの回想シーンに入る時のささやき声がとても気になったのと、やはり画面を覆い尽くす赤と、衣装の白のコントラストが目に焼き付いた。

2020/04/09

2020/04/09

50点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


ほぼ40年ぶりに再見。

父と子の名作映画鑑賞会。息子のリクエストで見た。「芸術っぽいのが見たい」んだと。
私がこれを見たのが25歳の時で、長男も今25歳。
若い頃見た時の方が面白かったな。とにかく色に圧倒された。今は《野いちご》の方がずっといいと思う。
ベルイマンは生き残る姉カーリン、妹マリーアに悪意を持っている。死んでいくアグネス、献身的な召使いアンナには好意的だが・・・。
しかしアグネス(ハリエット・アンデション)の叫びはすさまじい。肺に空気が送られず苦しむかすれたもがき声。肺炎の末期の有様なのだろうか?恐ろしい。コロナにかからないようにいっぱい映画見て体力つけておこう!

《野いちご》の時計、《ファニーとアレクサンドル》の親戚家族の集まりといったモチーフが出てくる。

2020/04/04

2020/04/04

65点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/タブレット 


難しけど

いわゆる、今風の昨日ではないが、観ごたえはあった。
赤いフェードアウトも途中から慣れたし。

2020/02/22

2020/02/22

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


The芸術映画

最近、KINENOTE世代御用達映画がAmazonプライムビデオに多く出ているがどうも難解な作品が多い。さしずめ本作は映像表現の極北に到達することが目標とされた時代の賜物だろうか。

売り物の映像美は今、観ても古びていない。しかし、このテーマを伝える手段として最適かどうかは評価の分かれるところだろう。

子どもならトラウマになること確実なホラータッチの後半戦を陰鬱な叙情で締め括ったラストは美しく見事であった。

2020/02/21

2020/02/21

74点

その他/図書館 
字幕


ちょっとホラーでしたね!

「叫び」は死に至る病を得た長女が絞り出すもの、「ささやき」は病人をおもんばかって妹たちと召使いが、声すら出さず息だけで話す音。ベルイマンの映画は最初に「沈黙」を見て、カメラがあまりに女優たちに寄ってるのに度肝を抜かれたのですが、この映画もかなりカメラが近い。(同じスヴェン・ニクヴィスト撮影の映画でも、カメラの近さは一定ではないのですが)耳元というか唇を顔に付けるくらい密着してささやく生々しさが伝わってきて気色わるいくらいです。

次女のイングリッド・チューリンと三女のリヴ・ウルマンって似てますね。目鼻立ちの形は違うけど位置が全部同じ。長女を演じているハリエット・アンデルソンも姉妹といっておかしくないくらい近い容貌。召使いのアンナだけ、ちょっと頑丈そうな雰囲気で彼女たちと違う。他人であるにもかかわらず、大きな愛情を持った女性です。

監督はこの映画で、浅薄さと愛の深さ、虚栄と誠実さといった対照的な心が、実は紙一重だといいたかったのかな。いつも美しく装い、男と見ればすぐにしなだれかかる三女が次女ともっと仲良くなりたい、長女を愛を持って見送りたい、という感情にウソはないと思う。死にゆく姉の狂態をそのまま受け入れるのは難しくても、今までが偽善だったとはいいきれないと私は思うんだけど、監督の意図はもう少し単純で、姉妹たちは去り優しい他人だけが残った、亡き長女はそれでも姉妹たちに感謝して逝った、と言いたかったのかもしれないけど。

それにしてもこの映画は入手困難です。最近、隣接する区の図書館を調べまくっていて、今日は某図書館の館内ブースでVHSでこの映画を見てきました。図書館にはこういう、1980-90年代にソフト化された名作がまだけっこう残ってますよ。