叫びとささやき

さけびとささやき|Viskningar Och Rop|----

叫びとささやき

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レビューの数

50

平均評点

75.3(198人)

観たひと

277

観たいひと

30

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 スウェーデン
製作年 1972
公開年月日 1974/1/19
上映時間 91分
製作会社 スヴェンスク・フィルム
配給 東和
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

前世紀末のスウェーデンの大邸宅を舞台に、四人の女性たちの時間の流れの中で各人の心底にひそむ愛、孤独、性、死の断片をえぐる。監督は「ペルソナ」のイングマール・ベルイマン、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、編集はシブ・ラングレン、美術はマリク・ボスが各々担当。音楽はシャーリ・ラレテイ演奏のショパン作曲「マズルカ・イ短調/作品17-4」とピエール・フルニエ演奏のバッハ作曲「組曲第五番ハ短調よりサラバンド」を使用。なおこれはわが国で公開されたベルイマン作品の中で初めてのカラー作品。出演はイングリッド・チューリン、ハリエット・アンデルソン、リヴ・ウルマン、カリ・シルバン、ヨールイ・オーリン、ヘニング・モリッツェン、エルランド・ヨセフソン、アンデルス・エクなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

スウェーデンのある地方に“お城”と呼ばれる大邸宅があった。時は十九世紀から二十世紀に移る頃の秋である。広々とした屋敷には三七歳になるアグネス(H・アンデルソン)が、召使いのアンナ(K・シルバン)とともに、両親が死んで以来、ここに取り残されたようにひっそりと暮していた。彼女の人生に男性が現われたことは一度もなく、今は、病んでいた子宮ガンが急に悪化したためベッドに臥せていた。そのアグネスの見舞いに姉のカーリン(I・チューリン)と妹のマリア(L・ウルマン)が駈けつけてきた。カーリンは既に二十歳にならぬうちに二十歳年上の優秀な外交官フレドリック(G・オーリン)と結婚しており、五人の子供がいたが、結婚後すぐ自分の選択の失敗を悟っていた。子供たちには母親らしい愛情を抱いて接したことがなく、夫に対するどうしようもない軽蔑と人生に対する敵意を抱いていたが、世間には貞淑な妻と見せかけていた。末の妹マリアも成功した商人ヨアキム(H・モリッツェン)と結婚しており、五歳になる子供がいたが、彼女自身大きな子供のようなもので、美しくして人眼をひくことにしか関心を示さなかった。召使いのアンナは三十歳ぐらいの健康で素朴な田舎女だった。若い頃に生んだ子供は三歳で死亡し、以後アグネスに献身的に仕え、二人の間には主人と召使いという以上の親しいつながりがあった。暁方、アグネスの容態が急に重くなり、そのまま息を引きとった。カーリンとマリアは、もがき苦しみつつ死んだアグネスの手足を見苦しくなく揃え、手に花を持たせてやった。その夜、牧師の祈りの言葉がカーリンに暗い思い出を呼び起こさせた。夫との心の通わぬ夕食のとき、ワイングラスを壊した彼女は、その破片を手もとに取っておきネグリジェに着かえてから、それを歓びのない自分の性器深く突き刺した。彼女はベッドに横たわり、血まみれの肉体をひらいて夫を見すえた……。カーリンとマリアがアグネスの日記を読むと、そこには友情や神の恵みについての言葉があふれていた。苦しみの中で、彼女がそれを心から感じていたのか、それともそれらの事柄に飢えていたのか、二人には判らない。二人は自分たちの冷たい空気について話し合い、カーリンは率直にマリアへの憎しみを口に出し、許しを乞う。そのとき、アンナが子供のような泣き声を聞きつける。その泣き声はアグネスだった。アグネスはまずカーリンに救いを求めるが、彼女はアグネスを愛していないからといって冷たく去っていく。マリアはアグネスを見棄てないというがやはり自分のことしか考えていない。アグネスは最後にアンナに添寝されながら、母親に甘えるようにアンナの膝に頭をもたれて永遠の安息の時をもつのだった……。葬式がすむと、カーリンとマリアは冷え冷えと一族再会を約束して、右と左に別れていく。唯一人、後に残されたアンナは形見にもらったアグネスの日記を読み返す。「姉妹三人が昔のように集まったので、久しぶりにそろって庭を散歩する。明るい日光、明るい笑い。世界中でいちばん近くにいてほしい人が、皆私のそばにいてくれる。わずか数分間のたわむれだが、私にとっては楽しかった。人生に感謝しよう。人生は私に多くのものをあたえてくれた」。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1975年2月下旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:フェリーニのアマルコルド/叫びとささやき/映画に愛をこめて アメリカの夜/スティング/ペーパー・ムーン/ブルジョワジーの秘かな愉しみ/ジーザス・クライスト・スーパースター/黒い砂漠/デリンジャー/エクソシスト

特別グラビア 読者のベスト・テン 外国映画:スティング/ペーパー・ムーン/映画に愛をこめて アメリカの夜/エクソシスト/叫びとささやき/フェリーニのアマルコルド/パピヨン/ジーザス・クライスト・スーパースター/燃えよドラゴン

1974年2月下旬号

外国映画紹介:叫びとささやき

1974年1月下旬正月特別号

「叫びとささやき」は演劇を内側から映画で見せた面白い芝居である:

1973年11月下旬号

グラビア:イングマル・ベルイマン 「叫びとささやき」

「叫びとささやき」研究1:「叫びとささやき」を讃美する

「叫びとささやき」研究2:「叫びとささやき」とベルイマン

シナリオ:叫びとささやき

2022/06/29

2022/07/02

72点

映画館/宮城県/フォーラム仙台 
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しあわせなアグネス

 1972年のスウェーデン映画。デジタルリマスター版。没後15周年イングマール・ベルイマン監督特集で鑑賞。前回鑑賞は2017年の生誕100年映画祭でした。不思議な映画で、癌でもだえ苦しみそして死んでいくアグネスが最も幸せだったんではないかと思わされる。いやいやそんなアグネスに仕えていたアンナだって幸せだったんだともおもうが、奉公先が無くなり住まいと仕事を同時に失ったアンナのこの先にはちょっと不安を感じてしまう。もちろんカーリンもマリアも不幸せそうな結婚生活をこれまで通り続けていくんだろうから、何かのきっかけで夫婦関係が良好になるかもしれないし、あるいは離別して幸せになるかもしれない。でも三姉妹が揃い信頼しているアンナに看取られたアグネスこそが幸せだったんじゃないかな。今回はそんなことを思ってしまった。それにしてもあそこまでギクシャクした三姉妹って珍しいことではないんでしょうか。北欧の家族愛ってそんなものとは思えないんだけど、ベルイマンから見れば赤の他人以上に厳しい関係に見えたのかなあ。

2022/04/29

2022/05/25

75点

レンタル/神奈川県/ゲオ/ゲオ大和中央店 
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赤と白、ベルイマンのカラー映画は強烈だ。

ネタバレ

ベルイマン監督にはモノクローム大傑作が多く、カラー映画の印象は後期のテレビ映画の印象が強い。
しかし本作は大胆な色彩設計で驚かされる。
小林正樹監督の「怪談」、黒澤明監督の「どですかでん」等の初のカラー作品は、絵画的に色が乗った
画面で、色自体に主張が込められていた。セットまで含めた撮影所総がかりのカラー画面だった。
ベルイマン監督は、室内の赤い壁やカーテン、女優たちの白いドレス、医者の黒い服など基本色の
強調で、演劇的な印象を持った。
大きな撮影所のある仏伊だったら、後のベルイマンは違った作品を作ったかもしれない。

色彩は鮮やかだが、ベルイマンのモノクローム画面の強固さは引き継いでいる。冒頭からフィックスの
風景画面が続き、室内の時計、そして赤い部屋と白いドレスの女たち。
時は19世紀末、お屋敷にはカーリン、アグネス、マリアの三姉妹と召使いのアンナがいる。アグネスは
病気で伏せっている。
前半、中盤と音楽もかからない。重苦しく屋敷の生活が描かれる。激痛に襲われるアグネスは時として
絶叫する。題名の由来ともなる。登場からアグネスは死を象徴していて揺るぎがない。生きている
カーリン、マリア、アンナは変奏でしかない。カーリンは自傷行為までして出血するが、死にはしない。
しかし貴族階級はいずれ死に絶えるのが歴史の定め。召使いのアンナは階級の消滅には免れているが、
三姉妹に寄り添い、アカ的なことは言わない。
死は平等にやって来る。エンディングは平和の時代の三姉妹がブランコに乗り、アンナが揺らす。
この平和もすぐに破られるのが、われわれの歴史の結果だ。

ベルイマン映画なので内容は難解で、観客の解釈によって様々な答えが引き出されるが、答え合わせ
は通用しない。私は歴史が好きなので、スウェーデン史の中の貴族階級衰退のドラマとして観た。

2021/07/02

2021/07/03

-点

映画館/東京都/新文芸坐 
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ベルイマンの顔を知らなかった

映画史の中で「巨人」と呼ばれる戦後ヨーロッパの監督たち。
思いつくままにフェリーニ、ヴィスコンティ、タルコフスキー、ワイダ・・・・。
ゴダール、トリュフォーは巨人のイメージではないが、彼らの顔写真は見ているし、
撮影現場での演出風景は想像出来る。
イングマール・ベルイマンの顔は知らなかった。
よって撮影の合間に俳優やカメラマンと談笑する姿など想像もつかない。
寡黙な芸術家。頑なに何者をも近づけず、神と対話するか如く静粛にカットを重ねていく。
私は何故か勝手にマックス・V・シドーの厳格さをベルイマンの顔や姿と重ねていた。

要はこんなベルイマン無知を背景として『叫びとささやき』のレイト上映を観たわけだ。
一方でベルイマンは映画研究のテキストみたいな存在だといえると思うが、
お勉強などではなくもっと全身全霊を込めて作品と対峙すべきなのだとも思った。
或いは一旦、ベルイマンであることを忘れて対峙するの一考かもしれない。
ただ映像が常に過呼吸を帯びている様相の中で、
四人の女優の生理レベルの葛藤と慟哭には怖気ざる得なかった。

先に挙げた巨人たちの代表作。『道』『ベニスに死す』『惑星ソラリス』『灰とダイヤモンド』・・・・全部好きな映画だ。
それらの中に見られる通俗性にすがればどの作品も楽しく観ることが出来る。
しかし『叫びとささやき』に通俗性を見出すことは出来なかった。

ようやくベルイマンの顔をネットで検索してみる。
マックス・V・シドーとは似ても似つかぬ風貌。撮影現場での笑顔。
どことなくタランティーノに似ている気がした。

2021/02/09

2021/02/09

30点

選択しない 
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醜悪

自己憐憫の掛け算。

2020/12/20

2020/12/20

81点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 
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アグネスの幸福

ネタバレ

 アグネス(ハリエット・アンデルセン)は、結婚せず、子供もおらず、癌で激痛で苦しむが、姉妹を慕い、死んでからも姉妹を見守り、最も幸福のうちに亡くなる。

 それが、何でも満たされているように見える、姉のカーリン(イングリッドチューリン)も妹のアンナ(リヴ・ウルマン)も、夫婦関係が崩壊しており、空虚であり、アグネスと比べると皮肉だと思う。

 そして、アグネスが亡くなっていくまでの姉妹のやり取りが、まるで、母の子宮のような赤い部屋で展開され、男たちは、誰もがほとんど存在感がない。

 強烈だった。

 姉のカーリンは、ベルイマンの母と同じ名前で、ベルイマンの母を象徴しているとのことで、それも凄まじかった。

2020/12/08

2020/12/08

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
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2度目の観賞

初めて観た時は愛憎渦巻く人間関係と美しい画面のギャップを興味深く感じたのですが、今回は厳しく冷淡なセリフや人間関係に辟易しました。観る側の状態も影響するのかもしれません。ただ、ラストの美しさ優しさには癒されます。