一流大学の学生だが、好きな女子に告白する勇気もないヘタレ男子が、職業「乞食」のかっこいい兄貴の子分となって、「鯨とり」の旅に出るロードムービー。
昔懐かしアイドル映画的な、いかにも古くさい演出(よくわかんないスローモーションとか静止画とか)は、まあ制作年を考えるといたしかたないとしても、好きな女子に告白する勇気がない自分にいらだって彼女を殴りつけたり、口のきけない娼婦という、明らかに自分より社会的地位の低い女子に対しては積極的に迫り助けてやろうとしたりと、ストーリーの根底に流れるミソジニーとマチスモ礼賛にうんざり。
ま、一言でいえば、韓国が近代化をとげた中で男らしさを失ってしまった大学生が、兄貴に導かれて自分の男らしさを発見するというホモソーシャルな話ですよね。アン・ソンギはまじにかっこいいけど、「名作」ってもちあげられるような話じゃないと思う。