バベットの晩餐会

ばべっとのばんさんかい|Babettes gæstebud|Babette's Feast Babettes Goestebud

バベットの晩餐会

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レビューの数

74

平均評点

77.1(359人)

観たひと

588

観たいひと

54

(C)1987,A-S Panorama Film International.All Rights Reserved
  • KINENOTE Selection映画館で観る

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 デンマーク
製作年 1987
公開年月日 1989/2/18
上映時間 102分
製作会社 A-R・パノラマ・フィルム
配給 シネセゾン
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀後半のデンマークを舞台に、質素な生活を送っているプロテスタントの村人たちとカトリックの国フランスからやってきたひとりの女性との出会いと当惑、そしてある晩餐会の一夜を描く。製作総指揮はユスツ・ベツァー、製作はボー・クリステンセン、アイザック・ディネーセンの小説の映画化で、監督・脚本は「性歴2000年」のガブリエル・アクセル、撮影はヘニング・クリスチャンセン、音楽はペア・ヌアゴーが担当。出演はステファーヌ・オードラン、ボディル・キェア、ビアギッテ・フェザースピールほか。88年度アカデミー外国語映画受賞作。2016年4月9日よりデジタル・リマスター版を上映(配給:コピアポア・フィルム)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀後半、デンマークの辺境の小さな漁村に、厳格なプロテスタント牧師(ポウエル・ケアン)の美しい娘、マーチーネ(ヴィーベケ・ハストルプ)とフィリパ(ハンネ・ステンスゴー)は住んでいた。やがてマーチーネには謹慎中の若い士官ローレンス(グドマール・ヴィーヴェソン)が、フィリッパには休暇中の著名なオペラ歌手アシール・パパン(ジャン・フィリップ・ラフォン)がそれぞれ求愛するが、二人は父の仕事を生涯手伝ってゆく決心をし、歳月がたち父が亡くなった後も未婚のままその仕事を献身的に続けていた。そんなある嵐の夜、マーチーネ(ビアギッテ・フェザースピール)とフィリパ(ボディル・キェア)のもとにパパンからの紹介状を持ったバベットという女性(ステファーヌ・オードラン)が、訪ねてきた。パリ・コミューンで家族を失い亡命してきた彼女の、無給でよいから働かせてほしいという申し出に、二人は家政婦としてバベットを家におくことにした。やがて彼女は謎を秘めつつも一家になくてはならない一員となり、祖国フランスとのつながりはパリの友人に買ってもらっている宝くじのみであった。それから14年の月日が流れ父の弟子たちも年老いて、集会の昔からの不幸や嫉妬心によるいさかいの場となったことに心を痛めた姉妹は、父の生誕百周年の晩餐を行うことで皆の心を一つにしようと思いつく。そんな時バベットの宝くじが一万フラン当たり、バベットは晩餐会でフランス料理を作らせてほしいと頼む。姉妹は彼女の初めての頼みを聞いてやることにするが、数日後、彼女が運んできた料理の材料の贅沢さに、質素な生活を旨としてきた姉妹は天罰が下るのではと恐怖を抱くのだった。さて晩餐会の夜、将軍となったローレンス(ヤール・キューレ)も席を連ね、バベットの料理は次第に村人たちの心を解きほぐしてゆく。実はバベットは、コミューン以前「カフェ・アングレ」の女性シェフだったのである。そして晩餐の後パリへ帰るものと思っていたバベットが、この晩餐に一万フラン費やしたことに姉妹は驚くが、やがて今後もこの地に留まりたいというバベットの真意に思い至り、胸をつまらせるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2016年4月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「バベットの晩餐会 デジタル・リマスター版」

2010年10月上旬号

午前十時の映画祭:「眺めのいい部屋」「バベットの晩餐会」

1989年5月下旬号

外国映画紹介:バベットの晩餐会

1989年2月上旬号

外国映画批評:バベットの晩餐会

1989年1月下旬号

グラビア:バベットの晩餐会

特集 バベットの晩餐会:評論

特集 バベットの晩餐会:ディネセン論

1988年11月上旬号

試写室:バベットの晩餐会

2021/12/31

2021/12/31

-点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


美味いもの食ってる時は会話は減るものだ

これまた宗教色の濃い映画なんだが、ラストの晩餐会のシーンが見せ場。
ラブストーリーでもあるし、出てくる人はいい人ばかり。
もう少し何か起こってもいい気もするが、歳くって見直したらまた違う感想になるかもしれない、ハレルヤ。

2021/10/30

2021/11/26

82点

映画館/愛知県/大須シネマ 
字幕


真の我が家

ネタバレ

 デンマークの辺境にある小さな漁村が舞台。結婚してその村を出ることを選ばず、質素な暮らしを送るプロテスタントの老姉妹と、パリを追われて村にやってきた家政婦のバベットの出会いと厚誼を描きます。
 選択の映画という見方をされる本作ですが、バベットに宝くじが当たった時に村を出て行ってしまうと思い込んだことから、姉妹にとっても自らの人生を捧げたその村での生活は、客観視すれば決して満ち足りたものではなかったのだと思います。ローレンス将軍もまた、富も地位も手に入れても後悔の念がぬぐい切れない。そんな彼らの人生に対する答えがバベットの晩餐会の中にあったのでしょう。
 ステファーヌ・オードランのマニッシュな佇まいが、バベットの持つ気高さを見事に表現します。登場する料理の見事さもさることながら、妥協を許さない姿勢にも注目したいところです。ウズラはまだしも、ウミガメもいきたままのものを調達し、お酒も料理に合わせたヴィンテージ物を揃える(1860年物のヴーヴ・クリコが登場しますが、シャンパンの期限はせいぜい8年なので、舞台となる1885年まで質は保てないとのこと。監督が、インタビューで原作者の誤りを指摘したらしいです。)。グラスも注ぐお酒に合わせたものを用意し、水も最適なタイミングで提供する。そして、何気ない描写ですが、ドアを開けるタイミングにも気を使われているようです。晩餐会で料理を作ることを願い出るシーンですでに、フィリパが弾くピアノの音が鳴りやんでからドアを開ける様子が描かれていました。
 パリの厨房を離れてから14年、衰えることのない料理の腕前が、バベットの決して錆びることのない情熱的な精神を表現しているといえましょう。その内面を掬い取るような、本作自体の丁寧な演出が鑑賞する我々にも充足感をもたらします。それは、ワインや料理に詳しくなくとも理解できる部分です。
 そんなバベットが作った料理の形容として、”豪華”という言葉が最適とは言い難いと思います。どこか素朴さを残しながらも光り輝くフルコースは、姉妹の清貧な人生を浮き上がらせているかのようです。バベットの作る料理が、彼女と姉妹の生き様を代弁します。バベットは、姉妹の元に止まることを伝え本当の家族となる。偶然が必然に変わる瞬間こそ運命と呼べます。
 ただし、運命とはひと続きのもの。良いことも悪いこともあり、その積み重ねで成り立ちます。しかし、受け入れがたい出来事に直面したとして、人の内面をも脅かしうるのか。それは、その人の運命に対する捉え方によるのでしょう。たとえ、愛する人と結ばれなかったとしても、歌手の夢をあきらめたとしても、夫と息子を殺されたとしても、二度とフルコースの料理を作る機会に恵まれなかったとしても、愛する心、そして芸術への情熱は消えることはありません。「体は離れ離れだが肉体は大事ではない。魂は一緒だ。」「芸術家は貧しくありません。」「天国であなたは偉大な芸術家になる。神のおぼし召しどおりのね。」素敵な台詞たちがクライマックスを彩ります。
 結果の辛さから、自らの選択に後悔することは誰しもあるものです。だからと言って、決してその選択が誤りであったとは限りません。20代ギリギリで本作に出会えたことは幸運だったと思います。年を重ねて、人生の中で何度も選択を繰り返してから再び本作を鑑賞した時、次はどのように感じるのか楽しみに待ちたいと思います。

2021/09/30

2021/10/16

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


血の循環と村の停止

ごく小さな村が舞台である。ユトランド半島にあるから海が近くに感じられ、海産物が食卓にのぼる。このストップモーションのうちにあるような停滞的な村の保守性は宗教性や敬虔さによって裏打ちされている。その信仰の柱になっているのが村の牧師(ポウエル・ケアン)であり、その娘たち(ビルギッテ・フェダースピール、ボディル・キュア、ハンネ・ステンスゴー、ヴィーベケ・ハストルプ)が物語の軸をなす。二人の姉妹の一代記のように時間のスパンは長く取られている。それでも村には変化がそれほど見られるわけではない。
この姉妹の元に突然現れるもう一人の女性バベット(ステファーヌ・オードラン)がこの家や村にもたらしているものが何であるかはわからないが、家政婦として彼女は、それが修行であるかのような敬虔さを持って、家事に尽くす。波が立つ、鳥が飛ぶ、星が瞬き、雪が静かに降る。もともと光線が低く薄い北方にあって、夜は昼に続きながらも、その夜や室内にも南方とは異なる独特の光が感じられる。窓を拭き、手を洗う、こうした仕草ですら村の停止や家の保守のうちに絡められているように感じられる。
ショット数は全編で700を超えるから多くも少なくもない加減でまとめられている。圧巻は終盤の晩餐シーンである。姉妹が催す晩餐に招かれた村人らはある縛りを自らに課す。また、その縛りから離れたところにあった姉妹に縁のある軍人も晩餐に闖入している。食事のシーンという特質を生かして、サイレント的な効果、シンクロナイズする動作、沈黙を破る都市的発言、そして晩餐そのものの物的な質感など食卓に並び、居間に寛ぐ様子が繰り広げられていく。その広がりは、この村にあって無時間的でもありながら、どこか野生味が漂い、人間という物を食べ、飲み込む動物への透徹した視線が感じられる。ワインが導入されている効果も大きい。聖なる飲料は血でもあり、人物たちの白い肌を紅潮させる。血潮は海辺に打ち寄せる波とシンクロしている。

2021/10/13

2021/10/13

75点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


名シェフ

ネタバレ

牧師の娘の老姉妹のところへ、かつての歌の師だったオペラ歌手からの紹介状を持って女バベットがやってきた。給料はいらないから置いてくれと言うことで、そのまま召使いとして居着いてしまった。バベットはフランス革命から逃れてきたのだった。彼女はとても有能で重宝していた。
ある時宝くじで1万フラン(当時のだからどのくらい価値があるものだったろうか)当たった。バベットは牧師の生誕100年祭に村の人を招待して晩餐会を開く許可を求めた。
姉妹は許可するが、彼女が持ってきた材料を見て悪魔の仕業かと思い、村人達に料理については一切感想を述べないようにお願いした。
晩餐会の客にかつて姉妹の姉と恋愛関係にあった将軍がいた。将軍は料理を食べるなり、そのおいしさをかつてあったフランスの超一流の料理人が作ったものに匹敵すると褒めるが村人は顔ではそう思いながら言葉には出せないでいた。
晩餐会が終わって皆は幸福な気持ちになって帰って行った。
1万フランは超一流のレストランの12人分の料理代金に匹敵するといってすべて使ってしまっていた。バベットこそそのレストランの元料理長だった。
派手な演出で観客をいれる映画ではなく、地味ながら心に響く映画である。

2021/09/22

2021/10/08

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


あっさり味

◎ 小鳥の頭までも含めて、様々なフランス料理がフルコースで登場するが、そのメニューやレシピには意外なほどこだわって見せない。他の料理映画に比べて、とてもあっさりしている。これがこの映画の特徴でもある。
◎ 主な登場人物の過去や現在、その心境もずいぶんあっさりと描かれる。疲れた時には何度でも観たくなる作品だ。

2021/09/23

2021/09/23

70点

選択しない 
字幕


ブルーグレイ、モスグリーン

彩度を落とした映像が上品で、衣装や調度品も素敵。ミニシアターに似合う一本。この頃のグルメ映画というと「デリカテッセン」を思い出すけど、あっちは極彩色のエログロで随分距離がある。
禁欲的な皆さんと囲む晩餐会のメニューが何とも背徳的、魅力的。アモンティリヤードって飲んでみたい。海亀スープってうまいんだろうか。香港の亀ゼリーはあまりおいしくなかったからなあ。