本作は、前半で19世紀デンマークの寒村でプロテスタントの牧師とその娘である2人の美しい姉妹が父親を助けて村人へ質素で誠実な生活へ導く布教活動をしている。
その中で姉妹それぞれに恋する男たちの恋模様を描くが、いずれも恋は破れる。
それでも妹を愛したフランスの歌手パパンがパリコミューンで夫と息子を失って身寄りのないバベットを彼女らに託す。
バベットは寒村の流儀に従い、彼らの生活に溶け込んでいく。
ただ本来パリの名シェフであったバベットが、質素と言うよりまずそうな料理を少しでもおいしくと働かすエピソードが後半の晩餐会でのシーンで生きてくる。
後半くじに当たった1万フランを得たバベットに対して、父親を亡くしその遺志をついで教会を支える姉妹は、バベットがパリに帰ると思う。
一方で父親亡き後、信者同士が仲たがいすることも多くなり姉妹は信仰の大切さを再認識してもらうためと父親の生誕100年の晩餐会を企画する。
バベットは、休みをもらいパリに戻り、姉妹に了解をもらい晩餐会のための食材をそろえる。
生きたウミガメや鶉を見て、普段質素な食生活の姉妹や村民は当惑する。
挙句の果てウミガメの悪夢を見た姉は、村民と晩餐会の食事について話さずスルーしようと結託する。
晩餐会当日姉に失恋して奮起して出せした将軍もゲストとして出席する。
将軍を除いて普段食べたこともないフランス料理のフルコースに当初戸惑う村民と姉妹。
その料理のレベルの高さを熟知する将軍と村民の会話が頓珍漢で笑える。
料理が進むうちにその美味しさに村人たちも堪能し、仲たがいも解消していく。
晩餐会は大成功で、姉と将軍のかつてのロマンスもいい感じで終わる。
バベットは自分がかつてパリの名店でシェフをしていたことを明かし、くじで当たった1万フランをその晩餐会で材料費としてすべて使ったことを明かす。
姉妹は驚き、パリに帰ると思っていたバベットを心配するが、バベットは自分の家はここであるという温かいお金には代えられない感謝の気持ちと誠実な生活が彼女に根ずいていることに感動する。
それにしても姉妹を演じる役者が若い頃と老けた頃が逆になっているのは戸惑った。