勿論、コンビニ弁当より愛妻の手料理が好きです。しかし、食に対する拘り自体はそれほど強くありせん。なので、フランス料理のフルコースと言われてもピンと来ませんでした。(そもそも外食が嫌いだし)そんな私がグルメ映画(?)を楽しめるのか不安もありました。
宗教画のような静櫃な作品です。悪人が出て来ないので安心して身を委ねられます。将軍の蘊蓄が良きガイドとなる晩餐会のシーンも相応の多幸感を感じました。また、バベットの過去が明かされるミステリー的要素が良質なカタルシスを与えてくれます。
良いことも悪いこともあるけれど、トータルで考えたら人生は悪くないものだと改めて感じました。『素晴らしき哉、人生!』と並び人生讃歌として秀逸な一本だと思います。
宗教が強いる禁欲の対極に位置付けられたバベットの晩餐。ここに至福や情事(!)を感じない人には単なるキリスト教のプロモーション映画に映るかもしれませんね。