惑星ソラリス

わくせいそらりす|Солярис|Solaris

惑星ソラリス

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レビューの数

82

平均評点

75.6(407人)

観たひと

666

観たいひと

96

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF
製作国 ソ連
製作年 1972
公開年月日 1977/4/29
上映時間 165分
製作会社 モスフィルム
配給 日本海映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

広い宇宙にはさまざまの生命形態がある。惑星ソラリスも星自体が一つの生命体であり、この異質の生命体と初めて接触した一人類を描く、ファースト・コンタクト・テーマのSF作品。72年カンヌ映画祭審査員特別賞受賞、国際エヴァンジェリー映画センター賞受賞作品。監督は「僕の村は戦場だった」のアンドレイ・タルコフスキー、脚本はフリードリフ・ゴレンシュテインとアンドレイ・タルコフスキーの共同、原作はスタニスラフ・レム(「ソラリスの陽のもとに」早川書房刊)、撮影はワジーム・ユーソフ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフが各々担当。出演はナターリヤ・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス、ユーリー・ヤルヴェト、ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー、アナトリー・ソロニーツィンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

未知の惑星ソラリス。その調査は、プラズマの“海”の理性活動の徴候により行き詰まっていた。海に接触しようとする試みはすべて失敗に終っている。数年前惑星より帰って来た中尉の報告をビデオでみるクリス(ドナタス・バニオニス)は、翌朝、惑星上に浮かぶステーションへ飛んだ。三人の学者のいるはずのステーションは、張りつめた静寂と荒廃の兆。クリスの友人の物理学者は既に原因不明の自殺を遂げており、残された二人--スナウト(ユーリー・ヤルヴェト)とサルトリウス(アナトリー・ソロニーツィン)も何やらおびえ自閉症がかっている。彼らはクリスに二人以外の人影を見ても気にするなという。この謎を解明しようと死んだ友人のクリス宛のビデオを発見するが、海にX線を放射した事以外、謎をとく鍵はなかった。サルトリウスの部屋では他の人影を見、ステーション内を歩く少女を見かけるクリス。やがて眠りにつくクリスが目覚めた時、そこには数年前に死んだはずのハリー(ナターリヤ・ボンダルチュク)がいる。クリスはその女--ハリーの服がチャックもなく着脱不可能なのに気づき、彼女をロケットに乗せ打ち上げた。自室に戻った彼にスナウトはX線放射以後、海は人間の意識下にある人物をここに送り込んでくると話す。案の定、ハリーは戻ってきた。ドアを破って入ってくる彼女。そのための傷はみるみる内に元通りになっていった。図書室でのスナウトの誕生祝いの席上、ハリーは自分達は人間の良心の現われではないかと発言し、考え込む。しばらくしてハリーは液体酸素を飲んで自殺するが、やがて蘇生する。クリスはいつしか彼女を愛の対象と考えるようになった。クリスは今度は自らの意識をX線放射することを提案する。地球の彼の家、母、ハリー。目覚めるクリス。だが、置手紙を残してハリーはいない。クリスの帰還は近づいていた。彼の家の庭、家より出てくる父。今、クリスは惑星ソラリスと邂逅する。海に浮ぶ彼の家と庭や池と共に--。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2003年7月上旬号

特集 「ソラリス」:「惑星ソラリス」と『ソラリスの陽のもとに』

1977年5月下旬号

映画オモチャ箱:第33回 「惑星ソラリス」のエロティシズム

外国映画批評:惑星ソラリス

外国映画紹介:惑星ソラリス

1977年4月上旬春の特別号

グラビア:「惑星ソラリス」

〈座談会〉 光瀬龍×柴野拓美×山田正紀:「惑星ソラリス」から送られたタルコフスキーのメッセージ

2026/02/11

2026/02/11

68点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


原作に忠実ではあるが

商業的な映画では無い。むしろ人間とは何かと問うような哲学的な映画である。
従って第一部(前半)は冗長。スタニワフ・レムの原作も数十年前に読んだが、これも途中で眠くなるほどの小説だった。第二部からはなんとかついて行ける。
物語は、心理学者クリス(ドナタス・バニオニス)がソラリス調査隊の打ち切りを見極めるためにソラリスへ行く。ソラリスステーションでは3人の隊員のみがいるはずだったが、出迎えはなく、一人は自殺し、得体の知れない子どもや女を見かける。そのうち自分のところにも10年前に自殺した妻(ナターリヤ・ボンダルチュク)が現れるようになる。これはすべて意識を持ったソラリスの海のなせる業だった。
かなりハードな内容であるが、登場人物は少なく、ほぼクリスと妻の会話や行動が中心である。コピーである妻がだんだんと人間らしくなっていき、ソラリスが混乱してくるところなどSF文学としてはかなり内容が深い。
視聴者はこの内容で長時間の心理的映画に耐えられるかどうかが問題だ。
スティーヴン・ソダーバーグ 監督が2003年に作った“ソラリス”という映画があり、見ているはずだが思い出せない。

2026/02/07

2026/02/07

82点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


何回目かの鑑賞で初めて寝落ちせず!

これまで何度もレンタルでトライしながら毎回寝落ちしていた本作をようやく鑑賞。
解説を読んで解釈を理解してからまた再鑑賞したいと思う。できればスクリーンで観たい。

2025年

2026/01/25

65点

選択しない 
字幕


図らずもエロス

「記憶」とは、ときに忌々しく厄介なシロモノ。

2026/01/01

2026/01/08

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


井上ひさしの言葉

◎ 正直言ってよく分かりませんでした。
◎ 井上ひさしの言葉です。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに」。この映画は「むずかしい」「深い」「真面目に」はしっかりクリアしていますが、いかんせん「易しく」「面白く」の姿勢に欠けています。何度も眠くなってしまうのも、修行の足りない身ではしょうがありません。

2026/01/07

2026/01/07

80点

テレビ/無料放送/NHK 


タルコフスキーの作品は鑑賞する手段がほとんど無いので、やっとNHKの放映で本作を鑑賞出来た。感謝。
ジョージ・クルーニーの「ソラリス」から、手塚治虫「火の鳥」のムーピーのような物語だったような印象。
物語は妻ハリーと再会したクリスの、過去の記憶の旅のよう。ジョディ・フォスターのファーストコンタクトのようだとも言えるか。
ただ自我を持っているような妻ハリーが、まるで本物と見分けのつかないAIの将来像のようだ。死せる美空ひばりか。
作品は時折り流れるバッハのオルガンが静謐で良い。
「果てしなきスカーレット」が本作のソラリスのうねる波の空の光景を真似しているのが再確認できた。

2025/12/30

2025/12/30

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


脱げない服を着ている妻

スタニスワフ・レムの原作『ソラリスの陽のもとに』では、ソラリスだけを描いているが、アンドレイ・タルコフスキー監督は、地球の描写を序盤に、かなりの時間を割いている。このせいで上映時間も165分と長くなってしまっている。また長回しでゆったり撮っているので、退屈な作品と感じる人も多かろう。しかし、当然監督には、それなりの意図がある。本作の場合、地球とソラリスとの比較もあるだろう。更に主人公・クリスの家族や故郷に対する愛情も描きたかったのではなかろうか。ここの描写は、エンディングを観れば、痛切にその想いが伝わってくるというものだ。

謎の惑星ソラリスは海ばかりで、どうもその海自体が生命体らしい。この海に降り立った者たちに襲い掛かる現象と、それに対処しようとする研究者たちの、様々な葛藤の物語。ソラリスの海は、人間が寝ているうちに、意識下のその人の重要人物(罪の意識)を、お節介にも復元して送り届ける。目的は皆目見当もつかない。クリスの前には、死んだ妻・ハリーが現れる。死んだ人間に対して、どのように接するのか、人それぞれだ。

この星には、スナウト、サルトリウスという学者もいる。二人の前にも何者かが出現しているが、彼らはそれを必死になって隠そうとしている。その理由は、原作でも映画でも分からない。ただ、クリスは隠さない。この妻を、偽物だと分かっていながらも、愛さずにはいられないのだ。ハリーは切らなければ脱ぐことのできない服を着て、追い出してもまた翌朝には現れる。怪我をしてもすぐ再生する。明らかに人間ではない。それでも愛してしまう、人間の感情の不確かさ、弱さが哀しい。ふと、自分だったらどうだろうと考える。私だったら、失った愛する人が現れたら、おそらくそこで、過去はなかったとばかりに、自分に嘘をついて、その人との生活を続けることだろう。人の心は弱いものだ。

また、作り出されてしまった方にも、様々な感情が湧いてくる。ソラリスは、ある程度の形は複製できても、その複製自体の記憶まではさすがに分からないようだ。自分がコピーに過ぎないと知ってしまったハリーの悲しみが、実に切ない。演じるナタリヤ・ボンダルチュクの、何と美しいこと。哀切感がたまらない。

さて、最後のクリスの決断は如何に。彼がどこにいるかは、カメラが引けば、分かる。見せ方も見事なエンディングだ。

1977年キネマ旬報ベストテン第5位。