惑星ソラリス

わくせいそらりす|Солярис|Solaris

惑星ソラリス

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レビューの数

75

平均評点

75.7(393人)

観たひと

648

観たいひと

99

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF
製作国 ソ連
製作年 1972
公開年月日 1977/4/29
上映時間 165分
製作会社 モスフィルム
配給 日本海映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

広い宇宙にはさまざまの生命形態がある。惑星ソラリスも星自体が一つの生命体であり、この異質の生命体と初めて接触した一人類を描く、ファースト・コンタクト・テーマのSF作品。72年カンヌ映画祭審査員特別賞受賞、国際エヴァンジェリー映画センター賞受賞作品。監督は「僕の村は戦場だった」のアンドレイ・タルコフスキー、脚本はフリードリフ・ゴレンシュテインとアンドレイ・タルコフスキーの共同、原作はスタニスラフ・レム(「ソラリスの陽のもとに」早川書房刊)、撮影はワジーム・ユーソフ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフが各々担当。出演はナターリヤ・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス、ユーリー・ヤルヴェト、ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー、アナトリー・ソロニーツィンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

未知の惑星ソラリス。その調査は、プラズマの“海”の理性活動の徴候により行き詰まっていた。海に接触しようとする試みはすべて失敗に終っている。数年前惑星より帰って来た中尉の報告をビデオでみるクリス(ドナタス・バニオニス)は、翌朝、惑星上に浮かぶステーションへ飛んだ。三人の学者のいるはずのステーションは、張りつめた静寂と荒廃の兆。クリスの友人の物理学者は既に原因不明の自殺を遂げており、残された二人--スナウト(ユーリー・ヤルヴェト)とサルトリウス(アナトリー・ソロニーツィン)も何やらおびえ自閉症がかっている。彼らはクリスに二人以外の人影を見ても気にするなという。この謎を解明しようと死んだ友人のクリス宛のビデオを発見するが、海にX線を放射した事以外、謎をとく鍵はなかった。サルトリウスの部屋では他の人影を見、ステーション内を歩く少女を見かけるクリス。やがて眠りにつくクリスが目覚めた時、そこには数年前に死んだはずのハリー(ナターリヤ・ボンダルチュク)がいる。クリスはその女--ハリーの服がチャックもなく着脱不可能なのに気づき、彼女をロケットに乗せ打ち上げた。自室に戻った彼にスナウトはX線放射以後、海は人間の意識下にある人物をここに送り込んでくると話す。案の定、ハリーは戻ってきた。ドアを破って入ってくる彼女。そのための傷はみるみる内に元通りになっていった。図書室でのスナウトの誕生祝いの席上、ハリーは自分達は人間の良心の現われではないかと発言し、考え込む。しばらくしてハリーは液体酸素を飲んで自殺するが、やがて蘇生する。クリスはいつしか彼女を愛の対象と考えるようになった。クリスは今度は自らの意識をX線放射することを提案する。地球の彼の家、母、ハリー。目覚めるクリス。だが、置手紙を残してハリーはいない。クリスの帰還は近づいていた。彼の家の庭、家より出てくる父。今、クリスは惑星ソラリスと邂逅する。海に浮ぶ彼の家と庭や池と共に--。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2003年7月上旬号

特集 「ソラリス」:「惑星ソラリス」と『ソラリスの陽のもとに』

1977年5月下旬号

映画オモチャ箱:第33回 「惑星ソラリス」のエロティシズム

外国映画批評:惑星ソラリス

外国映画紹介:惑星ソラリス

1977年4月上旬春の特別号

グラビア:「惑星ソラリス」

〈座談会〉 光瀬龍×柴野拓美×山田正紀:「惑星ソラリス」から送られたタルコフスキーのメッセージ

2025/11/30

2025/11/30

33点

選択しない 
字幕


難解?クリスの行動が全く理解できず終わりました(^^;;ラストシーンはどういう意味なのか?(^^;;

ソラリス研究に没頭する宇宙ステーションの科学者たちがどんどん死んでいく。原因はソラリスが生み出す擬似人間、この世にいない人を実体化した「ゲスト」が原因なのか。

クリスは亡き妻ハリーを現実と認めようとするが、ハリーは失踪、ラストでは地上の実家が海に飲み込まれていくんだけど、一体なんの象徴なのか(^^;;

精神世界に没入することで現実世界で無気力になる、そんな危うさを思いました(^^;;

2025/11/27

2025/11/29

70点

テレビ/無料放送/NHK 
字幕


ChatGPT以後だと見方が変わる一本

レムは「エデン」「砂漠の惑星」「星からの帰還」などを読んだ記憶があります。地球外生命体とはコミュニケーションが成り立たない、という前提のSFは、派手さは無いものの、好みでした。

ご本人がまだ存命のころ、ワルシャワの本屋には氏の本が何冊も並んでいました。国内でも著名なSF作家だったのでしょう。

映画の方は、前半は静謐というか退屈。日本の首都高のシーンは、意外だが、長い。
後半、コピーロボット?が出てきてから、俄然おもしろくなる。

ChatGPTなどが普通になった今、人間の応対なんてシミュレート出来るとみんな知ってしまったわけで、死んだ人間の再現だって埒内であり、

となると、本作は荒唐無稽では無くなってきます。

ラストシーンは、地球に戻ってきたように見えるものの、家の中に雨が降ったり、死人が生きていたり、いくつか変なところがあって、これはLLMのハルシネーションだと思うと得心。

ソラリスが作った地球の幻影は、またもや完璧では無かったけど、クリスはそれを選んだ。偽物だと分かっていても手に入れたいものがある、みたいな感じでしょうか

※蛇足:Solaris OSというものがあったのも思い出しました。関係は無いようです。

2025/11/25

2025/11/25

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


まいったなぁ・・・

う~ん・・・、何だろうこれ? ストーリーは別に気にせずでいいのかな。53年前の作品なので、映像はきれいだけど、よく分からなかったというのが本音。それに、長いんだよねぇ、途中で飽きてしまった。

2025/11/23

2025/11/23

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


悲しくも美しいお話

映像が美しい。ただ東京の高速の立体交差点が未来都市と言う描写は無理があるな。哲学的な映画で原作を忠実に映像化しているとはいいがたい。ソ連の映画だからかな。プロパガンダ映画のようだ。しかし2時間46分は長すぎ。

2025/11/21

2025/11/21

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕

備忘メモ:
なんなんだぁ、これ、すげえ
AI?妻は既に死んでいるので、目の前の存在はソラリス海が作った(人間とは異なる)創造物だと分かっている。でも、妻の形をしていると、虜になってしまう(赤の他人なら、きっと、存在を消してしまいたくなるだろう)。
愛し方は人それぞれ。後悔や懺悔から自分の身を守る為の愛もある。
妻役の演技が素晴らしい!透き通る様な美人、だからこそ人間味の無さが不気味さも感じさせる。死から蘇生する時の表現が良い。
ライバル?の「2001年宇宙の旅」は圧倒的な映像力で未来を提示した。だが、そこには、多くの人間が信頼を置いている科学的なものがメイン(最初と最後は、宗教がかっているが)、あくまで製作者側が想像出来る世界観なのだ。一方で、「惑星ソラリス」は人間の内面も起こる変化を描いている。ソラリスが代表する宇宙というものは、人知を遥かに超えた存在なのだ。だから、正体は明かさない。ただし、ラストで描いた様に、途方もない力(力と呼ぶのも烏滸がましい)があることが分かる。もはや人間は一体化するしかない。対峙して理解するなど、烏滸がましい。そんな存在だ。
穏やかに波打つ海の方が、深淵で底知れぬ意思を感じてしまう。

未来感を出す為?に、首都高を走るシーン&首都高道路が複雑に交差するシーンが出てくる。当作品の舞台は、ロシアと惑星ソラリスなので、突然首都高が出てきて、日本語の方向指示看板が映されると、日本人としてはビックリしちゃうんだけど、確かに未来感出るなぁ、あの光輝く交差シーンと(ロシア人にとっては)意味不明の漢字は。。。
作品中の4人の宇宙船員のソラリス海の創造物に対する対峙方法が各々違うのが面白い。

2025/11/20

2025/11/20

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


白いブリーフに黒の革ジャン,そして白黒の窓

ここも宇宙の惑星ではある.が,こことはどこなのだろうか.どこもかしこも宇宙に見えるし,実際には宇宙である.しかし映画には宇宙は大して映っておらず,所詮は地球であり,地上であり,日本であり,大陸のどこかであり,セットやスタジオである.にもかかわらずやはり,ここは宇宙の惑星である. 
丸窓が人物の脇に見えている.窓の外がのぞかれる.すると海に波立つ様子の俯瞰らしき映像が挿入されるが,実際には窓の外は真っ黒であったり,後半は光に溢れすぎていて真っ白で何も映っていない.それでもそこは宇宙であるらしい.この丸窓を「ソラリスな窓」と取り敢えず名付けておこう.
動いていなさそうな水中にあって,水草が揺らめいている.微動だにせず立ち尽くす男の中にあって,やや視線が動いている.眼球も窓であるには違いない.クリス(ドナタス・バニオニス)には最後の日が迫っている.クリスの父(ニコライ・グリニコ)は自らの死を予感している.二人の間には窓があったり,なかったりする.その関係はラストシーンでも継続する.無表情の母も涙を流す.ベルトンというソラリスの体験者がその神秘を語る.彼はスクリーンの向こう側に白黒でいたり,こちら側にいたり,車を運転しているのかしていないのか,連れ出した息子とともにみすぼらしく現れている.動物たちもいる.馬がいる.鳥の声や虫の声が聞こえる.こうした動植物は,無期的な宇宙では地球の名残りのようにも見える.メタンという犬が吠える そしてまた馬の視線に戻り,時には耳のクロースアップがある.池の水で手を洗う音が聞こえる.クリスはやがて汚れた手を洗わなければならない,そして草を踏む足音が聞こえる.有機物の音に寄せて,宇宙ステーションでは紙のびらびらが換気口に取り付けられ,葉ずれの音が再現される.天気なのに急に雨が降り出す.テラスのテーブルに用意したお茶が雨に打たれている 燃やされる書類がある.やがて屋内も雨漏りするであろう.
ヒロシマの予感がある.海は脳でもあるらしい.宇宙はどこまでも不安定である.霧のうちに庭が見えるという.妙な電子音も聞こえる.騒音と高速道路もやがて色づき始める.青みがかっているがやはり世界はモノクロでもある.
3人しか残っていないステーションにクリスは来ている.ブーツの紐が解けている.後には背中の紐を解こうとするが,うまくいかないのかハサミが入れらる.3人のうちの1人,スナウト博士(ユーリー・ヤルヴェト)が現れる.ボールが転がり,歌声が聞こえる.死んだギバリャン(ソス・サルキシャン)とラボに篭りっきりのサルトリウス(アナトリー・ソロニーツィン)も現れる.チューブ型の通路や湾曲する壁にも局部の性的な感覚がある.メッセージビデオが残されている.灰とライターがある.クリスが外をのぞいていると画面いっぱいに闇が広がる.白い窓の光もやがて画面いっぱいに拡張するだろう.女性や子供の姿が見える,死体もついでのように見える,鈴のような音が聞こえる.ガラスか金属が割れる音や揺れる音が聞こえる.写真の女性ハリー(ナタリヤ・ボンダルチュク)も動いている.彼女が切り傷だらけになると,クリスは汗をかいている.炎が上がり,宇宙服を着たハリー小型ロケットが発射される.性的にも見える.
眠りと義務が語られる.蝋燭の火も見える.雪の上で火が焚かれている.ブリューゲルの絵が雪景色に重ね合わされる.ハリーの凍死した姿を革ジャンとパンツの姿で見ているクリスがいる.良心としてのお客であるハリーが痙攣しながら復活する.人類と人間,そして地球まで,大風呂敷が広げられる.花があり虫の声も聞こえる.そして母もハリーと交代するように現れている.宇宙的感覚とされ,海に島が生まれる.既に凍ってしまった池には動きがない.