大きな政権交代がなされようとしている時代で,明から清へと入れ替わろうとする,その渦中にヒーローの卵であるリュー(リュー・チアフィ)が,のちのサンテイ(三徳)が巻き込まれていく.彼は問屋の息子に過ぎないが,ものすごいような眼力が見えており,端正な顔立ちと佇まいがあり,ひと目でヒーローであるとわかるぐらいの輝き方をしている.
将軍は,悪い将軍の部下で達人のサンヨ(ウイルソン・タン)と一対一で戦い,死に,路上に縄で吊られ,さらされている.そして追手はサンテイの父も捕まえて拷問にかけようとしている.ヒーローの仇はこのサンヨとして印象付けられ,ヒーローは拳法を身につけるため少林寺に向かう.彼は左足を負傷し,血を流しながらも,麓の茶屋から野菜とともに少林寺の内部へと運ばれていく.こうした運も引き寄せながら,少林寺の千年とされる武術の伝統の中に混ぜ込まれていく.
少林寺には房(部屋,特定の機能を持った空間)という制度が空間的にも行われており,三十五の房があるらしい.しばらくしていきなり「頂房」というトップの房に無謀にも挑戦するサンテイがいるが,その木魚が鳴らされている部屋で,老人の妙な術で吹っ飛ばされてしまう.そのため,一から出直す.最初は食堂へと連なる通路に仕掛けられた罠が房になっている.池に木を束ねた浮きが浮かんでおり,バランスを取って,その不安定な足場を超えてゆかなけば食事にありつけない.次の房は洗濯にも関係しており,水を高所に運び流すことが求められている.一定のスピードで木魚に合わせ竿の先の錘によって鐘を鳴らす房もあるが,眼球運動をやたらに鍛えようとする房に至ってはコミカルで失笑を禁じ得ないが,映画の本質となる視線やヒーローの資質にも関係している.
ヒーローは少林寺にとっても驚異となりながら,また本来の房は市井にあることを暗に示しながら,サンテイは野に下り,仇らとあい見えていく.暴力によって,また房での訓練を応用し,愉快な頭突きとそのつるっぱげの頭による投げで物語を締めくくろうとしている.