エレファント・マン(1980)

えれふぁんとまん|The Elephant Man|The Elephant Man

エレファント・マン(1980)

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レビューの数

73

平均評点

75.8(578人)

観たひと

1055

観たいひと

95

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 イギリス アメリカ
製作年 1980
公開年月日 1981/5/9
上映時間 124分
製作会社 ブルックス・フィルムズ・プロ
配給 東宝東和
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀末のロンドンを舞台に、生まれながらの奇型ゆえ“エレファント・マン”と呼ばれ人間扱いされなかった実在の人物ジョン・ノリックの数奇な運命と彼をとりまく人間たちとの触れ合いを描く。製作はジョナサン・サンガー、監督は「イレーザーヘッド」に続きこれが二作目のデイヴィッド・リンチ、脚本はクリストファー・デ・ボア、エリック・バーグレンとデイヴィッド・リンチ、撮影はフレディ・フランシス、首楽はジョン・モリス、編集はアン・V・コーツ、製作デザインはスチュアート・クレイグ、衣裳はパトリシア・ノリスが各各担当。出演はジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト、サー・ジョン・ギールグッド、デーム・ウェンディ・ヒラー、フレディ・ジョーンズ、ハンナ・ゴードンなど。2020年7月10日エレファント・マン 4K修復版公開(配給:アンプラグド)

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀末のロンドン。ロンドン病院の外科医フレデリック・トリーブス(A・ホプキンス)は、見世物小屋で、“エレファント・マン”〈象人間〉と呼ばれる奇型な人間を見て興味をおぼえた。ジョン・メリック(ジョン・ハート)という名をもつこの男を、フレデリックは、研究したいという理由で持ち主のバイツ(フレディ・ジョーンズ)からゆずり受ける。学会の研究発表では、トリーブスは大きな反響をえるが、快復の見込みは皆無だった。21歳と推定されるメリックは右腕がきかず、歩行も困難、言葉もはっきり発音できないという状態だった。院長カー・ゴム(サー・ジョン・ギールグッド)は、他の病院に移させることをトリーブスに告げるが、メリックとの面会で、彼が聖書を読み、詩を暗誦するのを聞いて感動し、病院に留まるようにと考えを変える。トリーブス夫婦に招かれて彼らの家を訪れたメリックは、トリーブス夫人(ハンナ・ゴードン)が美しく、メリックをやさしく扱ってくれることに感激し、涙を流しながら、誰にも見せたことのない美しい母親の写真を見せた。タイム誌に、メリックのことが報じられ、一躍有名人になった彼は、興昧を抱いた様々な人々の訪問を受ける。舞台の名女優ケンドール夫人(アン・バンクロフト)も、その一人だった。“商売品”を騙し取られたと、反感を持っていたバイツは、秘かにメリックを連れ出しヨーロッパヘ向かった。再び動物のような扱いを受け、容態の悪化したメリックは瀕死のところを見世物小屋の仲間に救われ、やっとロンドンにたどりつく。しかし、人々の好奇な目につきまとわれ、ついに“私は人間だ、動物じゃない”と叫ぶメリック。やっと、トリーブスのもとに戻れた彼は、ケンドール夫人の好意で観劇のひと時を過ごす。感激の時を過ごし部屋に戻ったメリックは、かねてより作り続けていた、窓から見える寺院の模型を完成させ、そこに自分の名を書き込んだ。そして、いつもの寝方であるうずくまって寝る姿をやめ、その夜は、人間たちがやるように仰向けになって眠りにつくのだった。それは安らぎに満ちたメリックの最後の姿であった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年7月上・下旬合併号

1981年、みんなここから始まった:1981年の話題作 「エレファント・マン」

1981年、みんなここから始まった:コラム 「エレファント・マン」と東宝東和

1981年7月上旬号

外国映画紹介:エレファント・マン

1981年6月下旬号

外国映画批評:エレファント・マン

1981年5月上旬号

グラビア:エレファント・マン

特集 「エレファント・マン」:社会的背景

特集 「エレファント・マン」:「エレファント・マン」との出逢い

特集 「エレファント・マン」:海外論評

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特集 「エレファント・マン」:分析採録

1981年4月上旬号

キネ旬試写室:エレファント・マン

2024/02/12

2024/02/13

75点

その他/unext 
字幕


アンソニーホプキンス再発見

初めてジョンメリックの姿を見たときのトリーヴス医師の涙

2023/11/14

2023/11/14

80点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 


良い出来です。

エレファントマン当時最高の視聴率を出したとか。当時の人がどれだけ真剣に視聴したのかは疑問だ。この作品のメッセージ性は非常に強く、人間としての生き方の指針を表している。だが、人々は、やはり興味本位でしかこの作品を見ていない。考えさせられる作品。

2023/09/27

76点

選択しない 


観たがるコチラの心の醜さを映し出す

実話の映画化でその前に舞台劇があった作品。初公開時、はっきり言って、どんな姿なのか興味本位で観に行った。おそらくほとんどの客がそうだった筈だ。そしてその姿を目の当たりにしてショックを受ける以上に、このジョン・メリック氏の美しい人間性、品位に心打たれたと思う。そして己の心の醜さに大いに反省させられるのだ。果たしてどっちが人間性が高いのか。それを気づかせてくれる作品。デビッド・リンチ監督はオープニングだけはおどろおどろしくさせたが、後は至ってオーソドックスで抑制のきいた演出。配慮を感じる。アンソニー・ホプキンス以下英国の名優を配して格調を高くしている。

2022/06/21

2022/07/07

50点

映画館/東京都/早稲田松竹 
字幕


ジョン・ノリックの数奇な人生

公開時かなり話題になったがその時には観ておらず、“公開40周年記念”の4K修復版で初めて観た。生まれながらの奇型で“エレファント・マン”と呼ばれた実在の人物ジョン・ノリックを描いているが、彼が数奇な人生を送ることになったのは、1人の医師(アンソニー・ホプキンス)による単なる好奇心からなのが驚きだ(動機は不明)。それにしても、妊娠中に像に襲われて(犯された?)、あのような奇形児が生まれるものだろうか。製作をメル・ブルックスのプロダクションだと以前知った時には、驚いたが、その妻であるアン・バンクロフトが出演しているのは納得。デイヴィッド・リンチ監督は、「イレーザーヘッド」に続く2作目で、連続して“フリークス”を描いている。【フリークショウとノワール~人間の欲望の棲むところ~:併映「ナイトメア・アリー」】

2022/06/06

2022/06/07

80点

レンタル 


良くも悪くも目立ってしまう存在

ネタバレ

19世紀末のロンドンを舞台に実在した奇形の青年ジョン・メリックの悲劇の人生を、「イレーザーヘッド」のデビッド・リンチ監督が描き、鬼才リンチの名を世界にとどろかせた名作。見世物小屋で「エレファント・マン」として暮らしていた青年メリックの前に、ある日、外科医のトリーヴスという男が現れる。メリックの特異な容姿に興味を持ったトリーヴスは、メリックを研究材料にするため、自分が勤める病院に連れ帰ることに。何も話さず怯え続けるメリックを、周囲は知能が低いと思っていた。しかしある時、メリックが知性にあふれた優しい性格であることが判明するが……。日本では1981年に初公開。

観終わってから知ったのだが、本当にこういう人が実在したことに驚き。すっかり寓話かと思っていた。それも、比較的に忠実に彼の人生を描いているではないか!

お金のためにサーカスで見世物にする興行師も、良かれと思って助けた医師も、どちらも見世物にしていることには変わりはなかった。それでも、奇形の主人公が喜ぶのであれば、私は医師を支持する。上流社会の人々も含めて、それが偽善だとしても。

良くも悪くも目立ってしまうエレファントマンが、最も気の毒だ。好奇の目で彼を見たいと群がる下衆の人々と、かわいそうな人だからとプレゼントを持って日参する上流社会の人々。どちらにせよ、目立つ存在だからなのだ。

最も幸せなことは、彼のような奇形な人も特に目立つこともなく、袋を被らなくてもよいように、誰もが街ですれ違う、行き交うことができることなのだと思う。

2021/11/26

2021/11/26

52点

選択しない 
字幕


初体験

如何にもリンチらしい大袈裟な作りだが、小技が効いていてバランス良く纏めてある。