象がいる.女性の顔がある.それはイメージなのか,記憶なのか.見せ物小屋で,人々の笑い声やざわめき,泣き声が聞こえている.それも幻想のように映り,聞こえている.外科医のトレヴェス(アンソニー・ホプキンス)は
手術室で機械の事故に巻き込まれた男性を処置している.妙なノイズが聞こえてくる.街路でも何か風の吹くような音が聞こえ,靄の中を傘を持ってトレヴィスは歩いている.機械も動き,蒸気も混じっているようである.水が漏れているような音がする.
興行師バイツ(フレディ・ジョーンズ)はエレファントマンことジョン・メリックの所有者であると主張する.カーテンの向こうに現れたエレファントマンを見てトレヴェスは涙を流す.
唸り声や息遣いが聞こえる.頭が大きすぎる,皮膚には腫瘍が多数あるらしいが,肌は見えない.声が聞こえているかどうかも分からない.臭いもあるらしい.ライティングされたステージに上げ,医者仲間たちへの見せ物にもしている.知能はないと判断してはいるものの,トレヴィスはしつこく,しかし威圧的に話しかける.メリックは隔離病棟の屋根裏のような個室に置かれている.食事を与えに来た看護婦がその姿を見て悲鳴をあげている.時計台からは機械的な音が聞こえる.咥えタバコの警備員(マイケル・エルフィック)はこの施設.ロンドン病院を自由に出入りしている.
カー・ゴム院長(ジョン・ギールグッド)や婦長(ウェンディ・ヒラー)はメリックの不気味に畏怖するというよりは,少し気味悪がっているようにも映る.メリックは聖書の詩篇を誦じる知性を見せる.彼は彼で口をきくのを怖がっている.トレヴェスの家に招かれると妻アン(ハンナ・ゴードン)を見て,メリックは美しい女性に感動する.
窓から尖塔が見える聖フィリップ聖堂の模型を作っているメリックがいる.演劇界からケンダル夫人(アン・バンクロフト)がメリックを訪問する.ロミオとジュリエットを朗読し,夫人とやりとりをして,彼はロミオの役をする.夫人により彼の畸形と不幸らしき姿がロンドン中の話題となる.
象の姿が見える.雲の動きが怪しくも現れる.女王陛下からの言葉を伝達しに妃殿下(ヘレン・ライアン)もやってくる.
雨と雷が画面に映じている.メリックはまた見せ物小屋でさらされ,踊れずに倒れてしまい,猿の檻に監禁される.フリークスたちに助けられ,船に乗り,汽車に乗り,再び都市に顔を出す.聖堂の模型が完成する.そのミニチュアも夢だというのだろうか,メリックは,飛び出した後頭部を枕にして眠りにつこうとしている.