ロビー・ミュラーの撮影がすごい。
4年間、妻子を残して失踪していた男の生還という特異な設定。
前半は荒野で見つかった男と男の弟との再会と、息子との関係の再生。
息子との絆を取り戻すきっかけになるのが、昔の8ミリフィルムで、幸せだった頃の映像を見つめる兄弟たちの幸せそうな笑顔がいい。
男に寄り添いつつも、育てた子供を失うことに戸惑いを見せる弟の妻が良い。
後半は、突然息子と、これまた失踪した妻を探すロードムービーとなるが、トランシーバーを介した会話とか、テープレコーダー、マジックミラー越しと、この映画は、大事な話は直接顔を見合わせないで伝えられることが多い。
妻役のナスターシャ・キンスキーが最高の美しさ。
のぞき部屋でのマジックミラー越しの会話が印象的。
息子との愛情あふれる再会シーンが素晴らしい。
2人を再会させるも、自らは身を退く事を選ぶ主人公が切ない。
ライ・クーダーの音楽も素晴らしい。