何度目かなので、少し長過ぎたし、ベルイマン作品としては、冗長で、もう少し短くてもと思ったが、なかなか凄かった。
エクダール家の長男は劇場主であり、次男は借金で首が回らず、三男は女たらしであり、そして、後半はホラーもどきの主教の虐待あり、いろいろあって、最後にはまた家族での祝祭となって納まる。
イングマール・ベルイマンは、世界的な映画の傑作を生みだし、演劇に生き、名声を得たが、幼いころから牧師である父からの虐待を受けて、父と宗教を恨みに思い、5回の結婚と愛人がいて、慰謝料などで金銭的には苦しかったらしい。
しかし、この映画の最後に、祖母のヘレナは、戯曲の中で、人生にはどんなことでもありうる、どんなことでも起こりうると言い、三男のグスタフ・アドルフ(ヤール・キューレ)が、小さな世界でも、たとえ逃避してもいい、人生を楽しめと言う。ベルイマン自身が、最後には父とも和解したとのことで、この境地に達したのだろう。