ローカル・ヒーロー 夢に生きた男

ろーかるひーろーゆめにいきたおとこ|Local Hero|----

ローカル・ヒーロー 夢に生きた男

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レビューの数

6

平均評点

77.5(51人)

観たひと

70

観たいひと

10

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 イギリス
製作年 1983
公開年月日 1986/4/19
上映時間 0分
製作会社 エニグマ・プロ(ゴールドクレスト)
配給 ヘラルド・エース
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

スコットランドの田舎町を舞台に石油コンビナート建造をめぐって村人たちと石油会社の若者が繰り広げる交流を描く。製作はデイヴィッド・パトナム、監督・脚本は日本初登場のビル・フォーサイス。撮影はクリス・メンジス、音楽はマーク・ノップラー、編集はマイケル・ブラッドセルが担当。出演はバート・ランカスター、ピーター・リガートなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカ最大の石油コンツェルン、オックス・オイル・アンド・ガス会社の会長フィーリックス・ハッパー(バート・ランカスター)は、大プロジェクトを計画していた。それは強大な石油精製向上をスコットランドの片田舎の漁村ファーネスに建設しようというものだ。その交渉の重大任務を担当することになったのが若手エリート社員のマッキンタイヤ(ピーター・リガート)。名前がスコットランド系であるという理由だけでだ。ハッパーは天体観測の趣味をもっており、マッキンタイヤに、土地買収交渉と同時に、スコットランドの星空の模様を電話で知らせることも命じた。スコットランドのアバディーンでは、駐在員のダニー・オールドセン(ピーター・キャパルディ)がマッキンタイヤを迎えた。二人は石油化学研究所を見学。そこでマリーナ(ジェニー・シーグローヴ)という美人海洋学者に会う。一目で彼女に惹かれるオールドセン。二人は目的地のファーネスへと向かう。村唯一のホテルに落着いた二人は、オーナーでありウェイターでもあるアークハート(デニス・ローソン)に会う。この村の唯一人の経理士でもある彼は、土地と交換に莫大な金が入ることを二人から聞かされ、協力的な姿勢を示しながらも、交渉の困難さを強調する。村での生活にも馴れ、のんびりと暮らす二人だったが、いよいよ契約が結べるという時になって難問が持ち上がる。湾の浜辺に住む老人ベン(フルトン・マッケイ)が、先祖代々の所有地を手放すことに猛反対なのだ。伝統的な行事、セイドリック祭の夜、空に信じ難いような美しい大流星群を発見したマッキンタイヤが長距離電話でハッパーにそのことを報告。一刻も早く天体観測をしたいとヘリコプターでかけつけるハッパー。その観測の前に、彼は、直接談判するためにベン老人の掘っ建て小屋を訪れた。マッキンタイヤ、オールドセン、そして村の人々が心配する中、やがて、ハッパーとベン老人の笑い声が聞こえてきた。ベンとハッパーは、星の話で意気投合し、ハッパーは大プロジェクトをきっぱりと断念することにしたのだった。自然の中での数日間を経て、マッキンタイヤはヒューストンに戻るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1986年7月下旬号

外国映画紹介:ローカル・ヒーロー 夢に生きた男

1986年6月下旬号

外国映画批評:ローカル・ヒーロー 夢に生きる男

1986年4月下旬号

グラビア:ローカル・ヒーロー 夢に生きた男

特集 ローカル・ヒーロー 夢に生きた男:評論

2022/08/18

2022/08/20

80点

映画館/東京都/ヒューマントラストシネマ渋谷 


懐かしい映画

大学生の頃、最初に映画に夢中になった頃に観た映画。色々なVODに加入しているが、この作品は見当たらなかった。レンタルビデオしかないかなぁと思っていたら、まさかの映画館上映!実に嬉しい。

おおよそのストーリーと、なんだか爽やかな映画だったという記憶があったんだが。ちょっとイメージと違っていた。

不思議なシーンや展開が随分とあった。

単に田舎や自然を好きになるって話じゃあない。実に人間くさい映画なんである。

本当に観られて良かった。懐かしんじゃったな。

2019/10/06

2019/10/06

82点

購入/DVD 
字幕


赤い公衆電話が「どこでもドア」に見える

トレスポ以前のスコットランド。
美しい景色は変わらない。たぶん人もそんなには・・。

港町をテケテケ散歩する白黒犬と、野うさぎエピソードが大好きだ。ベンとハッパーが浜辺の小屋で何を話してたのかが、今も気にかかる。

心と体が疲れ気味のとき、見たくなる(昭和世代..)。

2018/06/18

2018/06/18

60点

選択しない 


寂れた村だけど

寂れた漁村を石油プラントにすべくアメリカからやってきた交渉人のビジネスマン。最初は何にもない土地やそこの人間を見下す向きがあったが、何にもないこの土地をそれはそれで気に入り始める。田舎っぺをなんともバカにした描き方だなと最初感じたけど、住民たちのセリフが後からじわじわ笑える。

2017/01/26

100点

映画館 
字幕


オルセンの日本語に乾杯!!

ネタバレ

以下、大いにネタバレします。

爆笑コメディではないが、鑑賞中クスクス、ニヤニヤ…といった感じのオフビート・コメディ。そして鑑賞後はとても切ない気持ちにさせる珠玉の一本だ。
特に盛り上がりはないものの、まったく無駄なシーンがない。何度鑑賞してもそう感じる。シーンごとにオチを用意した、いわば4コマ漫画をつなぎ合わせたような構成になっているからだろう。

エリートビジネスマンである主人公(マック)は、ヒューストンからファーネスという漁村にミッションをもってやって来る。いくつかの繰り返し扱われるエピソードが少しずつ変化して描かれることによって、主人公と村人たちの心情的な距離が縮まっていることを表現しているところなどは定石ではあるがやはり旨い。何度も登場するバイク少年の暴走や、腕時計のアラーム音がそれだ。

意図的な説明不足(省略)も、むしろ楽しいではないか。
氷河期の実験に失敗した研究所の職員や、セラピストの安否、赤ちゃんの父親、雑貨屋のおばさんとソ連人の関係、マックとゴードンの最後の約束、美女の足に生えた水かき、人魚……。語れば野暮になることを、フォーサイスの脚本はあえて触れずにいる。そこも好きだ。

現地社員のオルセンがあやつる日本語も可笑しい。明らかに間違っている言葉もあるが、遠いスコットランドの映画がグッと身近に感じられるではないか。アザリサではなく、アザラシだよ。オルセン君。

人間関係がドライなのは英国周辺映画によく見られる気がするのだが、これも私の趣味にあっている。それは特に別れのシーンによく表れている。マックはステラに挨拶もしないのだ。切ないね。

切ないといえば、何と言ってもラストカット。あの電話ボックスを見るためにロケ地の漁村を訪れる人があとを絶たないわけだ。ちなみに映画の電話ボックスは撮影用であって、現在は観光客用に作り直した電話ボックスが立っている。映画とは位置が違うのが、ちょっと残念だな。

そして忘れてはいけないのが、マーク・ノップラーの音楽。私にとってこの映画の魅力の半分は音楽に拠っている。

この映画をスクリーンで観たのはおよそ30年前だが、私のベストムービーであります。

2007/06/15

2013/12/16

92点

レンタル/DVD 


不思議と気持ちの良い波長の映画。

ネタバレ

物語は米国石油資本が石油精製工場建設のために、スコットランドの小さな漁村を地上げしようというストーリー。ビジネスのロジックで作ると結構ドライでシビアな映画になりそうなテーマである。

この映画ではそういうテーマを実に面白く取り扱っている。地上げというと、「利益のために住民も自然も踏みにじる企業側と抵抗する住民たち」のような構図がうかぶ。

しかし、地上げするノックス社社長ハッパー(バート・ランカスター)はビジネスより天体観測の方に興味があるらしい。バート・ランカスターのとぼけた社長ぶりは一見の価値ありで、ののしることが治療という妙ちくりんなカウンセラーにかかっているところを見るとストレスも結構あるらしい。経営会議では居眠りして大いびき、社長室にはスイッチ一つで登場するプラネタリウムを備え、主人公マッキンタイア(ピーター・リーガート)がスコットランドに向かうときも、買収のことは全然頭になく、スコットランドの星空の様子をレポートするように嬉々として命じる。地上げする側にはシビアでビジネスライクな感じが微妙に、ない。

一方の、地上げされる側の漁村の住民たちもまたおかしい。抵抗するかと思えばさにあらず、マッキンタイアが現れた瞬間から金の話で持ちきりになる。素朴な漁村の老人がロールスロイスを買うかマセラッティを買うか議論している姿がおかしい。企業と村人の仲介役のホテル主人兼会計士のゴードンもいかに高く吹っかけようかと虎視眈々。漁村に大金をもたらすマッキンタイアはまさに突然現れたヒーローである。要は買収する側される側の様子がそれぞれ逆転してしまっている。

この作品のほのぼのと気持ちの良い波長は、地上げというエゴがむき出しになりそうテーマを選んでおきながら、善悪や正しい正しくないというような判断がどこにもされていないことが原因なのかもしれない。ビジネスマインドのない社長もOK、金持ち願望丸出しの住民もOK、ピンはねを画策する会計士も全然OK。悪意を振りまく人間も、正義を叫ぶ人間も出てこない。

そんなドラマの中心人物マッキンタイアは飄々と淡々と仕事を進めていくが、徐々に村の風情になじんでいく。スーツ姿がノーネクタイになり、村人たちと同じようなセーター姿に変わっていく。ヒューストン本社の会議時間に変なアラームを鳴らす腕時計は海岸の岩場に忘れ去られて海の中に。ホテルの入り口でなぜか必ず轢かれそうになるオートバイをよけるタイミングもつかんできた頃、マッキンタイアはゴードンに一度だけ「このまま村に残りたい」と伝える。

唯一、買収に応じない老人ベンと漁村に自らやってきたハッパーが星の話で意気投合し、買収計画は予想外の方向に変更。役目を終えたマッキンタイアは、やはり最後まで淡々と、特に執着することなく村を去っていく。

ラストの2カットはスコットランドの漁村での出来事を猛烈に懐かしく感じさせる素敵なシーンで締めくくられる。

続けて2回観た後に、ジワーと素晴らしさが伝わってくる、とっても気持ちのよい作品であった。

1986/04/28

2013/07/10

75点

映画館/東京都/シネセゾン渋谷 
字幕


佳作

1986年4月28日に鑑賞。東京・シネセゾン渋谷にて。

ビル・フォーサイスの佳作である。