不滅の恋 ベートーヴェン

ふめつのこいべーとーべん|Immortal Beloved|----

不滅の恋 ベートーヴェン

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レビューの数

11

平均評点

68.3(95人)

観たひと

171

観たいひと

16

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 アメリカ
製作年 1994
公開年月日 1995/12/1
上映時間 0分
製作会社 アイコン・プロ
配給 ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演ゲイリー・オールドマン Beethoven
イザベラ・ロッセリーニ Countess Anna Marie
ヴァレリア・ゴリノ Julia Guicciardi
ヨハンナ・テア・シュテーゲ Johanna Van Beethoven
ジェローン・クラッペ Anton Schindler
マルコ・ホーフシュナイダー Karl Van Beethoven
Luigi Di Berti Count Guicciardi
Matthew North Young Karl Van Beethoven
Leo Faulkner Young Beethoven
ミリアム・マーゴリーズ Frau Streicher
Gerard Horan Johann Van Beethoven
Fintan McKeown Beethoven's Father
Rory Edwards Count Gallenberg
クラウディア・ショルティ Theresa von Brunsvik
Geno Lechner Josephine von Beethoven
クリストファー・フルフォード Casper Van Beethoven
Hannes Flaschberger Count Deym
アレクサンドラ・ピッグ Theresa van Beethoven
Sandra Voe Frau Frolich

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

生涯を独身で通した楽聖ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンが、その遺書で触れた“不滅の恋人”の謎に迫るミステリー・ロマン。現代最高の指揮者サー・ゲオルグ・ショルティが音楽監督としてロンドン交響楽団を指揮し、ヨー・ヨー・マ、エマニュエル・アックス、マレイ・ペライアら当代一流の演奏家による全曲新録音の名演が全編を彩る。監督・脚本は「危険な遊戯/ハマースミスの6日間」「キャンディマン」のバーナード・ローズ。製作は「ブレイブハート」のブルース・デイヴィで、エグゼクティヴ・プロデューサーも同作のスティーブン・マクヴィーティ。撮影は「恋におちて」「M(エム)バタフライ」のピーター・サシツキー、美術はチェコのベテラン、イリー・フルピー、衣装は「ハムレット」(90)や、「そして船は行く」「ボイス・オブ・ムーン」のマウリツィオ・ミレノッティが担当。出演は「レオン」「告発」のゲイリー・オールドマン。共演は、本作がきっかけで彼と婚約した「ブルー・ベルベット」「ワイアット・アープ」のイザベラ・ロッセリーニ、「ホット・ショット」「ホット・ショット2」のヴァレリア・ゴリノ、「ミーティング・ヴィーナス」のヨハンナ・テア・ステーグ、「逃亡者(1993)」のジェローン・クラッベほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1827年、ベートーヴェン(ゲイリー・オールドマン)が世を去った。その遺書には、「私の楽譜、財産の全てを“不滅の恋人”に捧げる」とあったが、それが誰を指すのか、誰にも分からなかった。彼の弟子で親友のアントン・シンドラー(ジェローン・クラッベ)は、莫大な財産を欲しがる親戚たちを説き伏せ、ベートーヴェンの本当の心を知るため、彼女に当てた3通の手紙を手掛かりに“不滅の恋人”を捜し始めた。まず最初に訪ねた女性は、ベートーヴェンより14歳年下のジュリエッタ・グィチアルディ伯爵夫人(ヴァレリア・ゴリノ)だった。20年前、17歳だった彼女は、演奏会で初めて聴いた彼の情熱的な音楽に瞬く間に虜になった。名のある音楽家と、粗野で洗練されていない振る舞いの、その落差の間で気持ちが揺れ動くが、ピアノを教えに家に来るベートーヴェンの魅力に次第に心引かれる。だが、彼女に聴覚障害があることを試された彼は怒り、以来、生涯会おうとはしなかった。シンドラーは次に、ハンガリーの伯爵夫人アンナ・マリー・エルデーティー(イザベラ・ロッセリーニ)を訪ねる。ベートーヴェンがピアノ協奏曲第5番『皇帝』を披露しようとオーケストラの指揮をとるが、既に耳が聞こえず音が会わないために聴衆から失笑を買った時、客席から立ち上がり彼を助けた勇気ある女性だ。この出来事がきっかけで、二人はアンナの屋敷で幸せな一時を過ごす。シンドラーの熱心な調査に、ベートーヴェンとの長年の確執を抱え、その財産を当てにしている貴族たちは不愉快さを隠さなかった。幼少の頃から父の暴力を受け、ピアノのレッスンを強いられてきたベートーヴェンは、家族に屈折した愛情を抱いていた。弟カスパール(クリストファー・フルフォード)とその恋人ヨハンナ(ヨハンナ・テア・スーグ)が結婚すると聞いた時も、彼女を娼婦扱いする怒りようだった。肺病でカスパールが亡くなった後は、息子カール(マルコ・ホフシュナイダー)の養育権を巡ってヨハンナと裁判で争い、勝ち取るとピアニストに育てるべく自分の全てを与えようとする。しかし、カールは伯父からのプレッシャーに耐えられず、自殺を図る。やがて、シンドラーはある結論にたどり着く。ベートーヴェンが愛した女性はヨハンナで、彼が溺愛したカールは彼の子であった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1996年2月上旬号

劇場公開映画批評:「不滅の恋/ベートーベン」

1995年12月下旬特別号

不滅の恋 ベートーヴェン:作品評

不滅の恋 ベートーヴェン:バーナード・ローズ監督 インタビュー

グラビア 《New Releases [新作映画紹介]》 :不滅の恋 ベートーヴェン

2019/03/04

2019/03/04

5点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


不快だし映画としても下手過ぎる

オープニングは死の床のベートーヴェン。《荘厳ミサ》~「キリエ」が流れ、ラスト葬儀のシーンで「アニュス・デイ」となるのはいい。Op.130の「カヴァティーナ」が使われるのもいい。《皇帝》第2楽章は映画でよく使われるが音楽だけ聴くよりも映像と一緒の方が美しいかもしれない。
《クロイツェル》の描写もいいかな?史実の黒人ヴァイオリニストや《クロイツェル》の本質を愛欲と絡めたのはトルストイの小説を引用したのかもしれない。
だがベートーヴェン好きには絶対に許せない捻じ曲げ、歴史歪曲、捏造については弾劾しなければならない。甥っ子カールの母親が「不滅の恋人」で、カールがルートヴィヒの実子だったなんて大嘘ですから。ショルティは脚本読まなかったのだろうか?
大のベートーヴェンマニア、ロマン・ロランのベートーヴェンをモデルにした教養小説《ジャン・クリストフ》にも、若き日のクリストフの恋人が弟とも付き合っていて、クリストフが激怒するエピソードがあるが、これは高潔な人間と下劣な人間の対比を描いているのであって、この映画で描かれるような事はあり得ない。
ヨハンナ(カールの母親)は第九の初演に接してベートーヴェンを理解したと言うが、テプリッツでの逢引は第九よりずっと昔のことじゃないですか!
《皇帝》協奏曲はベートーヴェンがピアノを弾かなかった初めての曲、ウィーンでの初演はチェルニーだし、この映画ではベートーヴェンが弾いて大失敗してるのに、その後もピアノトリオを演奏したりと描き方が杜撰過ぎる。
「日本は太平洋戦争でアジアを侵略しなかった」級の大嘘音楽家「伝記」映画、というかバーナード・ローズによるベートーヴェンのファンタジー映画というベきか。

2018/05/23

2018/05/25

74点

その他/TSUTAYAディスカス 
字幕


クラシックも楽しめる

どこまでフィクションなのか分からないけど、甥っ子を溺愛していた事実から、発展させたのかな?
.
でも、あの性格が構成された理由としては頷ける。
.
それだけ不滅の恋だったんだな…
.
.
ゲイリー・オールドマン、熱演やった。

2018/01/10

2018/01/12

60点

その他/GYAO! 
字幕


偉人が身近になる

ネタバレ

恥ずかしながらヴェートーヴェンが耳が聞こえなかったとは知らなかった。
いい映画だった。音楽の先生だったら見せてあげたい。

2017/02/12

2017/02/12

100点

VOD/GyaO! 
字幕


三度の鑑賞はさらに深く胸を揺さぶる

作曲をする時に思う事は
とても個人的な事なのだと
弟子に解くベートーベンのその台詞
喜びの唄を演奏するオーケストラの真ん中で聞こえない耳の代わりに目を閉じて
演奏を心で聴くと
少年時代の
あの場面が蘇る
父親からの虐待を逃れて
星の降る川に仰向けに
漂う少年のベートーベンが
星と一体化する
束の間父親の呪縛から解き放たれ
何処までも自由にこの身を揺蕩う
それは歓喜の瞬間だった

ゲイリー・オールドマンの凄いを超えた演技力
カールに絶縁の手紙を渡された後の
あの佇まいだけで
胸が潰れる

生涯本気で愛した人 この悲劇
これはすれ違いの美学
スープの蓋を開ける前に砂糖菓子の方に目を向けていたなら
あの手紙の文字がもう少し見えたなら
あの手紙に気付いてたなら
その手紙に気付いて手に取っていたなら
……
何度見ても
衝撃は変わらない
それどころか
さらに激しく魂を揺さぶられる
それが名作なのだ

2016/08/20

2016/08/20

100点

選択しない 
字幕


名曲『月光』から浮かび上がる悲愴

ゲイリー・オールドマンがどんなに
猟奇的な殺人犯や女子供も容赦無く
射殺する悪徳警官を演じようと
誠実で心根の優しさを私に確信させ
心に深く刻んだ作品となった

この作品をきっかけに婚約を交わした
イザベラ・ロッセリーニとのシーンで
彼女が何気無く肩に置いた手に気付き
顔を上げるゲイリー
人間誰もが善と陰を持ち合わせる
ベートーヴェンを演じてる
ゲイリー・オールドマンを通じて
役柄を越えた人間性が滲みでた
瞬間だ
こんな事は滅多にお目にかかれない
理屈ではなく心に響いたのだ
説明のつく演技力の深さをみせる俳優は山ほどいるが
そんな演技ができるのは今のところ彼だけだ

端から見れば
意味不明な私のこの感覚は
言葉で説明出来できない

演じる事で観客のひとりに見せる奇跡とでも言おうか

映画の序盤でベートーヴェンが
少しずつ失われて行く聴覚に
縋るようにピアノに耳を当てて
弾く『Moonlight sonata』
この曲を聴くたびに蘇る
その時の表情から 浮かび上がる
悲愴 その素晴らしさよ

2016/07/22

2016/07/23

7点

選択しない 
字幕


いかに映画とはいえ、これはないよ!

不滅の恋人が甥っ子カールの母親だとしてるんだぜ!あり得んでしょ。ふざけんな!だよ。ベートーヴェンがカールを溺愛したのは実子だったからだと!
制作された1994年にはアントーニア・ブレンターノだったと判明していたはずだが。その方が映画としても面白かっただろうに、これではアントーニアのことは全く触れられていない。

ショルティ指揮のベートーヴェンを使うのも疑問だな。94年にはピリオド奏法は常識だったはずなのに。

ただ耳の聞こえないベートーヴェンがピアノの蓋に耳を押し付けて「悲愴」を弾くシーンは切ない。
ここのゲーリー・オールドマンはいい。死の床の描写は笑えるひどさだが。