スモーク(1995)

すもーく|Smoke|Smoke

スモーク(1995)

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レビューの数

84

平均評点

78.1(509人)

観たひと

792

観たいひと

75

(C) 1995 Miramax/N.D.F./Euro Space

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ 日本
製作年 1995
公開年月日 1995/10/7
上映時間 112分
製作会社 ユーロスペース=NDF/ピーター・ニューマン=インターアル
配給 日本ヘラルド映画
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ニューヨーク、ブルックリンの街角の煙草屋に集う三人の男を巡るさまざまな物語を綴る、ユーモアと人情味あふれる人間ドラマ。香港出身の監督ウェイン・ワン(「ジョイ・ラック・クラブ」)と現代アメリカ文学を代表する小説家の一人ポール・オースターの協力から生まれた映画で、脚本はオースターの短編『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』(邦訳は新潮文庫『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』に所収)をモチーフに彼自身が執筆。日本の配給会社ユーロスペースと海外向け映画企画開発会社で「ハワーズ・エンド」などに参加しているNDFの製作で、エクゼクティヴ・プロデューサーにミラマックス・フィルムズのボブ&ハーヴェイ・ウェインスタイン(「プレタポルテ」)とNDFの井関惺、製作はユーロスペースの堀越謙三(「コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗って」)、黒岩久美、ピーター・ニューマン、グレッグ・ジョンソン。撮影は「真夜中のカーボーイ」でアカデミー撮影賞を受賞した「フレッシュ」のアダム・ホレンダー、音楽は「ジョイ・ラック・クラブ」のレイチェル・ポートマン、美術は『ネイキッド・イン・ニューヨーク』(V)のカリナ・イワノフ、編集は「ジョイ・ラック・クラブ」のメイジー・ホイ。出演は「ピアノ・レッスン」のハーヴェイ・カイテル、「最高の恋人」のウィリアム・ハート、新人ハロルド・ペリノー・ジュニア、「プレタポルテ」のフォレスト・ウィテカー、「私に近い6人の他人」のストッカード・チャニングほか。挿入曲はスタンダード・ナンバー『煙が目に染みる』のカバー・ヴァージョンとトム・ウェイツの『Downtown Train』『Innocent When You Dream』。95年ベルリン映画祭金獅子賞受賞。95年度キネマ旬報外国映画ベストテン第2位。2016年12月17日よりデジタルリマスター版が上映された(配給:アークエンタテインメント)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

オーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)はブルックリンの街角で煙草屋を営み、毎日欠かさず店の前の街を写真に撮ることを趣味にしていた。その店の常連で作家のポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)は数年前に妻を強盗の流れ弾で失って以来、仕事が手につかない。ぼんやりとして車にはねられそうになったポールはラシードと名乗る少年(ハロルド・ペリノー・ジュニア)に助けられ、彼は感謝の印に家に泊めてやる。少年は数日で出ていったが、その数日後に少年の叔母が来た。彼の本名はトーマスで、行方不明で心配しているという。そのトーマスは子供の頃生き別れになった父サイラス(フォレスト・ウィテカー)のガソリン・スタンドに行き、本名を隠して掃除のバイトをする。ポールを再訪したトーマスは、実は強盗現場で落ちていた六千ドルを拾ったのでギャングに追われていると明かす。ポールはトーマスを家に置き、オーギーに頼んで店で使ってもらう。トーマスはオーギー秘蔵の密輸キューバ葉巻を台無しにしてしまうが、例の六千ドルで弁償するというのでオーギーも許す。オーギーの所には昔の恋人ルビー(ストッカード・チャニング)が来ていた。実は二人には娘(アシュレイ・ジャッド)がいて、18歳で麻薬に溺れていた。オーギーは娘を麻薬更生施設に入れる資金にしろと、例の弁償の金をそっくりルビーに渡した。ある晩、トーマスに盗んだ金を持ち逃げされたギャングがポールの家を襲う。外から様子を察したトーマスは姿を消す。負傷したポールとオーギーは息子同然のトーマスの安否を気づかうが、彼は電話で無事を告げてきた。二人はサイラスの所でバイト中のトーマスを訪問し、彼に親子の名乗りをさせる。晩秋、ポールにニューヨーク・タイムズ紙がクリスマス向けの短編を依頼してきた。ネタがないと困るポールに、オーギーは自分の14年前のクリスマスの体験を語って聞かせる。帰宅したポールは『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』の原稿に取りかかる。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017年1月上旬号

「Smoke デジタルリマスター版」:インタビュー 井関惺[製作総指揮]

2016年12月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「スモーク デジタルリマスター版」

1995年12月上旬号

外国映画紹介:スモーク

1995年11月下旬号

劇場公開映画批評:「スモーク」

1995年10月下旬号

グラビア 《New Releases [新作紹介]》 :スモーク

特集 スモーク:ポール・オースターと「スモーク」

特集 スモーク:ポール・オースターと「スモーク」

2025/05/12

2025/05/20

85点

VOD/U-NEXT 
字幕


ハーヴェイ・カイテルの感動の長台詞。

ネタバレ

原作はポール・オースターがニューヨーク・タイムズの載せた短編小説。ウェイン・ワン監督が気に入り、
映画化を望んだ話(Wiki)がトントン拍子に進み、オースター自身が映画脚本を書き上げて実現した。元に
なった短編小説のパートはエンディングでモノクロームで再現される。めずらしい経緯と構成で、人々の心
を感動させる話の手の内を明かしながら、さらなる感動を呼ぶ。

ともかく足に地がついた人物造形が素晴らしい。ブルックリンの片隅で煙草屋を営むオーギー・レン(ハー
ヴェイ・カイテル)は、カメラが趣味。ところが定点観測の記録なのだ。店の道路向いから三脚を立てて、
朝の同じ時間にシャッターを切る。それが4000日の4千枚の写真。しかし一枚として同じ者はない。町と
人の息づかいそのもの。煙草屋の常連の小説家ポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)は、数年前に
銀行強盗の流れ弾で妻の命を失っていた。以来、彼のスランプは続く。ひょんな事で、オーギーの膨大な
写真アルバムから、亡き妻の姿を発見し、涙する。
このポールをクルマの衝突から救った黒人少年ラシードが登場する。ポールは感謝の意味で彼を家に泊
める。虚言癖があるが、可愛げもありポールは当惑気味。少年の本名はトーマス・コール。生き別れとなった
父親サイラス(フォレスト・ウィテカー)の自動車修理工場を訪れる。サイラスは自分の息子とも知らずに雑
に扱う。トーマスはオーギーの店で働くが、高級葉巻をダメにしてしまった。彼は顔見知りが強盗を行って、
道に落とした紙袋の現金を拾った。その金で葉巻の損害を弁償する。別に金が欲しかったわけではない
オーギーは、別れた妻が麻薬に溺れいた娘に困惑していたので、施設に入れろ、と巡ってきた金を渡す。
金を巡っては、取り返しにやって来た不良たちに、ポールはトーマスの代わりに殴られてしまう。
それでもポールとオーギーは、サイラスとトーマスの間に立ち、親子の名乗りをさせる。

久しぶりのに小説の新聞掲載に、ネタに困ったポールはオーギーに、何かクリスマスにまつわるいい話が
ないか、おねだり。それがオーギーが盲目の老婆の家に孫になりすました話。互いにだましだまされ、素敵
なクリスマス・イブを送り、オーギーがカメラを手にするきっかけともなる。
すべてがつながり、極上の人情話に涙する。名作だね。

2025/02/22

87点

VOD/U-NEXT 
字幕


煙の重さ

ブルックリンで小さな煙草屋を営むオーギー。
オーギーの店の馴染み客で作家のポール。
自動車に轢かれそうになったポールを助けた訳ありの青年トーマス。
古びたガソリンスタンドを経営する片腕が義手のサイラス。

それぞれに事情を抱えながらも、前に向かって生きていく人々の物語。
とりたてて大きなドラマが展開するわけではない。
が、ひとつひとつのエピソードが心にじんわりと響く。
特にオーギーの語る物語が印象的だ。

彼は毎朝同じ時間に同じ場所で写真を撮り続けている。
その数は4000枚に達している。
彼が写真を撮ることになったきっかけは後半に明かされるが、何故彼がその場所で写真を撮り続けているのかは曖昧だ。
彼はそれを自分の一生の仕事だと信じている。
そして彼が撮った写真の中には、銀行強盗に巻き込まれて命を落としたポールの妻の姿があった。

人生はおそらく楽しさや嬉しさよりも、苦しみや悲しみの方が多い。
そして人は大なり小なりその辛さを独りで抱えて生きている。
この映画は敢えて彼らの悲しみや苦しみのエピソードを、観るものの想像力に委ねている。
どこか達観しているように見えるオーギーにも、かなり辛い過去があったはずだ。

かつてのオーギーの恋人ルビーが、彼に助けを求めるシーンも印象的だった。
彼女の娘は麻薬中毒に陥っていた。
おそらく娘の父親はオーギーではない。
しかし、ルビーは父親として娘を助けて欲しいと頼み込む。
そしてオーギーは自分が父親でないことを承知の上で、ルビーを助けようとする。

オーギーは粗野なところはあるものの、何だかんだでお人好しだ。
そして彼の人懐っこい笑顔に心を掴まれてしまう。

おそらくこの映画の感動の正体は、オーギーの生き方にあるのだと思う。
人生は苦しいものだが、それでも生きるに値する。
それはオーギーのような無条件で寄り添ってくれるような相手に巡り会えるからだ。

「秘密を分かち合えない友達なんて、友達と言えるか?」
「それが生きることの価値だ。」

エンドロールで描かれる、オーギーの物語も感動的。
このクライマックスにすべての感動が集約されていると言ってもいい。
個人的にはこのオーギーの役が、ハーヴェイ・カイテルのベストだと思う。
静かだが言葉に深みのあるポール役のウィリアム・ハートの存在感も印象的だった。

2025/01/31

2025/01/31

85点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


備忘メモ:
N.Y.ブルックリンの街角に、こんな人情劇が存在するんだぁ、と嬉しく心温まる作品。洋の東西を問わず、寅さん的な世界観に人は癒されるのだと実感した。
登場人物一人一人に感情移入出来てしまう。
以下、一人一人の描写をしたい。

特にラストの2つの会話シーンが心に染みる。オーギー(ハーヴェイ・カイテル)とポール(ウィリアム・ハート)は穏やかにシーンだけど、二人の最高の役者の火花散る演技合戦も感じた。白黒でのオージーとお婆さんのクリスマスは、涙とは違う感動を呼び起こす。

2024/12/17

2024/12/17

80点

VOD/その他/購入/テレビ 
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眠くならない

良い映画は眠くならないし時間が経つのが早い。それにしてもスモークだけにやたらタバコ吸ってんな。

2024/10/24

2024/10/24

60点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


煙がつながる口

みながみな,多いにタバコを吸っている,というわけではない.曇り空に灰色に見えるビル,そして手前には銀色の車体の電車が走っている.ブルックリンの柄や治安は悪いようだが,なんだか人情が感じられる.下町とでもいうのだろうか,街角にはタバコ屋があり,そのタバコ屋を営むオーギー(ハーヴェイ・カイテル)はそのタバコ屋で写真を撮り続けている.彼も当然にタバコを吸っている.彼は最後にクリスマスに起こった嘘のような本当のような話をしている.その相手はそこそこに売れてるような売れていないような作家のポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)である.作家を前にしたオーギーの話に引き込まれるようにしてキャメラはゆっくりとオーギーの顔面に,そしてその口元によっていき,クロースアップで大写しにしている.そしてそれを見ているポールの目元のアップに切り替えられる.そこで,二人はタバコを吸いはじめる.
ポールが車に轢かれそうになるのを助けたラシード(ハロルド・ペリノー・ジュニア)は,逆にポールに匿われている.彼は黒人仲間の犯罪に立ち合い,目をつけられており,黒人とは交わらない白人社会に逃げ込もうという一つの戦術を実践している.ラシードは本を読む,絵を書く,彼は何者かになろうとしてるのだろうか.そしてサイラス(フォレスト・ウィテカー)に会いにいく.サイラスの左腕は義手のようであり,フック船長のようでもある.ある偶然か必然かによって,サイラスとラシードとポールとオーギーは顔を合わせ,ちょっとした乱闘もしながら,食卓を囲んでいると,中には葉巻を口にしている男がいる.
オーギーには,ルビー(ストッカード・チャニング)という恋人がおり,彼女は突然に18年ぶりに店を訪れる.彼女は左目にアイパッチをしている.そして彼女は,二人の間に娘フェリシティ(アシュレイ・ジャッド )がいることを主張し,娘に会いにいく,フェリシティは,悪態をつきながら,タバコをふかしている.
誰もが少しずつ傷んでいるように見える.タバコはそうした傷の痛みを麻痺させるべく吸われているというわけでもなさそうである.「秘密」や物語を分かち合うようにして,煙は吸うものたちを,それを吐き出す口によってつなげてしまうのである.

2024/10/11

2024/10/12

70点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


上手い嘘から良い物語ができる実例

妻を強盗犯に殺されて以来スランプの小説家ポール(W・ハート)が少年ラシード(H・ペリノーJr)と知り合うが、
ラシードは偽名で素性を隠している。

ラシードは自分を捨てて出て行った父親サイラス(F・ウィテカー)の居場所を最近聞いて、
偽名で父のガソリンスタンドで働いたりする。

ポールが常連の葉巻屋の男オーギー(H・カイテル)の所に、
約20年前に恋人だったルビー(S・チャニング)が突然現れ、
彼の子供ができていた事と、その娘が不良と同棲して麻薬中毒で妊娠中だから助けてほしいと言われるが、
本当にオーギーの娘かはハッキリしない。

オーギーがポールに話した実話も、
作り話(=物語)かもしれない。

以上のように、
「ウソ」あるいは「ウソか本当か判らない」という状況にある人間関係を描いている。

劇映画の「物語」自体が一種の「ウソ」なので、
ウソを前面に出すことで、物語色が強くなり、
それが「良い物語」の映画との印象につながったと思う。