冒頭、中間、終盤にウンザリさせるシークエンスがある
サリー・フィールドは好きだ。思春期の頃、TBSで放送していた「いたずら天使」「ギジェットは15歳」に夢中になった。決して美人じゃないのに引き込まれる。ただ彼女が成人してからの代表作《ノーマ・レイ》《プレイス・イン・ザ・ハート》みたいなのはあまり好きじゃない。とてつもない演技派女優だと思う。そんなサリー・フィールドに何にもさせず、映画はひたすらロビン・ウィリアムズの女装芸を追う。
初めの方で、女装してバーブラ・ストライサンドのモノマネをしてるが、アメリカ人には爆笑もんだろうと感じた。私にはアメリカの日常生活のバックボーンがないのでわからない。
清水ミチコが瀬戸内寂聴、小池百合子、デヴィ夫人を次々マネていく感覚。2時間のこの映画を見るより清水ミチコの芸を見てる方が私には笑える。
冒頭のロビン・ウィリアムズが自宅に動物を連れ込む狂騒シークエンスで見続ける気が失せる。この人、病気だよ。いくら子供達が喜ぶからってそんな事、後先考えずにずっとやってきた、その結婚生活たるや妻にとっては悲惨でしかない。
中盤の離婚後、ロビン・ウィリアムズのアパートに調査のために来た家庭訪問員の前で男と女を演じ分けるドタバタ、終盤のレストランでの同じギャグが、まったく面白くない。見てるのが辛い。
それと、これはまったく別の話だが、ロビン・ウィリアムズの最期を知ってるとちょっと悲しくなってくるのです。
桂枝雀にしても、笑いという「芸」を追求する人達は大変な仕事をしていると思う。松任谷ユーミソさんも長生きして下さい。