Black Box Diaries

ぶらっくぼっくすだいありーず|----|----

Black Box Diaries

レビューの数

13

平均評点

79.8(67人)

観たひと

91

観たいひと

6

(C)Star Sands , Cineric Creative , Hanashi Films

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー
製作国 イギリス=アメリカ=日本
製作年 2024
公開年月日 2025/12/12
上映時間 102分
製作会社 Hanashi Films=Cineric Creative=スターサンズ
配給 スターサンズ=東映エージエンシー
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 16:9
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第97回アカデミー賞で、日本人監督初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた注目作。ジャーナリスト兼映像作家の伊藤詩織が自らカメラを回し、2015年に自身が受けた性被害を機に、社会の沈黙や偏見、圧力と向き合い続けた姿を、本人の視点から描き出す。2017年の記者会見以降、8年にわたる製作期間を経て完成した。本作は、世界60か国以上で上映されたが、日本では当事者から指摘を受けた箇所などを修正した「日本公開版」を上映する。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

2015年4月3日、ジャーナリストを目指す25歳の伊藤詩織は突然、思いもよらない被害を受ける。それは、“同意のない性被害”だった。伊藤は実名を公表し、この事件と立ち向かうことを決意。そこから彼女の世界は一変する。性暴力の被害を受けた一人の女性が、自身に起きた事実を記録しながら、社会の壁を少しずつ打ち壊していく。声を上げ続ける痛みを通じ、理不尽な世界とそこで見せる希望の光を、圧倒的にリアルな映像で描き出す。世界が見つめ、社会の心を揺さぶったひとりの女性の“沈黙”と戦う旅が幕を開ける。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2026年1月号

10のコラムでふりかえる映画界2025:⑩ 伊藤詩織監督「Black Box Diaries」、長い“沈黙”を経て公開へ

連載 金平茂紀の「あなたは・・・・・」:第7回 ゲスト 伊藤詩織[「Black Box Diaries」監督]

2026/01/15

2026/01/28

90点

映画館/神奈川県/横浜ブルク13 


素直さを素直に受け止めればよいのではないか

ドキュメンタリーとはいえ、一本の映画なので、そこには当然、作り手の「意図」や「作為」があるはずだし、むしろあるべきなのだが、だからこそ尊いのではないか。

長年いろいろな人を見てきたというだけで論評するのはよくないのだけれど、この作品が作品として完成し得たのは、ある意味伊藤詩織さんの「素直さ」ゆえではないかと思う。
素直だからこそ、あんな形で事件の当事者にされてしまい、素直だからこそそのあとの警察含めた社会の対応に憤り、打ちのめされ、それでも、素直だからこそ、なんとかして自分の被害を認めさせ、その戦いを通じて、社会を少しでもいい方に変えたいと思ったのだと、直接知っているわけでもないのに、そんな風に感じた。

映画を作りながらも落ち込み続け、泣き呻き続け、加害者の顔を見ることに慄え続け、それでも、逃げず、素直に立ち向かい続けた。だからこそ、とうとう、ある種の「勝利?・・と呼んでいいモノではないのかも知れないけれど・・」を得たときに、依然として自分の無謬を語る加害者の会見に、堂々と参加するパワーを得たのだろう。
この作品の内容がすべて真実か、とか、どこまで開示性が高いのかとか、我々素人にとってはある意味どうでもいい。
表現として、そしてそこに描出された彼女の姿が、十二分に説得力があり、心に響く、これは真実だ。
だからこそ、みんなが観るべきなのだが、自分が見た回は意外と客が少なく、しかも男性が多いのが少し気になった。
(女性は自分ごとととらえすぎてつらくて観る気になれないのかも知れないが・・・)

一つだけ言うと、ある一人の善意によって救われた、ような構成になっているのは、逆に「物語化しすぎ」ともとれるかな、とは感じた。あそこでグッと感動してしまうのも事実なのだが・・

2026/01/11

2026/01/23

80点

映画館/大阪府/梅田ブルク7 


最後に救いの神が

伊藤詩織が綺麗すぎてノンフィクションという事を忘れてしまう。事の是非よりも、伊藤詩織を悲劇のヒロインとして製作されたモキュメンタリーのように映る。

構成の妙もあるが普通の人間ドラマのようだ。物議を醸した弁護団の申し立ても納得できる。ここまで親身になってくれた側の人間としては、後ろ足で砂を掛けられた気分だろう。逆に海外ではこの程度の情報漏洩は普通なんだろう。

いかにも海外向けの作りであり、ドキュメンタリーとしては高評価を得るであろう。ただ本国では公にされると困ると規制される事案が多い。日本の社会自体がブラックボックスという事だろうな。

2026/01/09

2026/01/21

80点

映画館/栃木県/小山シネマロブレ 


なぜ賛否が分かれるのか

ネタバレ

2026年最初に観た映画。
昨年後半からドキュメンタリーが続いている。

公開初日の1回目。意外なほど女性の姿が少なく、10人くらいの客の中で女性は2人だけだった。

被害者の伊藤詩織さんはレイプされたと警察へ訴えてもまともに取り合ってはもらえず、告白本を出版し、事件を明るみにする。
レイプ事件に対する認知度と彼女への支援が高まったものの、それと同等かそれ以上の誹謗中傷も受ける。もうこれはセカンドレイプでしかない。
レイプ犯ではなくレイプされた女性が非難される実情にもわずゾッとした。

彼女はPTSDに罹りながらも前へ進もうとするのは、真実を追及し世間へ知らしめること、そして政府や警察といった権力者への監視というジャーナリストの使命感が彼女を突き動かしているのだろう。

当時、心無い者からは「売名行為だ」を言われたこともあったろうが、この映像を見ている限り、誰もがハイリスクだとわかるようなことをするほどバカな女には見えない。

最高裁で民事勝訴を勝ち取りながら浮かない顔のラストシーンがとても印象的だった。

この作品にはいろいろと賛否が分かれているようだが、どちらにしても観た上で賛否をジャッジすべきだろう。

2026/01/14

2026/01/20

100点

映画館/愛知県/伏見ミリオン座 
字幕


藤詩織さんの事件についてのドキュメンタリー映画。ブラックボックスで、事件の概要は知ってはいたものの、タクシーから引きずり出される映像や、捜査官の生の声などはやはり迫力がある。映画作りの中で、この要素は絶対に外せないと感じた。むしろ、防犯カメラの映像使用を認めないホテル側に問題がある。公の場では、いつも毅然とした態度を見せていた伊藤さん。友人と笑い合ったり、辛い思いに涙したりという、我々と同じ人間としての伊藤さんの姿がある。後半の民事訴訟の部分は、書籍出版後の出来事で何も知らなかったので、とてもハラハラドキドキした。ホテルマンとの会話のシーンなどは、ドキュメンタリー映画の力を感じる、素晴らしいシーンだった。
パンフレットは1500円で高いなと思ったけど、中身の充実ぶりがすごい。海外で高い評価を受け、日本で上映されるまでの長い道のりにも、ドラマがあった。プロダクション、ディレクターズノートや多くの人の寄稿で、この映画の真価をさらに再認識する。映像・フェミニズム研究者の中根若恵さんによるエッセーは、ジャーナリズムとドキュメンタリーでの映像の扱いの差異や、真実の倫理性についての内容で、とても参考になった。

2026/01/15

2026/01/18

75点

映画館/東京都/kino cinéma新宿 
字幕


出色かつ勇気あるセルフドキュメンタリー

2015年4月のある日、25歳の伊藤詩織(本作監督)は、大手放送局の上層部職員から性暴力を受ける。
ジャーナリスト志望の彼女は、今後の活動の相談のために彼に相談を持ち掛けたのだが、意図せず意識不明となり、気が付いたらホテルの一室、事は済んだ後だった。
伊藤は実名を公表した上で告発するも、相手が政治家と親密だったため、警察組織もなかなか動かない。
さらに、伊藤は世間からもバッシングを受けはじめる・・・

といった内容の、性被害者自身によるセルフドキュメンタリー。

とにかく酷いことが起こっていたとしか言いようがない。

権力を持つ者と持たざる者を隔てる高い壁、男性と女性を隔てる厚い壁。
それらが伊藤の周囲にそびえており、伊藤自身は怯えてもいた。

しかしながら、伊藤本人がジャーナリスト(当初は志望者だが)だったために、常にジャーナリストの鎧を着ることで、どうにか生き延びることができたように感じる。

ジャーナリストの鎧を着ることで自身を守り、彼女には鎧があったため、権力をもつ加害者側に立ち向かうことが出来た。
そう思った。

また、それ以外に痛感したことは、「権力とは。他者を傷つけても何とも思わない力」ということか。
わたしがもし「何でも出来る力」を有したとしても、他者を傷つけてしまうなら、その力は恐ろしくて使えないだろうとも思った。

イギリス・アメリカ・日本合作作品。

2026/01/12

2026/01/13

80点

映画館/兵庫県 


日本、変わるか。

ネタバレ

kino cinéma神戸国際にて鑑賞。

伊藤詩織監督作。自身が受けた性暴力被害を告発するが、被害届が受理されなかったり、逮捕直前までいきながら、組織の上からの判断でストップがかかるなど日本社会の不透明な構造が見えてくるというかつてないドキュメンタリー。

ホテル前に止まったタクシーから出てくる二人の映像からすると伊藤さんは足元もおぼつかず、強引に連れ込まれそうに見えた。ある時点から記憶がないという言葉からすれば、何らかの薬物を使われた可能性が濃厚。

大手マスコミゆえに、皆がグルになって隠蔽に走ったとしか見えないが、ドキュメンタリー作品を公開するような企業なら、社員の不始末の可能性は徹底的に内部調査すべき。

当事者だけでなく、無関係の人物が被害者を非難する歪さ。人によったら、自死を選びかねない集中攻撃に手を貸した人物は後になっても炙り出して欲しいと思う。

映像を無断使用することは良くないが、このことを性的暴力と同等と言う元弁護士の思考も理解できない。

海外からの評価があっての日本公開という構図に、またかと思う一方で、映画化を決めた故・河村氏の選択の確かさを思う。