育ちの違う兄弟の物語。兄は貧しい中で育ったが、弟は貴族に引き取られて育てられた。兄を育てた祖母は「貧しくても立派に育てることはできる」と。貴族の家で育った弟は母親の死の原因も知らされず、没落後も贅沢を知っている貧乏人となった。そんな兄弟が久しぶりに会ってから、気を使い過ぎていたり、やはり思うことは多々あっても、彼らは兄弟なのだ。冒頭、弟の死の知らせを聞いた兄と、終盤、死にそうな弟に付き添えずにフィレンツェへ送り返した兄。辛い話だ。辛く思えるのは兄が弟に対して、愛情、唯一の家族という思いを抱くに至った過程を見たからだろうか。マストロヤンニ、名演である。