私の殺した男

わたしのころしたおとこ|The Man I Killed|----

私の殺した男

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レビューの数

13

平均評点

76.0(45人)

観たひと

70

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / ラブロマンス
製作国 アメリカ
製作年 1932
公開年月日 未公開
上映時間 76分
製作会社 パラマウント映画
配給 パラマウント支社
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「陽気な中尉さん」「モンテカルロ」のエルンスト・ルビッチがトーキーになってから始めて手がけたシリアス・ドラマで原作は「シラノ・ド・ベルジュラック」で有名なエドモン・ロスタンの息モウリス・ロスタンの筆になる舞台劇。それをレジナルト・バークレイが手を加えて改作し更に「陽気な中尉さん」と同様サムソン・ラファエルソンとエルネスト・ヴァイダが協力してシナリオにまとめ上げたもので撮影は「龍の娘」「失われた抱擁」のヴィクター・ミルナーが担任。主なる出演者を挙げれば「侠盗ヴァレンタイン」のライオネル・バリモア、「盗まれた天国」「夜の天使」のナンシー・キャロル、「アメリカの悲劇」「光に叛く者」のフィリップス・ホームズ、「モンテカルロ」のザス・ピッツ、ルイス・カーター、ルシアン・リトルフィールド等である。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

西部戦線。ポールは若いドイツの兵士を銃剣で刺殺した。同時に彼は己のした事に激しい恐怖を感じた。その死体から彼はその兵士の名と村を書いた手紙を見いだしてその兵士が愛人に宛てて書いた手紙の最後のページを読んだ。非常にセンシティヴな若者であったポールは恰も己が普通の場合に人を殺したように懊惱した。それは常に彼の心を苦しめ、ついに戦いが終わった後ポールは彼が殺した男の故郷をドイツに訪れそしてその家族の許しを乞うこととした。彼に殺された若者の父はホルダアリンという医学博士だった。妻と亡き息子の許嫁エルザと共に住んでいた。この人は激しくフランス人を憎んでいた。彼にとってすべてのフランス人は息子の殺害者であり、村全体もまたフランス人を憎むこと甚だしかった。ポールはその村に着くとすぐ己の殺した男の墓に詣で、花を捧げた。エルザは亡き愛人の墓前にひざまづいて泣いている旅人をいぶかしげに見ていた。墓守りはその旅人がフランス人であることを村中にふれ歩いた。やがてポールは博士の家を訪れた。ホルダアリンは旅人の名を聞いた時それがフランス人であることを知り、険しい眼で彼を見、やがて出て行ってくれといった。ポールは一言でいいから聞いてくれと乞うた。そして絶望のうちに恐ろしい告白をしようとしたが、不幸にもその父親は彼が死んだ息子の友人であったというように信じただけで終わった。それはエルザが戻ってきて一人のフランス人が彼女の愛人の墓に花を捧げていたことを告げたのでホルダアリンはこのたび人が息子と親しかったのだと信じたのであった。憎しみは愛情に変わった。ポールは老夫婦のパセティック喜びを見てついに告白の機を逸してしまった。それからポールはたびたびこの家を訪れ家族は彼を快くもてなした。村はこのフランス嫌いの老人が一人のフランス人を迎えている姿を見ていろいろと噂した。そして彼の友人達は極めて冷ややかになりことにエルザを貰おうと思っていたシュルツという男はホルダアリンを非難さえした。けれどその頃ホルダアリンは敵だった国民を憎むことの愚かしさをしり、村人の狭い心を斥けた。そして息子を殺されたことに対してフランス人を責めていた彼は戦争とその飽くなき残虐を呪うようになった。またポールは彼に新しいフランス人への理解を与え、これがためホルダアリンは己と同じように息子を失ったフランス人の父親のことを考えはじめた。更に彼の熱心はこれをそのまま村の同じような父親にひろげた。けれどポールは己の恐ろしい心の要求に更に怖え、エルザに国へ帰ることを告げた。エルザは彼が己を愛していることを知っていた。そして彼がいま国へ帰るというのは自分が死んだ男と婚約していたからだと思った。そこで彼女は亡き許嫁から来た最後の手紙を持って来た。それには彼が例え死んでもそれによって彼女の幸福を妨げることを欲しない旨がが書かれてあった。そして彼女は最後のページをめくった。ポールはついに耐えきれず一切を彼女に告白した。そして今己が自殺しようとしていることを告げた。ポールはすぐにホルダアリンの許に走って同じ告白を始めるがエルザはそれをさえぎってポールはこの村に永住することを告げに来たのだと言った。老夫婦は非常に喜んだ。やがて二人切りになった時エルザは今になって真を語って逃げ出すのは卑法だと言った。ポールのついに思い直して己が殺した男の両親と愛人の幸福へ己の一身を捧げる決心をしたのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022/01/14

2022/01/15

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


この視点からのものは珍しい

緊迫感が延々と続く
ドイツの田舎者でまじめなところが
面白い
予想以上に良かった

2019/08/15

2019/08/16

70点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
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こっちのがシンプルだけど後を引く苦さ

1932年のアメリカ映画。フランソワ・オゾン「婚約者の友人」のオリジナル版。これを見ると、オゾン監督がどれほどイジワルに原案をいじり倒したか、よくわかります。タイトルがネタバレだと思ったけど、この映画では “刑事コロンボ方式”で最初に殺害場面、そこから時系列に従って映画は進んでいきます。

筋は割とストレートで、彼女が彼を追ってきてひどい思いをするような場面など、もちろんありません。でも題材としてはなかなか挑戦的だし、先進的な感じさえします。

一見したところハッピーエンドに見えるけど、繊細すぎる男の苦悩は一生続くだろうな。このストーリーのままいったとしたら、彼は夏目漱石「こころ」の主人公のような最期を遂げるんじゃないか。これはオゾン版よりよほどむごい。

こういうときに女はわりあい現実重視で見たくないところに目をつぶれたりする、など、人間模様が興味深いです。

2019/06/27

40点

選択しない 


反戦がヒューマンドラマになってしまうのが拍子抜け

 原題"Broken Lullaby"で、打ち砕かれた子守唄の意。モーリス・ロスタンの戯曲"L'homme que j'ai tué"(私が殺した男)が原作。
 第一次大戦後、ドイツ兵を殺したフランス兵ポール(フィリップス・ホームス)が贖罪に遺族ホルダアリン家を訪問するという物語。しかしホルダアリン夫妻(ライオネル・バリモア、ルイズ・カーター)は、戦死した息子(トム・ダグラス)が戦前フランスで暮らしていた時の友達だと勘違い。ポールは真実を話せないままに訪問を続け、やがてホルダアリン夫妻は息子の代わりのように可愛がる。
 婚約者だったエルザ(ナンシー・キャロル)もポールに恋し、町のフランス人に対する反感をよそに一家はエルザとポールとの結婚を望むようになるが、いたたまれなくなったポールは真実をエルザに告げる。次いで両親に告げようとするとエルザは真実を告げるのはホルダアリン夫妻に酷だとポールとの結婚を告げるという結末。
 冒頭、ポールの懺悔を聞いた司祭が兵士としての義務を果たしただけだと答えてポールが失望するシーンがあり、反戦映画風に始まるが、ラストではハッピーエンド風なヒューマン・ドラマになってしまうのがハリウッドぽくて拍子抜けする。
 ホルダアリン夫妻との初対面で真実を言いそびれてしまったり、そのまま滞在し続けたり、エルザが勝手にポールが町に居続けるものと決めつけたりという強引なストーリー展開が多く、これで万事丸く収まるの? と疑問符が付いたままの中途半端なThe Endが残念な作品。(キネ旬9位)

2019/06/05

2019/06/13

100点

購入/DVD 
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戦時下で相手が敵であったとしても、人を殺めたという事実の重みから逃れられない男の生きざま。
残された者が生きていく姿。
それぞれの罪の贖いと許し。
人生賛歌。

2019/02/05

2019/05/15

75点

レンタル 
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平和への願い

ネタバレ

互いが相反する立場であるという事の真相を受け入れ、それを秘密として守りながら、これからは前を向いて生きようという意思の表れでもあろう、主人公二人が奏でる「トロイメライ」のたおやかで優美な旋律が胸を打つ。そして、これ以上ない穏やかな笑みを浮かべながら、手を取り肩を寄せ合う老夫婦を捉えたラストカットが何とも余情深く、心の平安をやっとのことで取り戻した喜びをシミジミと実感させられる。

戦争によって数多奪われた命のひとつを見詰めることで、登場人物それぞれの苦悩と葛藤、憎悪と悲哀、許しと和解を紡ぎ出し、宗教の無力や敵国への反感を交えながら、観る者に平和への願いを静かに提示するE・ルビッチ。その洗練された語り口が光る異色の反戦ドラマ。要所で挿入される小刻みなカッティングをはじめ、クレーンショットやオーバーラップ、ズームやパンや移動といった様々なテクニックがアクセントとして効いていて、シークエンス展開に心地よいリズムを刻んでいた。

ついでながら、E・ルビッチ監督作品という以外は、まったく予備知識なしで観たもので、冒頭から続くシリアスなドラマ展開に正直ビックリ。てっきり洒脱な軽喜劇かと思っていただけに、少し当てが外れた気分になったのもまた事実。

2017/11/09

2017/11/09

80点

レンタル/北海道 
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「婚約者の友人」を観た後で鑑賞。

フランソワ・オゾン監督「婚約者の友人」のオリジナル版。オゾン版は女性の側から描かれているが、こちらは冒頭すぐに男がドイツに行く理由が明かされる。オゾン版とは違って運命のいたずらのような結末にはならないので、シンプルだが感動がストレートに伝わって来る素晴らしい作品だった。