満月の夜に故障してしまった電信柱のエレミ(奥村知子)。光に向かって歩き出す不思議な夢から目覚めると、目の前に電力会社の作業員タカハシ(渡辺一志)がいた。タカハシの修理ですっかり元気になったエレミは、どうしてもタカハシと話がしてみたくなり、電話回線に侵入。人間のフリをして電話をかけてしまう。誰だかわからない電話の相手に困惑するタカハシだったが、やがて毎日のようにエレミとの電話を楽しむようになり、二人はすっかり仲良くなっていく。だが、そんな二人の噂は街中の電信柱の間ですぐに広まってゆく。そしてとうとう電信柱会議にかけられたエレミは、決別を迫られる。思い悩んだエレミは、自分が電信柱である事をタカハシに告げる決心をする……。