ロシアを逃れてベルリンに来たスワリン姫イリイナは映画界の明星ティナ、同じ会社の助監督のキップマン及びアメリカの富豪のサイラスの援助の下に映画女優として働く事になる。彼女はキップマンを恋しキップマンも彼女に心を惹かれたが己れの妻や己れの家の暮らしの豊かでない事をも考えた。キップマンが免職せられた時イリイナは彼に勧めて彼の伯父に資本金を出してもらい亡命のロシア人等よりなる映画会社を起こさせ、その専属俳優となってキップマンを助けんとした。が彼には妻もあった。子もあった。此の時彼女の側には救いの手を広げてサイラスが立っていた。これを本筋として此の間ティナの覚醒やイリイナに渡るべきダイヤの盗難事件等が織り込まれている。