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選挙2
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前作「選挙」は自民党のガッチリ組み上がった選挙運動のしきたりの中でヒーコラ状態でがんばる候補者山さんの姿をただただ観察する、という、監督の主張する観察映画のコンセプトを体現するものだった。 今回は、観察される側の川崎市の候補者たちが映画「選挙」のことを知っており、撮影する想田監督のことを「また撮ってるの」などと声をかけてくることで、どうしても観察者の視点だけにとどまることができない。監督のカメラは、撮ること自体の持つ意味を自覚しつつ、積極的に、山さん陣営だけでなく、被写体となる他の候補者たちとも対話していく。その中で「民主主義とは何か、選挙活動は一体誰のものか」という闘いの場にさえさらされる。 選挙期間中、ただただポスターの貼り直しをしに宮前区じゅうを車で回っている山さんの方が、前作とうってかわってなんだか今回は観察者に回ってるみたいにさえ見える。他候補の選挙カーに愛想ふりまいたり、他の候補が駅前で握手とかやってるのを車中からみて超然と批評とかしているのだが、これで選挙運動いいのかよ感が漂う。しまいには愛車のメーターが15万キロを記録する瞬間をデジカメで撮ってたりする。だが、監督の「彼ら(誰かは映画みてのお楽しみ)は選挙活動をどう思ってるんだろう」という発言に対し「私的なものだと思ってるんじゃない?」とサラリ、ズバリと斬るスルドさもにじませる。 そして投票前最終日に、一度だけの街頭演説に臨んで山さんが発したコトバ、表情はとても胸を熱くさせるものであった。ラストカットも含めて本当にここは涙モノ。 ほぼ全編が爆笑の連続で、楽しすぎるエンタテインメントなドキュメンタリーでもあるので、肩の力抜いて見ても全然イケる傑作。多くの人に見てほしい。
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