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雁(1953)
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森鴎外の同名小説が原作。 貧しい飴屋を父に持つ一人娘が、呉服問屋の後妻になったつもりが騙されて高利貸しの妾となり、湯島・無縁坂の妾宅を構える。通りがかる本郷の帝大生に惚れ、一途に乙女心を燃やすが、帝大生は不忍池の雁と共にドイツに旅立ってしまうという物語。 薄幸な娘を感傷的に描くだけの文芸作品で、夢も希望もなければ何の感慨も教訓も残さない。 それでも、ほぼ一人舞台と言っていいくらいに高峰秀子がこの幸薄い乙女を好演していて、29歳の色香で10代の花も恥じらう純情娘を演じるという離れ業をやってのける。 これを引き立てるのが金貸しのシャイロックを演じる東野英治郎で、下品な吝嗇男ぶりは天下一品。その上、裸一貫からようやく妾を囲えるまでになった、いじましくも情けない中年男の哀愁まで漂わせて、妾娘と中年男との不幸の大競演となる。 この二人の前には帝大生・芥川比呂志の影は薄く、おまけに同じ帝大生・宇野重吉ともども年齢的に無理があるが、作品そのものは文芸作たる本格的な演出で、無縁坂から本郷界隈のセットも明治を偲ばせる。 高峰秀子の心理を浮き上がらせる舞台的照明が3箇所ほどあって、若干違和感があるが、ガラスを流れる雨が光に浮かび上がる照明効果は、障子戸なのにおかしいというツッコミを置いても効果的。(キネ旬8位)
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