東京から南西に約1,900km離れた与那国島。この島の面積は東京の板橋区ほどしかない。台湾とは約111kmの距離にあり、年に数回、台湾の山並みが見えることもある。荒々しい波が打ち付ける断崖絶壁の景観は荘厳な力強さがあり、自然・文化・歴史すべてが八重山諸島のどの島にもない独特の雰囲気をもつ。その与那国島の日常や祭事を取材したドキュメンタリーと、花、果実、骨、儀式などをモチーフに幻想的に描かれる世界が交差しながら物語は進む。現実とフィクションはやがて溶け合い、ジャンルの枠を超えた映像によって島に紡がれてきた歴史、文化、人々の記憶がスクリーンに映し出される。