1984年、夏。テキサスのさびれた田舎町、アナリーン。30年前の若者たちも今や立派な中年の域にさしかかっていた。デュエーン・ジャクソン(ジェフ・ブリッジス)は倒産寸前の石油会社を抱え、おまけに妻のカーラ(アーニー・ポッツ)とは喧嘩が絶えない。一方、今やアナリーンの市長となったサニー・クロフォード(ティモシー・ボトムズ)も亡くした人々の思い出の中にばかり浸り、心に深い喪失感を抱いていた。そこへ、かつてのデュエーンの恋人で、イタリアで女優をしていたジェイシー(シビル・シェパード)が帰ってくる。今も変わらぬ美しい彼女の姿にデュエーンは過ぎ去りし日々を懐しむが、ジェイシーもまた離婚を経験し、子供まで亡くした傷を秘めていた。それを知ったカーラは、夫と彼女のかつての仲を知りつつも、ジェイシーとの間に女同士の友情を育んでゆく。町は「百年祭」のイベントを目前に控えていたが、そのさなか、当の主役たるサニーが行方不明になってしまう。デュエーンとカーラが必死に探すと、サニーは30年前に閉館したロイヤル劇場で1人ぽつんとあるはずもない「映画」を見つめていた。「百年祭」の最終日、デュエーンは自分の会社が倒産したことを知るが、それを伝える、かつてサニーと関係があり、今はデュエーンの秘書となっているルース・ポッパー(クロリス・リーチマン)に、彼は何よりもまず、自分を見失っているサニーを救って欲しいと懇願する。そしてその夜、祭りがクライマックスを迎える中、デュエーンは何ごともなかったようにカーラと愛し合う。翌日、またもやサニーは失踪を遂げる。誰もいない祭りのあとに佇む彼を突然、30年前のロイヤル劇場の最終上映の日の「赤い河」の思い出が襲う。心の均衡を失って倒れかかるサニー。しかしその時、デュエーンとルースの手が彼をしっかりと抱き止めた。朝の光の中、アナリーンのメイン・ストリートに車を走らせる彼らを、ロイヤル劇場がいつもと変わらぬたたずまいで見下ろしていた。(日本ヘラルド映画配給*2時間6分)