昭和初期の日本。探偵の夢幻魔実也(皆木正純)は、他人の心を視たり、他人に自由に夢を見せたりする力を持っていた。ある夏の終わり、魔実也は道端で聞こえてきた不思議な声に誘われ、木箱から発見された少女・三島那由子(横尾かな)に会いに行く。山奥の診療所で会った那由子は、反応が全くなく、まるで人形のようであった。那由子の母・ミツ(井上貴子)によると、奉公に出たまま数ヶ月の間行方がわからなかったという。ミツから那由子を助けてほしいと懇願されるが、かつて暗示に失敗し一人の女性を廃人にしてしまったことがある魔実也は二の足を踏む。しかし彼を追いかけてきた元依頼人・小堀(龍坐)や、村人を脅かす謎の犬男が現れたことにより、魔実也は那由子の心を視ざるを得なくなる。すると那由子は、奉公先の女主人・雛子により自分のことを人形だと思い込むよう暗示をかけられていた……。