花の都フィレンツェにはウフィツィ美術館を始め、市内の教会や美術館、広場のそこここに珠玉のルネサンス美術が点在している。銀行業で巨万の富を蓄えたメディチ家は、当時いくつかの共和国に分かれていたイタリアでフィレンツェ共和国の実質的な支配者となり、後には教皇を輩出し、中世ヨーロッパで権勢を誇ったキリスト教世界のトップに立った。ロレンツォ・デ・メディチを始めとするメディチ家の人々は自らの為政の場や住居を飾るために、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェッリらに絵画や彫刻を依頼し、教会にも布教のために壁画を寄進し、壮大なドームを備えた聖堂を建てた。こうしてフィレンツェは、わずか2キロ四方程度のエリアにルネサンスの巨匠たちによる作品がひしめき合う、それ自体が一つの美術館のような街となった。本作では、ウフィツィ美術館が収蔵する傑作の数々のほか、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やシニョーリア広場、国立バルジェッロ博物館などに並ぶ至高の絵画や彫刻、建築を世界最高水準3D・4Kテクノロジー映像で撮影した。なかでも2011年から修復が進められ、映像では初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチ『東方三博士の礼拝』のほか、フィレンツェ・ルネサンスを代表するボッティチェッリ『春(プリマヴェーラ)』『ヴィーナスの誕生』、ミケランジェロ『聖家族』、ラファエロ『ひわの聖母』などが見所である。