2011年に始まった“アラブの春”と呼ばれる民主化運動の波の影響を受けたシリアで、2人の若者が立ち上がった。当時19歳のバセットはサッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していたが、平和を訴えるシンガーとして民主化運動のリーダーとなり、そのカリスマ性で若者を惹きつけた。バセットの友人で、有名な市民カメラマンである24歳のオサマは、デモの様子を撮影した映像をインターネットで公開し、民主化運動を広げようとする。2人はそれぞれ歌と映像により、非暴力の抵抗運動を先導していた。しかし、2012年2月、政府軍の容赦ない攻撃によって、ホムスで170人もの市民が殺害される。それを機にバセットと仲間たちは武器を持って戦い始める。彼らが戦い続ける理由とは? そして、彼らにとって生きることや戦争、ふるさととは何なのか? シリアの民主化運動のなかで生きている人々の“リアル”をカメラは映し出す。