フランス・パリのオテル・ドゥ・クリヨンをチェックアウトしたイタリア人のイレーネ(マルゲリータ・ブイ)は、世界の5つ星ホテルのサービスをチェックする覆面調査員だった。誰もが憧れる仕事をしているが、私生活では40歳独身。それでも自由な生活を謳歌していた。イタリア・トスカーナのフォンテヴェルデ・タスカン・リゾート&スパで調査中のイレーネの前に、元婚約者アンドレア(ステファノ・アコルシ)が現れる。今は親友のアンドレアは、現在の彼女との間に子供ができたことを相談し、自分たちに子供ができていたら産んだかとイレーネに尋ねる。イレーネは、必要ないから産まないと答える。ある日イレーネは、ローマにある妹夫婦の家で過ごしていた。2人の娘を持つシルヴィア(ファブリツィア・サッキ)はイレーネの将来を案じるが、イレーネは姪が世話してくれるとかわし、姪たちと絆を深めるため南イタリア旅行へ出かける。しかし夜になるとママに会いたいと泣かれてしまい、失敗に終わる。イレーネは仕事で行ったモロッコ・マラケシュのパレ・ナマスカで素敵な男性と楽しいひとときを過ごすが、愛妻家という言い訳でフラれてしまう。ローマに帰ったイレーネは、子供が産まれる彼女の側にいるために新居を探すアンドレアに同行する。次第に父親の責任を持ちつつあるアンドレアに、なぜか冷たい態度をとってしまうイレーネ。さらにシルヴィアとも些細なことで喧嘩してしまう。イレーネはドイツ・ベルリンのホテル・アドロン・ケンピンスキーで、人類学者ケイト(レスリー・マンヴィル)と意気投合する。翌日、一緒にトルコ街に行く約束をするが、突然の別れが訪れる。将来への不安から孤独を感じたイレーネは、ローマに戻ってもシルヴィアと仲直りできず、さらに孤独を深める。思わずアンドレアにすがるが、彼にはまもなく新しい家族ができる。華やかで自由な人生と引き換えにある孤独に気づいたイレーネは、自分らしい人生の旅の答えを出す。