ある日、寺本家に大きな荷物が届けられる。使用人たちが封を開けると、怯えた様子の女ゾンビ(小松彩夏)が檻に入っていた。沙羅というその女ゾンビは人を襲わない種類であったが、拳銃と、「肉を与えるな」と書かれた取扱説明書が同梱されていた。寺本家では沙羅を下僕として使役するが、帝王切開の痕をはじめとして全身傷跡だらけで記憶も感情もなく異様な風体の沙羅を人々は忌み嫌った。そして沙羅を傷めつけたり、身体を弄んだりと虐待が繰り広げられた。沙羅を虐待しないのは寺本の妻・志津子(冨樫真)と幼いひとり息子の健一(大西利空)だけであった。健一は喜んで沙羅を買ってもらったばかりのポラロイドの被写体にしていた。そんな中、不慮の事故で健一が溺れ死んでしまう。ショックのあまり半狂乱になった志津子は健一を蘇らせるよう沙羅に頼みこむ。一同が息をのんで見守る中、沙羅は健一の首筋に噛みつく。すると、沙羅の中に帝王切開の記憶が蘇る。そして健一はゾンビとして復活。母親としての愛を思い出した沙羅は人間味を増し、健一も人間だったとき以上に沙羅を慕うようになる。そしてそんな沙羅に周囲の男たちは魅了されてしまう。一方志津子は、心身のバランスを崩し、健一や家族、寺本を沙羅に取られてしまうのではないかと疑心暗鬼に陥る。思いつめた志津子は、健一が撮ったポラロイドを集めた缶のふたを開ける。するとそこには驚くべき事実が込められていた……。