1944年大晦日の夜、空襲管制下のロンドンで、婦人防空監視員ジョディ・ノリスは、焼け落ちた教会でデシャム卿を救った。卿の話によると、彼が第一次世界大戦に出征中妻子が流感で死亡して以来、彼はさびしい隠とん生活を続けていたのだった。卿は彼女の身の上をも聞きたがったが、彼女は拒んだ。2人は晩さんを共にする約束をしたが、彼女と同郷の陸軍将校が現われグレゴリイ・ビアスンという飛行中尉がロンドンに来るという報をもたらすと、ジョディはそのまま姿を消した。話は1918年の5月にさかのぼる。ジョディは郷里アメリカのピアスン・フォールの町で、航空大尉バアト・コスグロウヴと恋に落ち妊娠したが、彼はそれを知らずフランスで戦死した。生まれた息子を私生児にしたくないので彼女は、いったん家の近くに捨て拾い子として育てようとした。ところが以前彼女の求婚者の一人だったアレクス・ピアスンの妻コリンに拾われてしまった。ジョディは恥をしのんで打ち明けたが、子のないコリンは返してはくれず、グレゴリーと名づけて育てることになった。落胆したジョディは、ティルトンという以前の求婚者の一人を頼りニューヨークに出て、彼と協力して化粧品の製造業に成功した。一方ピアスンは破産していたので、彼女はこれを機会に息子を取りもどそうとするが、コリンは拒んだ。今はすべてをあきらめた彼女は、ロンドンの軍需工場で仕事に励み、一切を忘れようとしていたのである。ロンドン停車場。やがて到着した列車から、郷里の知人として出迎えたジョディの前に降り立ったグレゴリイ・ピアスンこそ、息子の成長した姿だった。グレゴリイがロンドンでリズと恋仲になると、ジョディはデシャム卿の助けで2人の結婚式を挙げさせた。リズは、ジョディが夫の母であると女の直感で知り、夫に告げた。かくて式後の舞踏会、母子は初めて相擁して踊った。