家族も友達もお金も、存在感すらもない高校生・加藤小判(清水尚弥)。彼が持っているものは、ただひとつ。誰からも存在を意識されていない時、本当にその場から存在を消す“テレポート”能力だった。しかし、それはただ場所を移動できるだけでなく、テレポート先では全裸になってしまうというおまけつき。そんな能力が役に立つことはなく、使えば小判の孤独を証明するだけであった。ある日、家を追い出された小判は、誰もいないはずのテレポート先でシーナ(平愛梨)という女性に出会う。家のないシーナは、小判の能力に興味を持ち、それを利用することを思いつく。こうして、帰る場所を失った2人の奇妙な共同生活が始まった。同じ頃、町はにわかに活気づいていた。スーパーの防犯カメラに、“白い河童”が映し出されていたのだ。それはテレポートで全裸になった小判だったのだが、誰1人としてそれに気づくことはなく、話を聞いたまちづくり委員の面々は、“白い河童”に賞金を懸けて町に活気を取り戻そうとするが……。