人よりブサイクな自身の顔に勝手に強いコンプレックスを持ち、いい歳をして自分の苛立ちを周りの物に当たり散らす32歳の馬場大輔(今野浩喜)。映画監督を夢見ているが、「映画で言いたいことがないなら映画監督を目指すのなんてやめちまえ」と言われて何も言い返せない。しかも「俺の世界観」と格好つけているくせに映画を撮ろうともしない。実は何で映画監督を目指しているのか、自分でもよくわからないのだ。家では二人暮らしの母親に「いいかげん自分の食いぶちくらい自分で稼ぎなさい。30すぎてみっともない」と文句を言われる日々。一方、占いやおまじないが好きな木下桃子(田代さやか)は、中学生のときに観た学生映画『LOVEZONE』に魅了され女優を目指す25歳。それは彼女が生まれて初めて持つ夢だった。だが高校卒業後すぐに芸能事務所に所属するも女優の仕事はほとんどない。オーディションには落ち続け、たまに出演できてもエキストラ的な役名のない役ばかり。そして今日も撮影現場で笑顔をふりまいている桃子。そんなある日、大輔と桃子が撮影現場で出会い、そこから奇想天外な物語の幕が開く……。